それぞれの『普通』は気付かない。

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それぞれの『普通』は気付かない。

ふと目を覚ますと、主寝室のベッドでだった。 どうにか、私はまた思い出す。 あの晋作(しんさく)が… 『何かあったら、先に俺に言うんだ』と。 それ以外も思い出す事が他にもあった。 『俺がどんな事をしてでもだ、そんな無理を続ける事すらも止めるだけだ!!』 あんなにそう。 晋作(しんさく)に『強く』言われた事もなかった… 私は『無理』を? そんなに『無理』をしていたのか? 『ならもう、そんな誤魔化しは止めるんだ!』 私が… 『私を』か? 誤魔化して… どうにかそれでも、考える。 晋作(しんさく)はどうして、あれ程に… 『また、気付いてないのか。』 私は気付いてない? 何が… ************************** 起きて少ししてから、しばらく考えるが。 けど、やっぱり判らない。 まだ… 私は全ての気持ちを振り払う。 一度、お風呂の方へと行こうと思いながら、身体を起こす。 その時にだった。 部屋のドアを開く音がした。 「あぁ、起きたんだな。」 私はすぐに晋作(しんさく)を見た。 少し嬉しそうな顔なのが判る。 あぁ、それは… 私も嬉しい事なのは、何も変わらないなぁ。 近付いてから、ベッドの上にと。 腰をかけた晋作(しんさく)にと、スッと手を伸ばして頬に触れた。 「うん。 ごめんね? でも、少し、そう… 晋作(しんさく)が嬉しそうなのは、やっぱり。 私も嬉しいなぁ…」 私は笑って言った。 晋作(しんさく)はまた少し驚く様子はしたけど、すぐにまた嬉しそうに笑った。 「あぁ、俺も嬉しいのは本当だ!! だからもう、大丈夫だぞ。」 私は晋作(しんさく)の顔を見る。 本当に嬉しそうに笑ってるのが判る。 私はまた笑う。 「まだ、『気付いてない』かも、しれないけど。」 「あぁ、すぐに何て考えなくて良いぞ。 俺はずっと、これからも彩香(さやか)とだけだ。」 私はまた少し笑った。 「そう言えば、今は何時? もうどれくらいに…」 「あぁ、今か? 家に戻ってからだと、数時間程度だな。 15時頃だが… あぁっ!? それで思い出した!!」 うん? 思い出した? 「彩香(さやか)!? 今日は何か、食べたのか? キッチンを使った形跡もないよな?」 私は言われて考える。 そう言えば… 普段から朝ご飯は食べないから… お昼ぐらいだったか… 「あぁ、そうか。 今日はまだ…」 晋作(しんさく)の方がすぐに今度は驚いた様子で言ってきた。 「やっぱりか!? すぐに注文する、何が食べたい? 何でも言え!?」 私は逆に、晋作(しんさく)の『反応』に少し驚く。 それで考えるが… すぐには、でも浮かばないな? 「別に… 近くのコンビニとかで、買ってくる。」 「待て、彩香(さやか)。 それも俺がまた、少し心配なところだ。 やっぱり少食なのに、また減ってるだろう? 俺が簡単に注文する。 とにかく何か食べないと駄目だぞ!! 普段から、何を食べてたんだ?」 私が普段? 「おにぎりとか?」 「それは… まさかだが、1個だけか?」 私は晋作(しんさく)の顔を見る。 確かに驚いてる顔だな? 私は首を傾げる。 「そんな日も、たまにはあるかも? でも、他にも、お昼と夜は食べてたけど?」 「判った… それも考えるぞ、俺は。」 うん? 考える? 私は不思議に見てると… 晋作(しんさく)が携帯を出して、何やらしてからだった。 「まぁ、すぐに食事は問題ないが… それともう一つ。 彩香(さやか)の部屋に、もう『荷物が全部』届いたからな? だが… まぁ、家電関係は不要でもあるが、それにしても… 凄く『少ない』んだが? 本当か、確認してくれないか?」 私はもう荷物が届いたのには驚いた。 