麦わら帽子のあの子

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 だから落ちてた麦わら帽子はすぐにあの子のものだと分かった。けれどあの子の顔は覚えていない。拾ってあたりを見回す。このあたりに女性はいっぱいいる。あの子は俺と同じくらいの身長だった。それでも結構人がいる。今帽子をかぶっている人は違うだろうからそれで半分位は絞り込めた。あとはあの子の服装と同じ人を探せばいい。そう思ったところで声をかけられた。 「その帽子、私の……」
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