第二章:『二人』だからこその『買い物』がしたい。

1/1
前へ
/18ページ
次へ

第二章:『二人』だからこその『買い物』がしたい。

その後。 私と晋作(しんさく)での生活だが… 夢から覚めて『現実』になった。 私はそれでも嬉しいし、それに晋作(しんさく)も『笑う』のだから。 私は思うだけでもある。 あぁ、本当に愛してる人が笑ってるのは、やっぱり嬉しいなぁ。 それに『私の願い』も叶った。 ただ、私の中で一番、真っ先に発生したのがそう。 『晋作(しんさく)基準』でもある。 夜は相変わらずなのだが… 大抵、私と晋作(しんさく)は『主寝室』に居る事が多い。 ************************** とある日。 一緒に朝ご飯を食べた後。 また晋作(しんさく)が、いきなりだった。 「なぁ、彩香(さやか)。 これから買い物にでも行かないか?」 最近では私が作った朝食を。 二人で一緒に食べる事は、普通になってきたけれど。 晋作(しんさく)から『買い物』を言い出すのは… 珍しいな? 「別に大丈夫だが… 晋作(しんさく)が? 買いたい物があるのか?」 私は晋作(しんさく)を見る。 とても嬉しそうな顔なのは判るし、笑った。 「あぁ!! ずっとなぁ、これも前から考えてたが… 前にも彩香(さやか)が言っただろ? 欲しい物があるなら『自分で買いに行けば』ってな? でも俺だけじゃなくて、『彩香(さやか)の意見』も聞きたいし。 だったら、また一緒に買い物に行きたいんだが。」 私の意見? 「買い物に行くのは勿論、大丈夫だが… 私の意見が必要なのか? 晋作(しんさく)の買いたい物じゃないのか?」 私は晋作(しんさく)を見る。 とても嬉しそうな顔なのは判るし、笑って言ってくる。 「そうだな!! まぁ、俺も彩香(さやか)もだがな? 結婚はまぁ、これから考えるにしてもだ。 俺が欲しい!! そして、『俺と彩香(さやか)の』だから。 彩香(さやか)の意見も聞きながら、一緒に買いたい。」 なるほど。 二人で使う物だからと。 なら、確かにそうなるな。 私は納得もし、また笑う。 「あぁ、それなら判った!! ちなみに何を買うつもりなんだ?」 「婚約指輪だ。」 「そうかぁ… って、何だと!?」 私は普通に聞いていたが、急過ぎて驚く。 すぐに晋作(しんさく)を見た。 さっきと変わらず… とても嬉しそうな顔なのは判る。 そして凄く笑ってる。 「そんなに驚く事か? それにまぁ、俺もまた『安心』するし? 結婚はするか、しないか、それはまだ判らんだろうが。 お互いのだから、一緒に買いに行きたい。」 私は若干、動揺する。 そもそも、あの晋作(しんさく)である。 もうこれは… とんでもない物になるんじゃ? でも私は先に疑問を聞いた。 「安心だと? その為に、指輪を?」 「あぁ、そうだぞ!! 彩香(さやか)だって知ってるだろ? 独身でだ、更に『相手も居ない』と思われる… そうなると余計な人からだ。 声すら、かかるかもしれないだろ? でも『指輪』をしてれば、一見しただけで判るからな。 だったら、彩香(さやか)にも尚更だな。」 あぁ、なるほど。 私もまた納得する。 確かに『恋人が居ない』と思われると。 そういう事もあるからなぁ… 「理由は納得したが… でも、私と晋作(しんさく)は殆ど『一緒に居る』じゃないか? それで声が? かかる気もしないが?」 「まぁ、一緒に居るのはそうなんだがなぁ。 これはまぁ、『彩香(さやか)』がまたそう。 全く気付いてないんだが。 俺が一緒に居ようと、もう見てるだけで、正直… 彩香(さやか)の場合、『余計に必要』だと俺もすぐに判るからな。 俺が高校や大学の頃もだが… 若干、苦労はしたなぁ… でも、まぁ、それも含めての『予防』だな。 今なら確かに、俺が確実に守れるのもあるが… 俺は絶対にだが? 『他の男』が彩香(さやか)に触れる? 想像しただけでもう、今ですら俺が堪えられん!!」 うん? 高校? 大学の頃? 私は思い出すが… 少し首を傾げながら疑問を言う。 「でも私は… 晋作(しんさく)と違って『モテない』から、余計に心配ないだろ? 学生時代でもだが… 晋作(しんさく)がだぞ? いきなり最初だぞ? それ以外… 誰からも声なんて、かかった事もないぞ?」 私は晋作(しんさく)を見ていると、急に首を横に振った。 若干、目を閉じて考えてる様子だが… また急に目を開けて私を見た。 「もうな、前も少し言ったがな? 俺はずっと最初、声をかける前にも『見てた』んだぞ。 彩香(さやか)は全く、それにも気付いてないんだが… 俺がもう、『それも』あったから。 真っ先に声をかけたのもあるが… もう… 危なっかしい!!」 私は驚く。 そんなにか? 何がだ? 「俺は『見てた』からな。 