気付かない『理由』は必要すらない。

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気付かない『理由』は必要すらない。

最近の私は幸せだなと。 本当に思える。 晋作(しんさく)と暮らし始めて、それは良く判るのだが… 慣れない『晋作(しんさく)基準』も、理由が判れば。 納得も出来るのだが? どうにも晋作(しんさく)の方が、優しいと思うのだが… それでも『気付いてない』事か? 晋作(しんさく)は『それで良い』と。 『必要すらない』と。 それに『慣れる』かぁ… まぁ、そうなのか? 晋作(しんさく)があれだけ言うし? この暮らしにも徐々には確かに『慣れた』か? 多分、そうなんだろうなぁ。 今なら確かに『必要ない』か。 なら、そうだな? うん、晋作(しんさく)が言うのも… そういう事か? 確かに考えなくて良い事だなぁ… それで晋作(しんさく)が笑うのであれば、私は充分だしな? 私は少しまた指輪を見る。 これがあると。 いや、違うか? これを見るとだな。 まぁ、あの時も… とんでもないんだが? それでもなぁ。 あれだけ嬉しそうな晋作(しんさく)の顔がだ。 それが思い出すからだなぁ。 私はそれだけで、笑う。 ************************** とある日。 私は頼まれてた仕事を終わらせた。 それを晋作(しんさく)が、仕事部屋に行くならと渡した。 晋作(しんさく)はまた笑うのが私も嬉しい。 少しまた晋作(しんさく)は、仕事をするんだろうと。 理解して私は一人で自室に行く事にした。 ふむ。 私は部屋を見渡す。 もう、前とは完全に変わってしまったな? この生活だが。 最近は… ようやく慣れてきたか? 私はまた指輪を見る。 思い出すが… この部屋の家具とかもそうだな。 あの時の凄い買い占めだが… まさに一式だが。 ナチュラルなインテリアで、あの時。 私から晋作(しんさく)が好みを聞いて、一つ選んだが… それに合わせる感じで? 全て統一された家具類のある部屋になった。 確かに今の晋作(しんさく)だったら。 可能なんだろうなぁ。 私は納得する部分が出た。 でも、私に出来る事は少ないしなぁ。 何かないだろうか? でも、余計な事をすれば… また晋作(しんさく)にも迷惑がかかるしなぁ。 私は自室から外を眺める。 それでも時々、これが事実で。 夢ではないとしても。 これはどうなんだろう… 不思議な感覚だなぁ? 私がどんなに頑張っても。 一人で出来る事なんて少ないからなぁ。 余計な事をしない方が良いのも判る。 私は自室のソファに座る。 自分のiPodを取り出す。 イヤフォンをして音楽を聴きながら考える。 昔からの癖でもだがなぁ。 『一人』での無音って、苦手なんだが… でもそうだなぁ。 最初の頃は『一人』になったばかりか? 相手は何も悪くない。 私が悪いのに… 妊婦さんや、子供を見るのも。 あまり見たくはなくて… 声すらも聞きたくなかったな? その時は深夜のバイトをしてたが… 今はそれもない。 私が無理をしなければ。 晋作(しんさく)の願いも全て。 叶えられたのになぁ。 私は頭の中で、それを振り払う。 駄目だ!! 既に私は充分過ぎる幸せの中に居る。 人間の欲を出せば、キリがない。 今でも私は充分過ぎる!! そう思いながら考えるのを止めた。 ふと、思う。 止めたと言えば… 昔もだな? まぁ、もう必要もないが… あまり考えたくないし。 でも、やっぱり。 不思議だなぁ… 私は音楽を聴きながら、その感覚の『言葉』を探す。 でも、そうだなぁ。 やっぱり… 『不思議』か? 昔とも少し似てるが… あまり、考えたくはないか… ************************** 「彩香(さやか)? 大丈夫か、彩香(さやか)?」 名前を呼ばれた事に気付いて、私は目を開ける。 晋作(しんさく)が若干、慌てる様子の顔が見えた。 うん? 「あぁ、晋作(しんさく)か。 仕事も、もう終わったのか?」 「あぁ、でも… 彩香(さやか)が自室で寝てるのは、初めて見たが… 疲れてるのか? 大丈夫か?」 私はイヤフォンが外れているのも判る。 