1589人が本棚に入れています
本棚に追加
「ここは、リリアス王国の王都ミノンです。ここは王城の離れで、ルカ様は・・・・・・、リリアス王国の第一王子さまです」
「お、王子?」
どっかの金持ちのボンボンだろうとは思ってたけど。王子? 王子って、あの王子?
めちゃくそお偉いさんじゃねぇか。なるほど。だからあんなに態度がでかかったんだな。俺の態度、よく怒らなかったな。いや、怒ってたか。不敬者だと切り捨てられててもおかしくなかったのかもしれないな、俺。でも、今更敬うなんてできるわけないし。ルカだって、文句は言うけどそれ程気にした様子もないし。
「てか、王子さまが奴隷を買うなんて、ありなの?」
「ですから、極秘ルートで仕入れ、この離れに押し込まれているのではないですか。貴方の事は限られた人間しか知りません。この離れにも、限られた人しか近寄れなくなっています」
「へぇ」
だから、料理を運んだりシーツや着替えを替えたりするメイドは大体決まってるのか。
「ルカ様は、本当に恐ろしい御方です。厳しく・・・・・・容赦のない御方で・・・・・・。ですから、律も、気を付けてください。ルカ様の気分を害すれば、命はありませんから」
「ま、まじか・・・・・・?」
それならもうすでに、気分を随分と害しているような気がするが、怯えきったリアにそんなことは言えなかった。
最初のコメントを投稿しよう!