彩香(さやか)は『周り』を良く見ているのに… どうしてか『自分の事』は、全然見てない。 もう、俺なぁ。 付き合ってから更にだが、本当に苦労した… かなりあれは… 俺が駄目だな、うん、そう、俺がもうどれだけ『対処』したか…」 付き合ってから? 苦労? 対処? 「そんなに苦労したと? 何にだ? だが、私は晋作(しんさく)の側にだ。 いつも『一緒に居た』じゃないか。 誰からも声なんて… 晋作(しんさく)だって、知ってるだろ? それに晋作(しんさく)だって、かなり目立つからなぁ。 だから… どちらかと言えば、皆が『晋作(しんさく)』を見てたぞ?」 晋作(しんさく)は、そこで大きな溜息をした。 「あぁ、まぁ… そう見えてるんだろうなぁ。 だがなぁ、確かに俺も目立つかも知れんが… ここは正直に言うぞ? 彩香(さやか)がもう『目立ってた』からな!! 特に大学時代だがなぁ。 もう、あれは『俺』じゃない!!」 私は驚く。 晋作(しんさく)は何やらまた首を横に一度振った。 かなり確かに困った顔もしてるか? そんな晋作(しんさく)だったが、また私を見る。 「確かに『大学』も一緒、学部もだが… それでもたまには、離れるからな… もう、俺が『全部対処』したが、あんなのは… 俺がもう一切、許さんかっただけだ!! そもそも、あの大学内を思い出せ!? 他の『学部』もあるから、彩香(さやか)は気付いてないがな? そもそも、俺達の学部すら『男』の方が多いんだぞ!? その中でも、彩香(さやか)が一番、『目立つ』に決まってるだろ!!」 私は、それでまた思い出そうとするが… 「いや、でも… 皆と一緒に居た時だって… 晋作(しんさく)も居たじゃないか? 別に私は、何も言われては…」 晋作(しんさく)の方が首を横に振りながらだった。 「そうだな、あぁ、俺がそう。 あれは『最初』だった。 真っ先に俺が『情報』を広げる事もしたからなぁ。 誰も手は出さないようにもしたが… それでもだった。 もう、本当に、毎年、毎年。 進学すれば、新入生が、後輩達か? 俺はもう『全部』にだ。 『情報を出し続けた』からなぁ… まぁ、馬鹿者が居ないだけ、マシだったか? 俺が『規制』すれば、どうにか出来た。 その上に、彩香(さやか)はもう… 誰よりも『目立ってた』からな!?」 私が!? どうしてだ!? 「だ、だが、私は特に何もしてないぞ!? 何か『問題行動』もしてないだろ? それに私よりは皆の方が、大学内でもだが… 皆と、晋作(しんさく)だって居たじゃないか。 私は何もしてないぞ!!」 「彩香(さやか)? 俺達の大学は、そもそもだ。 更に『学部』だがな。 まぁ、彩香(さやか)は… ギリギリ入学で、俺がまた安心したが…」 私はまた思い出す。 「当たり前だ!! そもそも、晋作(しんさく)が『その大学』に行くって。 聞いただけでも、私はどうするか悩んだからな!? ギリギリだったが… これでも頑張ったんだぞ!!」 私は晋作(しんさく)を見る。 でももうかなり、その顔は… 完全に笑ってるだろ!? 晋作(しんさく)を見てると。 もう我慢出来なくなった様子でいきなり爆笑した。 「あははは!! そうだなぁ、俺も教えたし… 元々、俺達の高校だって、一応、進学校だし? 彩香(さやか)だって、可能だとも、思うんだが。 まぁ、俺の進路相談後の、彩香(さやか)の顔は忘れられんなぁ。 いきなりでも、それから受験勉強もか? 何度もう、俺が焦ったか。 懐かしいなぁ。 俺が家庭教師のバイトも多少はしてたから?」 「当たり前だぁ!! 私だって、一緒の大学を考えて聞いたのにだ!! よりによって『東大』希望だと!? 予想外過ぎて、私があの時、どれだけ頑張ったと思ってる!!」 「あははははっ!! まぁ、他の志望校もだが、あの時な!! もう… でも、彩香(さやか)だって、合格したんだから… 良いだろ?」 「私はギリギリだ!! そんな『東大首席』合格した晋作(しんさく)には判らん!!」 「あははは!! まぁ、とにかくだ。 それはまぁ良いとして… だからでもあるが、更にまた女子が少ない『学部』なのにだぞ? もうなぁ、俺は試験なんかよりも、あの彩香(さやか)が… 既にもう『大学内』ですら、もう目立ってなぁ。 俺はそっちの方が、苦労したから、同じか? 俺も俺で、そうだなぁ。 高校では俺がどうにか出来ても、大学内ではもう。 彩香(さやか)が目立ってて、俺はもうそれに苦労したんだぞ?」 私は少しまた思い出す。 「まぁ、でも… 皆がか? 晋作(しんさく)も一緒には居たが… でも…」 そう、確かに女子は少ないが… でも皆と一緒に笑ってたし? 晋作(しんさく)も一緒だったろ? 私が何かした訳でもないのに? 私は晋作(しんさく)の顔を見る。 でも何かを察した様子で、また晋作(しんさく)は嬉しそうな顔で笑った。 