まだ少し焦る顔をする晋作(しんさく)を見た。 私は首を横に振った。 「疲れてはいない。 ただ…」 私は考える。 でもすぐに晋作(しんさく)の顔を見た。 この顔は… 「ただ? 何かを、考えていたんじゃ…」 これは心配してる時の顔だろうか? 私は首を横に振り、少し笑う。 「いや? 何だろうなぁ。 考えてなら、まぁ… 今でも勿論、これが現実だってのは判るし? 充分幸せだと。 でもそれが『不思議』だと、思っていただけだなぁ。」 私は晋作(しんさく)を見る。 少し疑問だったのか首を傾げた。 「彩香(さやか)は… 幸せだと『不思議』なのか?」 私もそれを聞いて考える。 でも… そうだな? 変か? だから少し笑った。 「あぁ、確かに変かもな? 何て言うか… 自分の幸せをだろうか? あまり考えてなかったような? まぁ、でもそう。 自分の事なんだろうが… 時々、良く判らないなと。 だから… 上手く言えないが、『不思議』な感覚がするだけか?」 「彩香(さやか)… 『自分の幸せ』を願って、何が悪いんだ?」 「え?」 私は少し疑問が湧いた。 晋作(しんさく)を見る。 この顔は… 「彩香(さやか)は、いつも『俺の為』や… 『周り』の皆の為に動くが… どうして、その中に『自分自身』を入れないんだ?」 私はそれを聞いてまた少し驚くが、考える。 自分の幸せを? 入れない? 「いや、『願って』は… いたか? 学生の頃もそうだが… でも… そうだな? 『願う』だけで、あまり… 考えてないのもあったか? まぁ、それが『普通』かなと。 なんだろうか? あまり… 考えるのを、止めたか? 判らないが。」 晋作(しんさく)を見る。 少し考える様子のままだった。 「俺が幸せになる事もだろう? それは… 彩香(さやか)も『一緒』にだぞ?」 私は少し笑った。 「あぁ、勿論。 『晋作(しんさく)の幸せ』はいつも願ってる。 それだけは、ずっと変わってない。 でも、今がなぁ。 晋作(しんさく)が嬉しそうに笑うのを見ると。 私も嬉しくなるから。 それで充分だと。 これが『自分の幸せ』なのかと思うと… その感覚だろうか? それを考えると… どうにも『不思議』な気分にはなるなぁ。」 晋作(しんさく)の顔を見る。 少し考える様子だったが、私に聞いてくる。 「彩香(さやか)は、いつもそうだが… 何か『昔』にでも、何か、いや? 思った事でもあったのか? どうしてか、そこは俺が知ってる中でもないが… 既に高校からは、まぁ、俺も知ってるがな? その前からだろう?」 私はそこでまた考える。 「昔か? そうだなぁ。 私にも少し… 覚えてないからだろうか?」 晋作(しんさく)の方は不思議な顔でだった。 「覚えてない?」 「あぁ。 私はもう、あまり気にしてないからなぁ。 これはそう言えば… 晋作(しんさく)にも、話した事がないのか? 私は小さい頃の…」 私は少しまた思い出そうとする。 少し頭痛がした。 目を閉じる。 「彩香(さやか)?」 私は目を開けると、また不思議な顔のままの晋作(しんさく)だった。 「うん、まぁ、私は一応覚えてるのが。 そうだな。 小学生の高学年ぐらいか? それより前だと… 幼稚園ぐらいの頃は思い出せるな? でも、そう。 小学校に入ってからぐらいだろうか? 前は時々、それも考えたりもしてたが。 それすらも、中学ぐらいで止めたな? どうも、何かあった気はするんだが… それをどうにか? 思い出そうとしてたんだが… 思い出そうとするとな。 どうしてか、頭が痛くなるんだ。 だから、考えるのを止めた。 それからは、あまり? 特に考えた事すらないな。 それに何も問題なかった。」 私は晋作(しんさく)の方を見ると、少し考えてる様子だった。 「つまり、彩香(さやか)は… 小学生の低学年か? その頃の『記憶』がないと?」 私は少し笑う。 「そうにもなるか? 全部ではない気はするが、何だろうな? 何か『忘れてる』ような気がするんだ。 それを思い出そうとはしたんだが… 止めた感じだろうか? たまにはしてたが、途中から完全に止めたな。 どうしてか判らんがなぁ。 でも… そうだな、昔か…」 私は少し、また昔を、その頃を考える。 