「あぁ、もう届いたのか? そうだな、まぁ… でも私が住んでたのは『ワンルーム』だったから。 家電がないなら… そんなにないとは思うし、少ないかも?」 そう言うと、晋作(しんさく)の方がまた驚いた顔をした。 うん? 驚いてるな? でも私の場合、家電もないなら… そんなにもないだろうから。 『普通』だろうが… この家が大きいのもあるからか? 「判った… それも俺は考えるぞ。」 私は疑問に思う。 「どうかしたか? 別に住める場所があれば… 『必要最低限』で、問題もなかったぞ?」 晋作(しんさく)は首を横に振った。 「いや、それでも流石に… あれが? 家具も少ないが… 『段ボール2つ』しかないぞ?」 それでまた考える。 私の持ってる服が、それ程でもないから… そのぐらいかもしれないか? 私は疑問に、また首を傾げた。 「まぁ… 服ぐらいだけなら、それが『普通』かな?」 そう言ってから、晋作(しんさく)の顔を見ると。 また凄く驚いているのは判るが… でもワンルームでは、荷物は少ないのは『普通』だろう? 「判った… もう、彩香(さやか)の『普通改善』だな? 先にそれをしないと駄目かもしれん。」 私は疑問しかない。 そもそも、こんな大きい家が『普通』じゃないだろ? 「いや? 晋作(しんさく)が『普通』じゃないだけじゃないか? 給料が安いなら、『最低限』になるのは当たり前だろう?」 晋作(しんさく)はもう驚くのもあるが… 若干、目を閉じて考えている様子だった。 なんだか… さっきから晋作(しんさく)が『驚いて』ばかりだが? 「俺が確かに、少しはと思うがなぁ。 そもそも…」 私は晋作(しんさく)を見ていた。 そしたら晋作(しんさく)は目を開けて、いきなりハッキリ言った。 「彩香(さやか)が『あんな会社』での… 『安い給料』なんてのすら、もう変だろう!? 最初の就職先の『月給』と比べれば、判るだろう? それなのに、『最低限』にする必要なんかない!!」 私はそれで若干、昔も思い出す。 まぁ、そうか? でもなぁ… 「だけど晋作(しんさく)? 私の場合… あの会社では、社会人も『1年間』程度ぐらいだろ? 他では『無理』ない『楽な仕事』を選んでからの方が、社会人としては長い。 だから、もう、ある意味… 慣れた。」 晋作(しんさく)はまた明らかに驚いた顔だった。 そんなにか? でも… あの晋作(しんさく)がこれだけ驚くのも珍しいのも判る。 だから少しまた自然と笑ってしまう。 「晋作(しんさく)がまた… 面白いなぁ? それだけ驚く顔は、なかなか見ないからなぁ。」 「これは笑い事じゃ済まないんだぞ。 彩香(さやか)の生活すら、聞いていても明らかに『違う』だろう!?」 その晋作(しんさく)の余りにも驚く様子に… 私はでも、もう完全に笑った。 「あはははっ! 晋作(しんさく)の方が『規格外』な事だけは。 私の方が、詳しそうだなぁ。 『普通の社会人』でも、あれが一般的だぞ? それなりに周りも見てたから。 私なら判るし、知ってる!!」 また晋作(しんさく)は明らかに驚いた顔だった。 「まぁ、でも一番は『簡単な理由』だった。 周りも大体は『同じ』だな?」 「簡単な理由だと?」 私は晋作(しんさく)を見ると、明らか… もう、我慢出来ないぐらいに私は笑いを堪える。 それでもどうにか言う。 「あぁ、簡単だったぞ? 周りも言ってるし、確かに、判ったが… 東京は『家賃』が高過ぎるってだけだなぁ。 給料の大半が家賃だから、『最低限』になるだけか。 当たり前だが…」 ************************** その時に私は『良い案』を思い付いた。 私は晋作(しんさく)がまだ驚いている様子はある。 だから目を見て笑う。 若干、何か気付いた様子も見た。 私はそれにも笑って言った。 「うん、これできっとだな!? よし、判った!! 晋作(しんさく)にも判り易く言うぞ? 