「まぁ、それが『彩香(さやか)』だからな!! 俺が充分、頑張ったのもあるし? でもなぁ… 今でもだろ? 『あんな会社』ですら、声がかかってた筈だ。 俺からしたら、そんなの論外だがなぁ。 だからこそ、『俺と彩香(さやか)』でだぞ? 指輪は『効果抜群』だろ? だからだ。」 私は確かに、前の会社を思い出す。 まぁ、『指輪』の有る無しだけでも。 確かに『効果』はあるか? 私は晋作(しんさく)を見た。 晋作(しんさく)はまた嬉しそうに笑った。 「だったら決まったな!! 今日は完全に俺も仕事は片付けたし、『買い物』だ!!」 「判った、まぁ、確かに。 理由もだが、一応? 納得はした。」 「よし!! 今日は俺が車も出すからな!! 徹底的にだ!!」 うん? 徹底的? 「指輪以外に、何か買うのか?」 私は晋作(しんさく)を見た。 晋作(しんさく)はまた凄く嬉しそうに笑って言った。 「あぁ、勿論だ!! この前もだがな!! 彩香(さやか)のおかげで、俺も学習したぞ!!」 私はまた疑問だけ言った。 「学習?」 「そうだ!! カタログなんか、もう意味がないってな!!」 「意味がない…?」 私はどうにも嫌な予感すらもする。 晋作(しんさく)はまた凄く嬉しそうに笑う。 「あぁ、これはそう、彩香(さやか)のおかげだな? 俺は判ったぞ!! わざわざ、カタログなんか要らない。 そう、買い物に行けばだ。 その通過点でもだな? 気になる物なら、たくさん買えるってな。 それに『価格を判った』のもあるが… 俺は今日、ちゃんと調べといたぞ!!」 私は猛烈に嫌な予感がした。 「調べただと?」 晋作(しんさく)は、座って居た椅子から立ち上がって凄く嬉しそうに笑って言った。 「そうだぞ!! 俺もあれで『充分』だ!! だったら、今日は俺の目的の『婚約指輪』もだがな? もう今日は徹底的にだ!! 彩香(さやか)の服も、彩香(さやか)の自室も知ってるからなぁ。 だったら、俺が全部だ。 徹底的に買い占めるぐらいで買い物するだけだ!! まぁ、家具関係は運んで貰うしかないがな!!」 私はすぐに『意味』は判った。 すぐに考える。 「晋作(しんさく)? ちょっと待て? そう言うのを『世間』では、何と言うか知ってるか?」 晋作(しんさく)は若干、驚く様子で首を傾げた。 「晋作(しんさく)がすることをな。 『無駄遣い』って言うぞ? 場合によっては… 『衝動買い』だろ…」 晋作(しんさく)は首を傾げたままだったが、不思議そうな顔になった。 「いや? 彩香(さやか)の物を買うのだから『無駄』じゃないし? 『欲しい物』を買うのだから『衝動』でもないだろ?」 私は若干、また驚いた。 それは『言葉』が… いや、『意味』をか!? 晋作(しんさく)は間違えて覚えたのか!? 私は猛烈に嫌な予感すらした。 しかも、何を調べた!? そうして私は初めて、晋作(しんさく)が考えた『買い物』にと。 一緒に行く事になった。 ************************** 私も簡単に外出準備をしてだった。 晋作(しんさく)は、仕事用のスーツではなく。 カジュアルな服装だったが… 外にある普段の車とまた違うのに気付いた。 「あれ? こんな紺色っぽい車、あったか?」 晋作(しんさく)がそれに気付いて、笑って普通に言った。 「あぁ、これは職場の方に置きっ放しだったやつだ。」 そうか。 なるほど。 「私の場合、ペーパーだから車には詳しくないんだが。 つまり、2台あったのか?」 「いや、3台だな? もう1つは違う場所にあるか?」 「違う場所?」 「あぁ、別荘の方にある。」 別荘だと!? 初耳だが!? 私は晋作(しんさく)を見る。 晋作(しんさく)は不思議そうな顔だった。 私はもう頭からそれをすぐに掻き消した。 『晋作(しんさく)基準』なのだから、それはもう良いか。 そんな私に何事もないように笑って言った。 「よし、助手席に乗ってくれ。 俺はそのまま移動するが、時間通りなら充分買えるぞ!!」 私はまた疑問だけ言った。 「時間通り?」 晋作(しんさく)は嬉しそうに笑ってまた言ってくる。 「そうだな、店の開店時間も調べてある。 だから『今すら』も予定通りだ。」 それは事前にまた『調べた』って意味か? 一応、私は頷いて、車の助手席に座る。 シートベルトをしてる間、晋作(しんさく)も運転席へと。 私は車には確かに詳しくないが… この車内… 随分、今までと違うよな? 「なぁ、晋作(しんさく)? この車だが、何か名前と言うか… メーカーか? 何て名前だ?」 晋作(しんさく)もシートベルトやエンジンをかけながらも。 そのままで言った。 「名前? トヨタのレクサスだな。 確か、レクサスのES300h、versionLだったか?」 