辛杉家の憂鬱 シン編

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「おいしい。この激辛加減」 「それはデスソースの味だろうが!」 「いやいや、このほんのり鼻に抜けるスパイスの香りはお兄の味だよ」 「俺のカレーがほんのりに降格してるじゃないか!」  そうだった。妹はなんにでもデスソースをぶっかけるし、カレーとなればなんでも混ぜるド変態だった。スパイスのきいたカレーに悪戦苦闘している母をしり目に、デスソースカレーをあっという間に食べ切った妹はお代わりをする。  次によそったカレーには納豆と卵を乗せて、そこまでならわかるがなぜか苺ジャムを追加する。この変態め。  二杯目のカレーをおいしそうに食べ切り、三杯目四杯目と、トッピングを変えながらララはおいしそうに食べていた。謎のトッピングセンスと異次元胃袋を持つ者、それがララである。 「あ……」  さらなるお代わりをしようと鍋の前に立ったララが固まった。 「どうした」
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