episode 2

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「あんた、王子さまなんだってな」  夜になって訪ねてきたルカに問いかけると、怪訝な瞳が俺を射抜く。 「誰に聞いた」 「誰でもいいじゃん」  リアを責められては可哀想だと誤魔化す。 「なんで言わなかったんだよ」 「俺は王子だと言うのか」 「なんだよ。俺様だとか言ってたじゃん」 「お前は、俺が王子だと気付いたくせに態度を改める気はないのか」 「え、今更じゃん」  まぁ、怒らせて殺されるのはごめんだから、改めないなら殺すと言われるなら改めないでもないけど、見てたらそこまででもないみたいだし。 「お前は、本当に変な奴だな」 「はぁ? 聞き捨てならねぇな。どこが変なんだよ。俺くらい真っ当な人間はいないよ」 「俺が、怖くないのか」  そう問われ、俺はルカの顔を見る。なにを考えているのか、相変わらず分かりづらい。 「怖がられてるらしいな。それと、最初俺を連れてきた男も、嘆いてたぞ。女遊びが激しくて、困ってるって」 「・・・・・・ハンスか」 「ハンスっていうの?」 「俺の側近だ」  今更ながら名前を知る。最初のあの日以来ここを訪ねてくることはないし、会う事もなかったけれど。俺を軽蔑した目で見ていたいけ好かない奴。
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