うん? トヨタは判るが… 『レクサス』って聞いた事があるような… 詳しくないから判らないが… 普通の車と、どう見ても内装が違うんだが? 「これ、いくらだったんだ?」 少し考える様子をする晋作(しんさく)が、遠隔か何かで家の門を開けながらだった。 「確か… 700万ぐらいか? あまり? 移動用にと、気にしないで買っただけか…」 私は動揺した。 700万だと!? それをただ、気にせずに買ったのか!? 私は少し焦りながら考える。 もしかして、私は… 晋作(しんさく)に『買い物』をだ。 間違ってしまったか!? 教え方が悪かったか!? いや、まぁ、自分でとしてるから… 店側には、問題は確かにないか? だが… さっきからずっとなんだが。 『調べた』って言った言葉だ。 猛烈に嫌な予感がするんだが… 「晋作(しんさく)、ちなみに… これからどこに行くんだ?」 車を外に移動させ門から出て、また何やらしている晋作(しんさく)に聞いた。 「あぁ、銀座だ。 ここから25分前後か? それぐらいで到着だな。」 私はまた動揺する。 銀座!? 晋作(しんさく)が!? 何をどう調べた!? 私は晋作(しんさく)を見る。 察したのか晋作(しんさく)は私を見て笑った。 「大丈夫だぞ!! 今日でもう彩香(さやか)の物は『全部』揃う。 これで『完璧』だ!!」 私はまた動揺どころでもない。 今日で!? 全部!? 何が完璧なんだ!? 私はそう思いながらも見るが… 晋作(しんさく)は、とても嬉しそうだった。 そして普通に車を走らせた。 ************************** 確かに到着したのは『銀座』である。 車をまた簡単にパーキングに停めてからだった。 晋作(しんさく)が、また嬉しそうに私の手を握って笑う。 「よし、そろそろ時間だし、行くぞ!!」 「あ、うん。 それは判るが… もう、行く場所も決めてると?」 「勿論だ!! まぁ、先に『服一式』をだな。 試着して一番、気に入ったのをそのまま着て行こう。 今着てる服は持ち帰っても、どうにでも出来るだろ?」 「え!? もう買う店も決めてるのか!?」 私は晋作(しんさく)を見ると目が合った。 そしてまた嬉しそうに笑った。 うん!? 今、笑ったな!? 「あぁ、少し前に彩香(さやか)が一緒に買い物にと行った時だ。 手に取って、戻す服関係は見てた。 だから『予測』するだけだな。 でもまぁ、これから行く場所でなら… 他のも『たくさんある』だろう。 何も問題ないな。」 「待て!! 私は別にそれ、せめて『貯金』を降ろすから。 欲しいのは自分で買える!? いや、銀座のを買う気にもなれん!! 絶対高い!!」 晋作(しんさく)はまた少し笑って、首を横に振った。 「何度も言ってるだろ? 俺は『彩香(さやか)限定』だが。 『金』なんて出させる程、甲斐性無しでもない。 何も問題すらないし、これはもう変わらんな。」 私はもうまた動揺する。 これは、もし、私のせいだったら… とんでもない事を… また、しそうなんだが!? そんな私を気にせずに。 晋作(しんさく)は手を繋いで移動をするのだった。 ************************** 「ふむ、時間通りだな。 人も多いが、まぁ、でも平日だしな。 この程度が普通か。 店の開店時間もそろそろだな。」 そうして開店なのだろう。 確かに店に人が入って行く様子を私も見た。 「最初はここでまぁ、簡単に揃えるか。 他の店も多くは11時の開店だったし。」 私はそれを聞いて『確信』した。 これは本当にルートまで含めて、時間まで『全て計算』した!? それは調べるどころか… 何をするつもりだ!? 晋作(しんさく)に嬉しそうに笑って言った。 「よし、入るぞ。 最初は『TOMORROWLAND銀座三越店』だな!!」 そうして私は晋作(しんさく)に連れられてだった。 もう何も言えないんだが… 私はこれから何が起こるかが、全く予測不可だが!? そのまま連れられたまま、私と晋作(しんさく)は、何やらレディース店に入った。 私も少しその中を見る。 これはもう、明らかに… 今までとも違う!? 私は既に困惑中でもある。 「ふむ。 確かそう、ここなら可能らしい。 最初は彩香(さやか)も判らないだろうし。 ちょうど良いだろう。」 「晋作(しんさく)、何がだ!? 私はもっと何も判らないぞ!?」 私は焦りながらも晋作(しんさく)に慌てて言うが。 晋作(しんさく)は私を見て笑う。 「ここだとな。 ショップの『店員の情報』を見つけたんだ。 『全て』のコーディネートもしてくれるし。 更にアドバイスまでくれるそうだ。 かなり『人気』らしいぞ!! 確かに取り扱ってる『店員達の方』が詳しいだろう? 『彩香(さやか)』にと、似合うコーディネートすらも簡単だろうからな!!」 