いつか今になる将来を、僕は歌う。

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 ※ ※ ※  僕、森谷(もりたに)葉一(よういち)は、約三ヶ月前に働き出したばかりの中学校教師一年目。  就職前からある程度覚悟していたことではあるけれども、教員という仕事は、はっきり言ってかなりハードだ。  朝は生徒が来る前の七時半から八時頃には出勤。「定時」とは名ばかりで、早い時でも十九時、仕事が溜まっている時には二十二時頃まで残業することもある。  授業準備のための時間は想定されていないから、必要な時は、休日を使って掲示物の作成などをしている。  激務だからといって、今の仕事を辞めたいだとかいう気持ちは決してない。  ずっと目指してきた職業だ。実際、やりがいもある。  今の所、出勤できないほどに体調を崩したことはない。  休日ぐったりして一日中ベッドで過ごすことはあるけれど、月曜になれば体は動くし、生徒の前に立てば楽しく授業できている。  教員に限らず、社会人としてはこれくらいの負荷がかかるのは常識的なことなのだろう。
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