第1章

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 俺は悩んだ。悩んで悩んで悩み続けた。そして、俺は予定通り東京に行くことを決めた。  次の祭りの日にちゃんと謝ろうと思っていた。謝ったら、最期の祭りを精一杯楽しんで、笑って、喜んで、そして、笑顔でレイに別れを言うんだと、そう思っていた。しかし、人生はそう甘くないのかもしれない。  翌年。太陽が地球を料理するかのように燃え盛り、蝉が人生を全うするためにけたたましく鳴き続けている、いつもと変わらぬ夏の日に。  夏祭りの中止が告げられた。
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