何だと!? コーディネート!? そして晋作(しんさく)は店員に声をかけると、店員も対応する。 「すまないが、今は大丈夫か? この『女性』にだ。 一番似合う『コーディネート』を頼めないか? 店内の『どれでも可能』だ。 それに『店内にある全て使ってでも、何着でも』だ。 その中の一式は、そのまま着て移動する予定をしてる。」 言われた店員の方も少し驚く様子で晋作(しんさく)を見たが、すぐに視線を私に向けた。 でも何やら判った様子で、晋作(しんさく)へと笑顔で対応した。 「勿論ですよ。 この『彼女』さんに似合うコーディネートですね。 任せて下さい。 当店は『全て』揃ってます。 似合う物にと『全て』選ばせて貰うのにですが。 当店でも判り易いので一応、『上限』はどれぐらいの予定かだけ。 最初に皆さんへと、聞いてますが?」 晋作(しんさく)は少し笑って私を見る。 そしてまた店員に言った。 「彩香(さやか)には『上限なし』だ。 こちらが全て、何も問題すらない。 何着だろうが、似合うように頼む。 もし『運べないぐらい』なら。 送料もこちらが出そう。」 それを言われた店員はまた若干驚く。 でも『意味』には気付いた様子で少し笑う。 その店員の方が、また私を見ると笑う。 「判りました。 これだけ綺麗な女性です。 こちらも楽しみです。 きっとお客様も、ご満足できますよ?」 晋作(しんさく)は笑って言った。 「あぁ、そうだろう? この店の人気も聞いてるからなぁ。 俺も楽しみにしていようか。」 「それは当店としても、嬉しい事です。 でしたら、当店でも『全力』です。」 晋作(しんさく)も少し笑う。 私はもう驚いて何も言えない。 だが、その言われた店員がだった。 スッと何か合図っぽい事をすると、他の店員数人が反応したのを私は見た。 何だ!? 今、何かしたか!? 急にどうした!? そして店員の方が私に笑ってスッと手を伸ばす。 「素敵な彼氏さんですね? 当店では『全て』が揃ってますから、何も問題ありませんよ。」 「あ、え!?」 えぇ!? 今のは何だ!? ************************** そうして私は数人の店員の試着室へと移動するのだが。 もう困惑も良いところである。 勧められままに服やら何まで『全て』だった。 確かに靴もそう、合わせたアクセサリーまで。 けれどそれだけでもなく、若干、髪型まで更に服に合わせ、アレンジされた。 その一着をだ。 着たまま、私が試着室から出た。 もう困惑過ぎて、何が何だか? 晋作(しんさく)は携帯で何かしてる様子だったが。 店員が近付いて、何か言った? そして私を見た。 若干、また驚く様子をしたがすぐだった。 凄く嬉しそうな顔になって笑った。 うん? 晋作(しんさく)は、そのまま私に近付いてからだった。 「あぁ、確かに!! これが人気になる理由か!! 凄く彩香(さやか)に、良く似合ってるぞ!!」 私はもうどうにかと言った。 「し、晋作(しんさく)。 もう、訳が判らんぐらいだったが… 店員さんすら… とても、嬉しそうなのもだが?」 晋作(しんさく)はまたそれを聞いてか? 少し笑って言った。 「なるほど。 あの『情報』か、なるほど。 それでか? あはは。」 私は疑問だけ言った。 「情報?」 晋作(しんさく)はまた私を見て笑った。 「いや、何でもない。 なるほどなぁ。 これなら、確かに人気になる… これもまた『学べた』なぁ。 彩香(さやか)のおかげだ!! だったら、『今は』そのままの姿で良いな? まだ店もあるぞ。」 私はまた動揺する。 その『情報』って何だ!? 何をまた学んだ!? 更にまだ、店もあると!? 晋作(しんさく)の方はまた嬉しそうに笑っていたが、店員に視線を向けた。 最初の店員が笑って近付き晋作(しんさく)にと言った。 「どうですか? 一応、他の一式も数種類はありますが。 その中でも、『今なら』これが一番だと思いますよ。」 「あぁ、確かに。 これで良い。 それと『他の一式全て』だ。」 店員も笑って言った。 「はい、ではこちらで。」 そう言ってから店員が離れていった。 晋作(しんさく)は私にまた嬉しそうに笑う。 「彩香(さやか)は、そのまま少し待ってくれ。 すぐに戻るから。」 「あ、あぁ… でも、まさかだが、買う気か? だが、これはでも…」 そう、もう私が着てた服と、既に生地すらも違う!! 明らかに高いだろ!? しかも靴やらアクサセリーまで。 本当に『一式全て』だぞ? でも晋作(しんさく)の方が会計の方に行くだけ。 本当に数分程度で、またこちらに戻ってきた。 「さて、彩香(さやか)。 次もまだあるんだが…」 晋作(しんさく)は何やら私を見たまま止まった。 そして目を閉じた。 うん? どうした? 急にまた止まったな? 「なるほどなぁ。 これなら、確かに。 