晋作(しんさく)は『計算問題』が得意だったからな!! だから『計算』だな? 今から言う問題だが、単純に『計算問題』だ!! 良いな? 今の私の『安い給料』からだ。 そこからまずだ。 所得税、都民税、社保、雇用などの『最低限の税金』が引かれた『金額』を出す。 その『金額』しか私の手元に入らん!! 更にその少なくなった『金額』からだぞ? 最低限の『家賃』を引いて、更にそこからもだ。 毎月必ず引かれる電気代、ガス代、水道などの『光熱費』だな? 更にそこから最低限、携帯代などの『必要経費』を引かれた場合だ。 そこから『毎月の食費』は、いくらになるでしょうか?」 私は晋作(しんさく)を見て、笑いながら『計算問題』を出した。 でももう明らかに驚くだけじゃなかった。 晋作(しんさく)はどう見ても… 完全に困惑している事すら判る。 それでもと晋作(しんさく)が言ってきた。 「それは… 本当に、金が残るのか?」 「残らないなら、何も食べられないだろ? そうなれば、最悪、餓死するぞ?」 晋作(しんさく)を見る。 もう明らかに考えてるのも判るが、『計算』出来てない!! 私はもう面白くなり、笑いながら『追加』も含めて言った。 「こんなのは、一般的な社会人なら『普通』に出せる『計算問題』だぞ? 私の住所を調べるより、何百倍も『簡単』かも判らない。 それぐらい『普通』の、皆が知ってるレベルの『問題』だぞ?」 晋作(しんさく)を見るともう… 動揺どころじゃなかった。 私はもう、完全に笑った。 「ほら、やっぱりだ!! 晋作(しんさく)の方が『普通』を知らないだろ!! ちなみに正解は、私の場合は『3万』だ。 更に言うなら予備金に『2万』だな? 予備金には完全にそう、予定外の出費の為だが…」 晋作(しんさく)は信じられないような顔だった。 「それは… つまり、『毎月3万のみ』で… でも、そうなると『1日計算』でも…」 私は笑いながらも、また思い付いた。 「ふむ。 なら、私から聞こう。 もし晋作(しんさく)なら、1ヶ月でも良いがなぁ。 『3万だけ』でだ。 日々の生活が、それは『食事も込み』で可能なのか? それしかない『金額』でだぞ? だけど、私なんかまだマシだがなぁ。 まだ私は一応、正社員だったから。 年に二回は安いボーナスはあるが。 パートやアルバイトには、それすらないんだぞ? まぁ、税金関係も変わるが… それに私の『安い給料』だがなぁ。 まだそれでもマシだとも、私は『知ってる』からな? 晋作(しんさく)には、それが判るだろうが。 同じ会社でも、『給料』は違うだろ? どれだけ私の給料が安くても、更に新人はもっと安いぞ? そうなれば、私が残せる僅かな『食費の3万以下』だろうな? そんな中でも『全員』だ。 周りの皆が『普通』には、生活をする為にしているが… 晋作(しんさく)なら、どうするんだ?」 晋作(しんさく)を見ていると、完全にもう… 「1ヶ月で… 『3万だけ』で生活を? それが出来ると? だが、それは…」 「あはははっ!! やっぱりなぁ!! 晋作(しんさく)の方が、単純に『普通』じゃないからだろう!! それにこんな大きな家だぞ? きっと『維持費』だけでも、3万なんて無理だろう? 細かい維持費すら、晋作(しんさく)は知らないんじゃないか? 大抵、口座引き落としにしてあるから。 晋作(しんさく)なら、『確認』すらもしてないだろ?」 晋作(しんさく)はまた驚いた様子を見せた。 私は思う。 図星だと。 私はもう、完全に笑う。 こんなに笑うのは久々だが… あの晋作(しんさく)が、こんな『簡単な問題』なのにか? 「あははっ! もう、こんなに笑うのも、久々だけど。 これはもう、晋作(しんさく)以外、確かに… 『普通』なら、皆が、知ってるからなぁ… もう私以外には、言わない方が良い… これは流石に、しんどぃ。」 「そこまでか!? 俺が、そこまで『皆と違う』と!? いや、待て、彩香(さやか)!! 