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「ちょ、俺も隣で仲良く寝ろって言うのかよ」
「お前は床ででも寝ればいい」
「はあ!? やだよ。これ俺のベッドだろ」
「俺と寝るために用意されたベッドだ。つまりは、俺のもの。俺がどう使おうと勝手だ」
「理不尽!」
これまでやるだけやってさっさと帰ってたくせに。寝て帰るとか。しかも、セックスもせずに。確かに、だだっ広いこのベッドで二人で寝たところで狭くもなければ十分すぎるスペースがある。目くじら立てて怒るようなことでもないのだが。
「じゃあ、寝るまで話し相手になってよ」
「はあ?」
「ずっと一人でこんな部屋に閉じ込められてるんだ。話し相手くらいしてくれたっていいだろ」
少し間を開け、俺もベッドに潜り込んでルカの方を向いて訴える。上を向いて転んでいるルカの顔がちらりとこちらを向いた。
「本当にお前は変な奴だ」
「またそれかよ」
「俺と話したいなんて物好きはお前くらいだ」
ルカと話したいっていうのが物好きなのか。どんな世界でルカは生きているんだろう。命を狙われているくらいだ。味方は少ないのかもしれない。
「ルカって、何歳?」
「・・・・・・二十五だ」
「へぇ。年上なのか」
「わかったら、敬え」
「今更だろ。今更俺が敬ったって、気持ち悪いだけだって」
ま。敬いたくないだけだけど。ルカはじとっと睨みつけてくるけど、それ以上は何も言わなかった。
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