さよならだ

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俺らは、隣の国まで引っ越すことになった。 旅立ちの日、悲劇が起こった。 「帝国陸軍だ。道を開けろ!」 彼らはどかどかとやってきた。 「カルタント一家はどこだ!」 そして、荷造りの終わった俺らの家に来た。 「先程密告があった。カルタント・ルーカお前は紋章持ちだな?」 父が俺を隠した。 「いや、こいつは勇者に憧れて、自分で腕に墨で書いたんだ。だから、紋章持ちでは無い。」 「どうなんだ?」軍の大将かと思われる大男は、占い師のような格好をしているおばさんに聞いた。 「この子は魔王と対になる魔王と正反対の強い魔力を持っている。そして、純粋な勇者だ。」 おばさんは、目をこちらに真っ直ぐ向けながら言った。 大男は、「とりあえずそいつを捕まえて、この石を紋章に当ててみろ」 父は、青ざめながら小さく「勇者石ではないか」と呟いた。 大男は、父の呟きが聞こえていたらしく、 「いかにもこれは勇者石だ。こいつを、紋章に当てて光ったら勇者であることが分かる。 ところで、その大荷物はなんだ??引っ越すのか?」
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