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何かに対する熱量というものは、時間と共にどんどん目減りしていく。
そう。好きなことに夢中になるためには原動力が必要だ。いっぱい食べていっぱい寝て、定期的に刺激を受け続けてないと、そうそう長くは続かない。
だから私は、尊いものを摂取しないといけないのだ。
誰かとおしゃべりしたり、カラオケ行ったり、買い物したり。
顔面国宝級のイケメンを拝顔するライブ、エモい曲だとかイケボの歌い手さんだとか、むっちゃウケるアニメだとかマンガだとか、映画やドラマ、イケメンだとか。
そう。それは私が私として生きるための糧。課せられた使命。権利なのだ。
アオハルは一瞬だ。儚い。
それがどうした今年の夏は。
コロナのせいでどこのイベントも中止。
プールもライブも観光地もみんなみんな自粛ムード一色で、今年の水着を選びに行くことすら叶わなかった。
じっぐじょーーう!
何もせずに、気づいたらもう。
夏休みが、オワタ。
私の一生で一度きりの、高二の、な、つ、や、す、み、が、だ!
親友のチャーと一緒に、いろんなとこ行って遊びたかった!
プール行って遊びたかった!
海行って遊びたかった!
夏祭りや花火大会行って遊びたかった!
そんでそんで……あ。あの人カッコイイ!とか言ってドキドキしたり、もしかしてワンちゃんあるかもっーー!なんつって、青春の一ページってやつを謳歌したりなんかしたかった!
血の涙を流し、額に汗汗、マスクの中はぐっちょり、口の周りに欲求不満が張り付いてる。鬱陶しい梅雨も明けたというのに不快指数はMAXだ。
そんな最中。夏休み短縮の周知……お盆開けたら授業再開……
ちーん。終了……
最悪じゃね?
誰だよ!こんな夏休みにしたのは!
コロナなんだけどさ。
マジあり得ないんですけど。
熱中症で倒れる前に、心が病んでご臨終だよ。
「今夜が山です。ご家族に連絡してください」
「そ、それより、先生……私に、どうか、彼氏を……夏の思い出を……」
ぴーーーーーー。
って、きっとそんな死に際になるに違いない。
コロナ自粛の延長戦で持久戦。
衛生兵ーー!!衛生兵は何処ーー?!
みたいな感じだ。
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