『俺の周り』では、そんなでもないぞ!?」 私はまた晋作(しんさく)を見る。 明らかにまだ動揺はしているのは判る。 「まぁ、そうだろうなぁ… 晋作(しんさく)の周りには、『同じ関係者』ぐらいか? もしくは、若干、『社内』で下ぐらいだろうし… うん、まぁ、それも判らなくもない。 私もきっと、『規格外』しか周りに居なければ。 判らないだろうからなぁ。」 慌てた様子で晋作(しんさく)がまた言った。 「俺も調べれば判る!! 多分だが…」 私は見ていた事もあって、晋作(しんさく)にもう笑って言う。 「あははっ!! 多分なのか!? まぁ、でも、気にする事もないか? 別に… それでも良いんじゃないか? 『晋作(しんさく)』は、『晋作(しんさく)』だろ? それなら、別に『そのまま』が、一番だろうし… 誰でもない、もう『晋作(しんさく)』だからじゃないか!! あはははっ!!」 私はこんな笑うのすら、久々で若干もう目を閉じて。 笑う事しか出来なかった。 ************************** 「彩香(さやか)は、やっぱり…」 私はそこでまた少し晋作(しんさく)を見る。 今度はまた驚いた顔をしていた。 でもすぐだった。 さっきまで、驚いていた顔だったのが。 急に嬉しそうに笑った。 うん? 私はそのままで疑問を言った。 「どうかしたか? 急に嬉しそうな顔になったけど、何か…」 その時に急にまた晋作(しんさく)が抱き締めてくる。 そして笑いながら私に言ってきた。 「あぁ!! やっぱり、彩香(さやか)だけだなぁ!! 俺はそう、だから『彩香(さやか)』なんだ。 俺はやっぱり、彩香(さやか)だけを愛してるぞ!! もう、本当はすぐにしたいが… いや、今は駄目か!? 我慢だけど!?」 うん? 急にどうした? 何かしたか? さっきまで、私が面白かったが… 「どうしたんだ、急に? 私が何か、変な事を言ったか?」 私は晋作(しんさく)を見る。 本当に嬉しそうに笑ってるのも判る。 「そうだなぁ!! いつも『彩香(さやか)』は、そうなんだぞ。 いつも『俺だけ』を見てくれるんだ!! それがもう、嬉しくて堪らないんだ!! 更に俺の周りまでだが… そういう事が『普通』にだからなぁ。 当たり前みたいに『俺だけ』を見てくれるのは… 俺は『彩香(さやか)』以外、知らないぞ? だからこそだったが、もう俺は嬉しいだけだなぁ!!」 私は晋作(しんさく)を見る。 確かに本当に嬉しそうだが… 私だけ? 私以外、知らないと? 「うん? でも、『皆が晋作(しんさく)の事』も見てたぞ? 晋作(しんさく)の周りにもだが。 皆もそうだろ? 笑って晋作(しんさく)の側に、たくさん居たじゃないか。 晋作(しんさく)も楽しそうだったし? でも、晋作(しんさく)も… 笑ってたろ?」 「まぁ、そうだが… 彩香(さやか)がそう、『気付いてない』んだがなぁ。 それも『彩香(さやか)』だからだな!! でも『俺だけ』を見るのもそう。 彩香(さやか)だけだったぞ? まぁ、『簡単な理由』だったがなぁ…」 私は疑問だけを聞いた。 「簡単な理由?」 晋作(しんさく)を見ると… 本当に嬉しそうに笑うのが判るが? 「あぁ、そうだぞ? それには俺が、これは『問題』として出せるか? うーん、そうだな。 だったら俺が計算じゃないな、これは『国語』か? もし『俺』がだ。 容姿だの、頭脳だのもそう。 俺が『何も持ってなかった』としたらだな? 『俺の周りに人が集まった』でしょうか? これぐらいの『問題』としか出せんか… それが、彩香(さやか)に判るか?」 私は少し驚いた。 『問題』だと!? さっきの逆でか!? 国語… つまり、『晋作(しんさく)』が? 何も持ってなかったら? 「それは… 『同じ』になるだろ? 皆も何も持ってないのだから… 『晋作(しんさく)』が、何も持ってなくても… それでも『晋作(しんさく)』は、『晋作(しんさく)』だろ? 