ひと夏のマーメイド

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「はあ」 ここのところ、ついてない。 まあ、今回はただの不注意だけど。 あー、喉乾いた。 目の前に、こんなに青い水があるっていうのに、潤えないのはどういうことか。 「このまま干からびてしまいたい……」 「そんな寂しいこと言わないでよ、人魚姫」 今度こそ起き上がると、さっきの救助者さんがいた。 「なんで」 「ほっとけないでしょ、王子様としては」 「うぅー。やめてください、ソレ」 「いいじゃない。夏で、海なんだから」 言いたいことはわかるけど、そして、持ってきてくれたトロピカルジュースも助かるけれども、ものすごくいたたまれない。
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