「確かそう… 何かあった気が…」 私はまた急に頭が痛くなった。 痛みで目を閉じた。 「彩香(さやか)? もしかして… 頭が、痛いのか?」 私は首を横に振って、また昔を考える。 「少し… だが… でも… あれは…」 私はまただった。 急に何かで殴られる様な『頭痛』だった。 目を閉じたまま、思わず額に手を当てる。 「違う? いや、何か… 私が… 確か、何かを…」 「彩香(さやか)? かなり痛いんじゃ…」 どうにか痛みを振り払って、また私は思い出そうとする。 「私が、そう。 何かを、したから…」 まただった。 酷い痛みが、『頭痛』が更に強くなった。 振り払おうとすらしても、まただった。 咄嗟にただもう、振り払う事しか出来ない!! 「違う!! 私はそんな事はしたくない!!」 どうにも出来ずに、もう私は頭を両手で抱え込んだ。 痛い!! 違う!! 痛い!! 「彩香(さやか)!? 今はもう考えるなっ!!」 私はその晋作(しんさく)の大きな声でだった。 どうにかまた目を微かに開けた。 晋作(しんさく)の顔が少し見える。 でも、目がぼやける? 首を横に振って、どうにかしようとする。 「彩香(さやか)? 今は良い!! 何も考えなくて良い!! 痛いんだろう? だったら考えるな!?」 久々の痛みだった。 でも、なんだ? 何か… 「あぁ… でも…」 その時に晋作(しんさく)が力強く抱き締めてくる。 「今は良いんだ。 何も問題すらない。 俺も居る。 考える必要もない。」 私はその声を耳元で聞こえた。 必要もない? 確かに… 思い出しても。 意味は、もうないか… 「そうだなぁ。 晋作(しんさく)の、言う通りだなぁ。 今更、思い出しても… 何も変わらない、かぁ…」 私はただ、判らない。 だからもう… 私は少し晋作(しんさく)の方にと、擦り寄る。 それにまた私を、強く抱き締めてくるのが判る。 「あぁ、不思議だな… 私が『幸せ』なのは判るのに。 そうだなぁ。 どうして、『不思議』な感じが… するんだろうなぁ…」 「彩香(さやか)… 多分だが、何かあったんだろうがな? 頭が痛くなるんだろう? なら、それは『必要のない記憶』だ。 だから、思い出す必要もないから。 そうなるだけだろう。」 「そうなのか?」 この体勢だと、晋作(しんさく)の顔は判らないが… 「あぁ、そうだ。 無理矢理、思い出そうとするからだ。 それで痛いだけだろう。 なら、それは必要がないんだ。」 必要がないか。 確かにそうだな。 「そうだな… 晋作(しんさく)と居られるのだから… これ以上、何かを、求めては… いけないなぁ… 私は充分だ。 でも、少し、また… 寝ても、良いか? 少し、まだ…」 「あぁ、俺が居る。 だから大丈夫だ。 今は少し休んだ方が良い。」 そうだなぁ。 晋作(しんさく)が居るなら、安心もするからなぁ… なら、もう… 私はそのまま意識を手放した。 ************************** ふと目が覚めた時は主寝室に居た。 側に晋作(しんさく)が見えた。 また携帯で何かしてる様子だった。 「晋作(しんさく)? また、仕事か?」 私は身体を起こして声をかけた。 それに気付いた様子で、晋作(しんさく)は笑って言った。 「いや、仕事でもないがな。 でも彩香(さやか)は? もう大丈夫なのか?」 私も晋作(しんさく)の笑顔は嬉しいな。 だからいつもと同じように笑った。 「あぁ、もう何ともないぞ!! あれは久々だったが、特に問題もないんだ。 別に考える事もしてなければ、いつもと同じだからな。 まぁ、確かに久々か? 晋作(しんさく)と会う前から。 もう止めてたしなぁ。」 私は晋作(しんさく)の顔を見た。 少し考えてる様子だったが、すぐに笑って言った。 「そうか… ならもう考える必要もないな!! 今なら特にだぞ? 俺も居るし、心配もない!!」 私も笑った。 「そうだな!! 今は晋作(しんさく)が居るしなぁ。 尚更、安心だろう!!」 「でも彩香(さやか)には、一つだけ聞いておきたいんだがな? さっきみたいな事はしなくて良いが。 他に身体でもだが… 痛くなるような事はないんだな?」 