何も変わらないだろ?」 私は晋作(しんさく)を見る。 もう本当に嬉しそうな顔なのは判る。 察した様子でまた笑った。 「これもきっと、『彩香(さやか)』だからの『答え』だなぁ。 そう、これも『簡単な問題』なんだぞ? 俺は『彩香(さやか)』だけだな。 でも、その『解答』に気付かないからこそだから。 俺もそう、『同じ』だな? 『彩香(さやか)』は『彩香(さやか)』だからだ。 『そのまま』が、一番だって思うんだぞ!!」 私は若干、困惑する。 『簡単な問題』だと!? 私以外だったら、皆が知ってると!? 「それは… 本当か? 皆が簡単に『答え』を出せると?」 「あぁ、それでも『彩香(さやか)』が一番だろうなぁ!! だから俺も『同じ』だと。 俺はだからもう、『彩香(さやか)』をだ。 だから気にする事でもないぞ? でもまぁ… 俺も結構、我慢が辛いか? もう、既に我慢か? でも食事が優先…」 うん? 食事が優先? 私は、さっきの『簡単な問題』を考えるが… それでも… 『晋作(しんさく)が、晋作(しんさく)』なのは… 変わらないだろ? ************************** 私は不思議に見る。 それでも晋作(しんさく)が嬉しそうに笑う。 でもそう。 私は晋作(しんさく)がその顔で笑うのを。 ずっと『願ってる』んだがなぁ。 私はスッと、手を晋作(しんさく)の頬にと触れる。 どうしても笑ってしまう。 「晋作(しんさく)がそう。 嬉しそうに笑うのが… 私には、本当に嬉しいなぁ。」 その時だった。 また急にキスをしてきた。 それも何度も、舌も絡め取られる。 「んっ、んぁっ、ふぁ!?」 唇が離れて、私は息をする。 私は晋作(しんさく)を見る。 けど目を閉じて、何か考えてる様子に見える。 私が若干、不思議に見てると… 目を開けて、また凄く嬉しそうに笑った。 その顔は判るが… さっきのは? でも晋作(しんさく)がまた笑って私に言った。 「もう俺が。 我慢出来なくなりそうなぐらい。 もう、俺は駄目かもしれん…」 うん? 駄目かも? 何がだ? 私は不思議に見てると、何やら今度は首を横に振った。 そして目を閉じたまま、言ってるのもあるが… 晋作(しんさく)は… 気付いてないのか? 「今のは、危なかった。 俺は、どれだけの『忍耐力』を? これは試されてるのか? いや、もう、俺の家に居るし? 問題ないな、うん。 俺、我慢、出来る。 うん、そうだな。 でも、どんだけ? いや、でもな、先に食事。 うん、俺、その後でも可能。 問題ないな? うん、何も問題ない。 そう、先に俺、『忍耐力』な。 毎日ずっと? うん、そう。 なら、俺、我慢だ。」 私には良く判らないのが… 忍耐力? そんな事を考えていると、急にチャイムのような音が聞こえた。 私は若干、驚く。 「あぁ、食事だな!! 彩香(さやか)はもっと食べないと駄目だぞ!! もう、おにぎり1個… そんなん要らん!! 俺はそんなもんは駄目だ。 もっと徐々にだ。 食べさせる事だな!?」 私は気になった事を若干、聞いた。 「晋作(しんさく)は… おにぎりが嫌いだったのか?」 「いや、あんま食べないだけだが。 でも、そう… 彩香(さやか)に『おにぎり』は要らん!! もう俺がそれは駄目だな。 もっと食べてくれないと、心配なだけだぞ!?」 私は若干、驚く。 おにぎりも別に色々あるんだが… 知らないかもしれないなぁ。 けど… 完全否定か!? ************************** 私はまた困惑する。 そうしてきた食事の量は明らかに… 何人前を頼んだ!? 和洋中と様々メニューの数々に、もう、逆に… 私は何を食べろと!? 晋作(しんさく)は普通にまた嬉しそうに笑うだけだった。
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