俺も嬉しくはなるな。 ふむ、これが買い物… 良い事だ。」 「待て、晋作(しんさく)!? 何がだ!? 先に『理由』をだ。 勝手に納得するな? 何かまた、違う気がするぞ!?」 目を開けた晋作(しんさく)だったが… また嬉しそうに笑った。 「大丈夫だぞ。 彩香(さやか)ならもう、『今』の服も全部似合うぞ? もう、いくらでも、買って良いかも?」 私はまた動揺する。 ちょっと待て!! 何かまた違う『認識』をしてないか!? 私は心配なのだが!? ************************** 「まぁ、一番の目的の物を買いに行くか!!」 私は動揺するも、また思い出す。 一番の目的? 「指輪か? まさかだが、店も決めてるのか?」 晋作(しんさく)は少し笑って私を見る。 本当にまた嬉しそうに笑った。 「一応な。 でも…」 晋作(しんさく)は私を見たまま止まった。 そして目を閉じた。 うん? また止まったな? 「なるほどなぁ。 うん、俺はそれでも充分だ。」 「なぁ? さっきから、何がそんなにだ? 一体どうした?」 晋作(しんさく)は目を閉じたままだった。 だが、全く違う事を言った。 「彩香(さやか)に少し聞いても良いか? 試着室の店員は『メジャー』を持ってたか?」 私はそれを聞いて少し思い出す。 「うん? メジャー? あぁ、確かにあったな。 でも、あれってなんだ? 服でもまさか作らせる気か? でも… 試着室の服だったが?」 「なるほど。 本当に『情報』通りなんだな。 俺はまた、楽しみだ。 うん、それは、そう。 いくらでも買う。」 「だから何の情報だ!?」 晋作(しんさく)は目を開けてから私に少し笑って言った。 「いや、実はあそこの店はな。 他の店とも繋がってて『提携』してると。 その提携した他の店にも『一式』を頼めるらしいとの『情報』だ。 それの単語が、『上限なし』と『運べないぐらい』って言うと。 店員達が試着室で、コーディネートをしてくれる間に『全て』のサイズを確認。 そして『自宅』の方へと、他の店からの『一式』が届くんだと。」 私は考える。 つまり、他の店との繋がり。 更にそれを言うと。 その他の店からの『一式』が『自宅』に届くと。 「それは、つまり。 あの時に『別の服』まで買ったのか?」 晋作(しんさく)は凄く嬉しそうに笑って言った。 「そう、自宅に届くのは『夜用』の服なんだそうだ。 どんなんだろうな? 一応、情報によると。 まぁ、かなり『人気』みたいだぞ?」 私は『意味』にようやく気付いた。 夜用!? あのメジャー!! つまり、下着類や夜用の服を!? 「ま、まさか。 だから、あの店員さんが。 笑ってたのは…」 晋作(しんさく)はまた凄く嬉しそうに笑って言った。 「いやぁ、凄いな、こんな情報。 俺も『初めて』だな? 勿論、普通の店としてのコーディネートはしてくれるし。 それも人気らしいがな。 ただ、その『単語のみ』だそうだ。 調べるついでに、見つけたのは確かにあるが。 まさか、本当なんだな? どんなんだろうな。 それに『今の服』も確かに似合ってるし? 全部が『情報』通りだし? 俺、かなり、楽しみなんだが?」 私はまた思い出す。 「まさか… さっき、店員さん、言ってたよな? 『今ならこれが』って。 そういう意味か!?」 晋作(しんさく)はもう凄く嬉しそうに笑った。 「あぁ、多分、『昼間』のコーディネートだと。 一番って意味か? だったら、今でも確かに凄く似合うし? 『夜用』のも人気みたいだし? 俺は楽しみだな!! 凄いだろ? 買い物、俺、もっとしたいんだが?」 私はもう、晋作(しんさく)が完全に『買い物』を。 間違ってると判る。 「いや、待て!! それなら別にまた買えば良いのに!? 何でそんな『裏情報』っぽいのまでに手を出す!? 怪しいだろ!? それで金を出したのか!? もし届かなかったら、どうするんだ!? もうこれ、新手の詐欺だったら、どうする!!」 晋作(しんさく)の方は少し考える様子だったが、少しまた笑う。 「いや? 金はちゃんと、今日の分だけだったぞ? 会計の時にだが言ってたぞ? 『他の一式は着払いで一緒に』って。 だったら、それが来た時に、金を出して買えるんだろ? 詐欺でもないな。 俺もちゃんと調べて、そんな『被害』も出てないし? 更に人気、だから、凄く楽しみだ。」 私は判った。 そうか、そもそも。 晋作(しんさく)がだぞ? 情報として出た際に既に調べるか。 だが… 「それ、晋作(しんさく)だけだろ!? 少し、私は心配になるんだが!? 何が届くか、判らんだろ!?」 晋作(しんさく)も少し不思議そうな顔でまた私を見た。 「そうだが… でも、今のところ、全部が『情報』通りだぞ?」 私はもう、何も言えなくなった。 それは… 本当に『買い物』なのか!? 