サーフボードでお届け物を

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 最初の2か月くらいは、本当に大変だった。  エミリーとの会話にはたまに流暢すぎて俺には分からない英語が混ざるし、「トモアキ!」と気軽に名前で呼びつける、可愛いエミリーにはみんなのコウキの視線が付きまとうし……  だが、男たるもの「任せとけ」と言った以上、放っておくわけにもいかない。なんとかエミリーの日本語が理解できるようになって、周りの目線にムシを決め込むことを覚えた頃にはいつの間にか1学期が終わろうとしていた。  そこに来て、この「シャンクローズ」事件である。  久々に英語が分からない状態に逆戻りだ。  小学校からの帰り道の最中や家に帰って二段ベッドの上にダイブしてからも、ずっと「シャンクローズ」の謎について考えていた。
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