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天沢理香、27歳。女性の平均より少し高い160ちょいの身長。
セミロングの髪は、カカオ強めのビターチョコレートのような色合いのダークブラウン。後ろ髪はチェック柄のシフォン生地のシュシュでいつものようにポニーテールにし、前髪はサイドに分けてヘアピンで留めている。
バッチリおでこが出た状態でこんな風な話し方をするので、完全に「アネゴ」キャラが定着していた。
ネコを思い出させる切れ長二重の目に、色の濃い唇。小顔の中に各パーツがバランスよく配置されていて、なかなかの美人だと思う。実際、中高生時代は数人の彼氏の噂を聞いた。
探偵とは呼んだものの、本業は正社員。介護用品をレンタルする会社の事務方をやっていて、お客さんへの請求書の発行とその回収管理を担当しているらしい。
今日もオフィスカジュアルで、ひらひらとした袖が二の腕の下で揺れる、ふんわりした袖のライトブルーのブラウス。随分夏っぽい装いだと感じるのは、清涼感のある白ストライプのスカートのおかげだろう。
「ビックリしました、随分若い男性の探偵さんだとは思っていたんですけど」
2人分の追加の飲み物と食事を注文した後、彼女は俺と理香さんを見比べるように視線を動かした。
「俺はあくまで橋渡し役です。今回みたいにSNSで謎解きの依頼を受けて、理香さんに繋ぐだけですね。そういうのは俺の方が得意なんで」
「ワタシ、仕事以外では細かい管理苦手だしね」
可笑しくて堪らない、という感じで口に手を当てる。
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