何だかもう違うだろ!? ************************** そうしながらも、晋作(しんさく)が手を握ってから移動中。 私からしたら、普段すらも銀座なんて来る訳もなく。 更にさっきのダメージでもう何だか訳が判らない気分にもなる。 でも晋作(しんさく)の方はもう、嬉しそうな顔のままだった。 まぁ、でも、晋作(しんさく)が嬉しそうなのは… 良いんだが… ちょっと『買い物』の認識が… 完全に間違ってる気がしてならない。 そんな様子の私にまた新たな衝撃がくる。 それは『一番の目的』を買うらしい店である。 私はその店に入ろうとしている晋作(しんさく)を慌てて止めた。 「ちょっと待て!! まさか、ここのを!? それを買う気か!?」 晋作(しんさく)がまた不思議そうな顔でもあった。 「その予定だが?」 「いや、でも、指輪なんだろ!? それを『ここ』でか!? 私でも知ってる!! ちょっと待て、それは高い!! 絶対に高い!! 指輪ならもっと安くて良いだろ!? 私が着けると!? いや、ちょっとそれは…」 晋作(しんさく)はでも凄く嬉しそうに笑った。 「そうでもないぞ? 俺の周りでだと、結構多いし。 大丈夫だ。 それに対応もそうだが、最初はここが普通らしい。」 普通だと!? だが、ここは… 私は完全に焦る。 もうここは、知ってるどころでもない!? でも晋作(しんさく)の方は、また嬉しそうに笑う。 そのまま一緒に店の中に私も入る。 私は一体、どうすれば… そう、晋作(しんさく)が予定してた『指輪』の店だ。 『 Cartier(カルティエ)』だった。 中に入ってからもだ。 もう晋作(しんさく)は普通だが、私はどうすれば!? 本当に、ここで!? いや、結婚指輪だって、なかなか無理だろ!? ただの指輪じゃ駄目なのか!? そんな私はもうどうにもならないのだが。 晋作(しんさく)は、入ってすぐに店員に視線だけ向けた。 すぐに店員がスッと笑顔で来た。 「お客様、本日は何をお探しでしょうか?」 晋作(しんさく)は普通に笑って言う。 「あぁ、婚約指輪を買いたいんだが?」 「かしこまりました。 では、こちらです。」 また店員の方はスッと動く。 私はもう動揺どころでもない。 でも既に店内だ、何か騒げる状況でもない。 どうにか晋作(しんさく)を見る。 それに気付いた様子でだ、また晋作(しんさく)は嬉しそうに笑う。 「彩香(さやか)も、どんなのが良いか教えてくれ? それと一緒に買えば、問題なしだ!!」 本気で今、ここでか!? まさかだが、即座に買う気か!? もう既に店内だけでも目眩がするのにか!? どうにもならない状態の私の手を握って、晋作(しんさく)が店員の方に移動する。 更に階段も登る。 もう私は単純に連れていかれるだけでもある。 少しして、店員がだった。 「ご希望の物が、既にお決まりですか?」 「いいや、この『女性』に選んで貰ってからだ。 それに俺は合わせれば、何も問題すらない。」 その店員が私を見た。 すぐに何かを理解した様子に笑って、その店員も対応を少し変えた。 「かしこまりました。 本日はブースも空いてます。 すぐに対応が出来ますので、そちらでお待ちください。」 私はもう、どうにもならないのだが… なぜか応接されてる? なんだこれ? うん? 全く判らんが? そうして座ってからだ。 違う店員が飲み物まで出して来る状態。 もうどうすれば良いのか判らない。 でも、さっきの店員がまたすぐにその場に来た。 「宜しければ、どういう物がお好みを、お聞きさせて頂ければ。 他のデザインなども、それに合わせて選んでお持ちしますが…」 最後の方の言葉は、もう完全に視線が私に向いてた。 私は晋作(しんさく)をすぐに見る。 でも晋作(しんさく)は、また嬉しそうに笑って普通に言った。 「別にどれでも俺は良いぞ。 彩香(さやか)が好きな物を選べば良いだけだな。」 私はまたそれにも動揺する。 私が選べと!? どれでもって言うが… どれも高いだけだろう!? 『値段』すら、聞かんのか!? 私はまた店員を見る。 だが、これは晋作(しんさく)の言動だろうか? 明らかに私も見て、それにと対応すらも変えた。 「急には難しいと思いますが… こちらの中から、どれか一つでも。 選んで頂ければ、他はこちらが合わせますよ? こちらがご用意もいたします。」 私はどうにか考える。 それでも、宝石がついてない方がマシか? 動揺しながら、でも僅かに答える。 「その… シンプルなデザインで、良いけれど…」 そうするとまたすぐ店員の方がだった。 「シンプルですか。 では、こちらのリングなどは、どうですか?」 私はそれを見ると、確かに一つ。 これはまさかのダイヤモンドかもだが。 大きくはない。 