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目を覚ますと、俺はうつ伏せのそのままの状況でベッドに倒れていた。吐き出したものは吐き出されたまま、ルカの姿はどこにもない。後始末もなにもせず、意識を飛ばした相手を放って帰るなんて、つくづく! つくづく最低男だな。
「くそったれ!」
そんなくそったれにいいようにされてる自分が、もっとくそったれだ。なんだよ。今日は主導権を握るだなんて意気込んでたやつは。まんまとひっくり返されて果てには意識まで飛ばされるなんて。
ムカつくくらいにうますぎて、ほんと腹立つんだが。
いつまでもグチグチ言ってても仕方がない。気怠い身体を引きずって風呂に向かう。服を脱ぎ去り中へと入ると、中に出されたものを掻き出していく。この作業がものすごく虚しい。なんで俺がこんなことしないといけないんだよ。どちらかというとポジティブな方だが、ここまで突き落とされ虚しい生活を強いられていれば、気持ちも滅入ってくる。
風呂に入って温もると少しは気が楽になる。こんな生活がいつまで続くのか。元の世界に戻る方法を一刻も早く見つけないと。
元の世界・・・・・・。こんな底辺みたいな生活を強いられているここよりは、きっといい場所だったはずだから。
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