でも明らかなロゴがあるな? そう、ブランド力を出されると… 私はどうにも判らず、首を傾げる。 「では、こちらのリングはどうでしょうか?」 すぐに店員が違う指輪を出してくる。 若干、驚くがそれを見た。 あ、細めだ。 だけど、さっきより石が多いか? でも花っぽいか? 確かに綺麗だが、でも… その時だった。 「ふむ。 彩香(さやか)、さっきよりも『今の指輪』だろう? それで良いぞ。」 私は驚き、すぐに晋作(しんさく)を見る。 でも嬉しそうに笑ってるのも判る。 だが、でも… これはもう、明らかに高いだろ!? 私はどう、答える!? 必死にでも考えるが… また晋作(しんさく)は笑って言った。 「値段とかは気にするな。 彩香(さやか)が気にいるのであれば、何も問題すらないぞ。 それにさっきのより、今の指輪の方が似合いそうだが?」 私はどうするか焦る。 でも晋作(しんさく)の方が今度は、店員の方を向いて言う。 「さっきのより。 今の『その指輪』の方が、似合いそうだろう?」 そうすると店員の方も理解した様子で笑って言った。 「そうですね。 とても指も細くてお綺麗ですから、『この指輪』の方が似合ってると思います。」 「なら、決まりだ。 だったら、それで良い。」 店員は理解した様子で晋作(しんさく)にと笑顔のまま聞いた。 「かしこまりました。 では、この『バレリーナソリテールリング』ですね。 こちらは、今のプラチナと、もう一つ。 ピンクゴールドもございますが、どちらをご希望しますか?」 私は勝手に話が進んでしまってるのにまた焦るが。 晋作(しんさく)が私を見るのに気付く。 私もまた晋作(しんさく)を見る。 その顔は少し考えてるか? どうすれば… でもすぐに晋作(しんさく)はまた嬉しそうに笑った。 そして店員の方を向いてだ。 「そうだな。 彩香(さやか)には、今の『プラチナ』の方を選ぼうか。 その方が似合うだろうしな。 俺の方は、それに合わせてくれれば問題ない。」 「かしこまりました。 では、指のサイズだけ確認をさせて頂ければ、在庫の方からご用意いたします。」 そう言ってすぐに店員がまた動く。 サイズの確認などもだった。 勝手に話が進み、私からしたら値段すらも判らないのに。 二人になった時に私はすぐだった。 晋作(しんさく)の顔を見る。 でも凄く嬉しそうに笑ってるのも判る。 「きっと、さっきのなら彩香(さやか)には似合うと。 俺も思うからな。 大丈夫だぞ?」 「でも…」 私は何も言えなくなる。 スッと晋作(しんさく)の方が私の頬に触れてくる。 今度は優しく笑うのを見た。 「まぁ、今日。 いきなりだからな。 でも俺がそれで『安心する』のもあるからな? だから『俺の為』にも、着けてくれてると嬉しいだけだ。」 私もスッと晋作(しんさく)の頬に触れる。 いつも晋作(しんさく)は『大丈夫』と言うが… 私は何か出来ないだろうか… 晋作(しんさく)も少し驚く顔をしたが、でもすぐにまた笑う。 「これで『指輪』は決まりだ。 向こうが準備してる間にまだだぞ? 今日は『他もある』からなぁ。 まぁ、予定通りだ。」 私はまた動揺する。 まだ買うのか!? 「それに食事もだぞ!! 特に彩香(さやか)はだ。 もっと食べないといけないんだからな!!」 こんな状態で、更に食事もか!? ************************** 私はその後も晋作(しんさく)に連れられながら。 銀座であちこちの店でだった。 和光インテリアショップでも家具だの。 東急プラザでの雑貨だの。 更に他のレディース店でもだった。 最初とも若干、違っても。 晋作(しんさく)は笑って、店員にも言うのだ。 『店内にある全て使って、何着でも可能だ。 この女性に似合うなら、そのまま全て一式を購入する。』 GINZASIX(ギンザシックス)での食事もそう。 既に困惑状態だったが、それでも食べるようにと。 本当に『徹底的に買い占める』ぐらいな勢いだった。 最後の帰る前にと、指輪の確認も。 それもすぐに、指にとだった。 私はもう、家に帰ってからすぐに少し自室に蹲った。 今日はもう… 確かに困った… いや、違うか? もう何も判らん… でも… 私はもう既にと、左手の薬指にだった。 それを見る。 明らかに高いだろう、この指輪… 『だから俺の為にも着けてくれてると嬉しいだけだ。』 そう言った晋作(しんさく)の顔がまたすぐに浮かんだ。 そうだなぁ。 私は考える。 でも、私も何か… 今度はそうだ。 せめて何か、仕事とか? よし!! 次は私だぞ!! 少しぐらい、何か手伝うぞ!! 私は少し笑いながらも、指輪を見た。 そしてまたリビングの方へと戻った…
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

73人が本棚に入れています
本棚に追加