私は少し考える。 首を傾げながら言う。 「そうだなぁ。 特に? 何も? 他には… 思い当たらないが?」 私は晋作(しんさく)を見る。 少し考える様子もしたが、笑って言う。 「なら、問題はないな。 身体にも影響がないなら。 それは『必要ない』だろう。」 「そうだなぁ… 確かに、わざわざ? する必要もないからな。 今までも問題はないからな? それは晋作(しんさく)も知ってるだろう?」 私は晋作(しんさく)を見る。 また少し考える様子をして目を閉じた。 「ふむ。 なるほどな… それは『防衛機制(ぼうえいきせい)』みたいなものか。 それで『気付く事』にもだろうな…」 うん? 防衛? 気付く? 私が不思議に見てると、晋作(しんさく)は目を開けて、少し笑う。 私はまた少し首を傾げる。 「防衛…?」 少し晋作(しんさく)が私に優しく触れてくる。 「あぁ。 彩香(さやか)は、優し過ぎるからな。 きっと『防衛機制(ぼうえいきせい)』の一つ、その影響だろう。 その中に『抑圧』があるんだが… これは無意識の中にだ。 その『記憶』を封じ込め、忘れようとするんだがな?  だが、これは『彩香(さやか)を守る為』に出るんだ。 つまりな、その『記憶』は忘れて良いんだ。 それは『抑圧された記憶』なんだろう。 無意識下に封印された記憶にもなるんだが… その自分の記憶の一部にもなる。 これは彩香(さやか)がだ。 生きていく中でだな? 『極端に妨げになる』と。 彩香(さやか)を守る為にと、表れるだけだろう。 だからそれを防ぐ為にと『頭痛』として出るんだろう。 もうそれは思い出す『必要すらない』んだ…」 「私自身が? 無意識にか?」 少しまた考えるが… 晋作(しんさく)の方がまた先に動き、抱き締めてくる。 声だけ聞こえた。 「彩香(さやか)? さっきも言ったぞ? 考える必要もない。 それは彩香(さやか)には『必要のない記憶』だ。 だから、彩香(さやか)が思い出す必要すらない。」 私は晋作(しんさく)の顔が、この体勢だと見えないが… 「そうなのか? まぁ、確かに… 今までも、困らなかったか? 確かに必要ないか? でも…」 私はなぜだ? 幸せが『不思議』か? 確かにそう。 幸せならば、それは… けれど、晋作(しんさく)がさっきよりも。 力強く抱き締めてくる。 「彩香(さやか)が、きっとだが… これはなぁ、確かに『記憶』の一部のみだろうが。 本来の性質、いや、本来の性格か? 彩香(さやか)がだが、何も変わらずに… 優し過ぎるのも、俺は知っいる。 きっと、そんな彩香(さやか)がだ。 これも多分、気付いてないと思うが… 無意識に『拒否』をだ。 さっきの言葉でも『完全に否定』すらも、言っていた… ならもう、それは彩香(さやか)には… そう、必要すらない。」 必要すらない? また、気付いてない? 「なぁ、晋作(しんさく)? また、私は気付いてないのか? 晋作(しんさく)が嬉しそうに笑うのが、私には嬉しいのに。 幸せなのに、この『感覚』は…」 私をソッと、少し離すように。 晋作(しんさく)は私を両腕で腰に手をまわして支えてくる。 私はそこで晋作(しんさく)の顔を見る。 嬉しそうな顔で笑っていた。 「大丈夫だ、彩香(さやか)!! もう、誰からも『俺が守れる』のも変わらない。 それになぁ、彩香(さやか)がだ。 ずっと変わらずにだ。 今でも俺の側に居るのが、もう嬉しいだけだな!! 気付く事も、そんな『記憶』なんて、必要もないし、気にするな!! 今はまだ『不思議な感覚』なんだろ? でも、それすらもだ。 今の生活みたいに、徐々に『慣れる』だけだぞ? ただ『慣れてない』だけだな、これは。」 私は晋作(しんさく)の嬉しそうな顔を見た。 だから嬉しくなる。 そんな晋作(しんさく)にと、私は笑う。 「そうだなぁ。 私はもう、充分に『幸せ』なんだろうなぁ。 晋作(しんさく)の言うのも、そうだろう。 確かに今なら、この家での生活も、慣れてきてるからなぁ。 きっと、この感覚もだな? 今はまだ『慣れてない』だけかもしれんな? 納得するし、私は晋作(しんさく)がそうしてるのがだ。 本当に嬉しいなぁ。」 その時だった。 ************************** 急に晋作(しんさく)が先にまた動いてキスをしてくる。 それでも更にと、何度もキスを。 何度も舌も絡め取られる。 「んっ、あっ。ぁっ。んっぁ。」 唇が離れて、それで私はまたどうにか息をする。 そしてまた私は晋作(しんさく)を見る。 その時に優しい目なのにも気付く、更に嬉しそうな顔も判る。 私をベッドにと、またそのまま少し押し倒すようにすると言ってくる。 「あぁ、彩香(さやか)… もう大丈夫だ。 そう、いつも『俺』だけを見てくれるのも… 俺も『彩香(さやか)だけ』を愛してるんだ。 もう俺が『全て』から守るのも変わらない。 それにもう『彩香(さやか)は、彩香(さやか)』のままだったのも… だったらそう、もう彩香(さやか)は、気付く必要すらない。」 晋作(しんさく)が私の服を脱がせながらも、またキスをしてくる。 そうして身体にと、的確に刺激までとだった。 「っんぁ、ふぁ、んっ、んぁあ。」 唇が離れて、それで私はまたどうにか息をする。 そしてまた私は晋作(しんさく)を見る。 嬉しそうな顔も判る。 「それで良いんだ、彩香(さやか)… もうそんな事からもだ。 そんな『記憶』なんて、彩香(さやか)には必要もない… そして今の『感覚』さえもだな。 俺が全てだ。 もっと彩香(さやか)には、味わって貰おう?」 若干、私は動揺する。 少し私が動こうとしてもだった。 晋作(しんさく)の方が常に先にと動く。 「んあっ、ふぁっあっ。んぁ!!」 弱い場所ばかりへと刺激をと。 手を、指も、更にキスもだった。 晋作(しんさく)が動かしてくるのに身体が常にと。 私はその度にビクリと反応する。 「ふぁ、んぁ、あぁ!? んぁ、ぁっあ。 んっ、ぁっあっんっ。」 刺激もされながら、何度もキスをと、そして舌すら絡めてくる。 唇が離れて、私はどうにか息もする。 私がまた晋作(しんさく)を見ると嬉しそうに笑ってだった。 そのまま言われる。 「彩香(さやか)の身体なら、もう全て、俺は知ってるが… そう、俺がだ… 今の『感覚』すらも消そう。 考えられないぐらいに、今はもう俺だけを『感じて』貰う。 俺にも、彩香(さやか)だけだ。 愛してるのも、俺には『彩香(さやか)だけ』だ。」 晋作(しんさく)の方がすぐに私の服すらも簡単に脱がせて動く。 舌が首筋をと這う。 私はまたビクリと反応もしてしまう。 それでも、身体へと指も動き続けるのが判る。 「ぁ、ふぁあぁ!? ん、あぁっ、ふぁっん。」 更にと、キスもしてくる。 舌が絡め取られる。 それでもだった、時々、息をするが、何度もだった。 もう私に合わせるかのように、手も、指も。 晋作(しんさく)が動かしてくる。 「んぁっ、あっぁ。 んっ、んぁ、ふぁ、んぁっ。」 唇が離れる、私はどうにか、息もする。 晋作(しんさく)は僅かにと動くのすらも判る。 手も動くが、指も更に私の中をと確かめるよう。 激しく動かされる。 「ぁあっ!! っ、あぁっ、ふぁあっ!!」 激しくも動かしながらも、全てが判ってるように。 指を抜いて、またすぐにだった。 晋作(しんさく)の勃っているのが私の中へと入ってくる。 「あぁっ!!んあぁっ!!」 それだけで、もう私にも身体が反応する。 入れられただけでも、ビクリとする。 僅かに動きを止めてから、晋作(しんさく)が私へと軽くキスをする。 どうにか私も息をして、また晋作(しんさく)を見る。 晋作(しんさく)の顔は、優しく、それに嬉しそうだった。 「あぁ、充分だ。 彩香(さやか)だけだ… 俺にはもう、入れただけでも、充分にそう。 既に感じてるのすら伝わってくる…」 私の身体がもう、動かされてなくてもだった。 反応もしてしまう。 「晋作(しんさく)… それは…」 私はどうにか、身体の反応をと。 でも、どうにも出来ない感覚だった。 私は目を閉じた。 「もう、彩香(さやか)が何も言わなくても。 俺には判る… それでも俺が嬉しいだけだ。 そう、彩香(さやか)にそんな『記憶』もいらない。 そして『気付く必要もない』。」 私が? 必要さえない? 僅かに考えようとした時だった。 晋作(しんさく)がまたすぐに動いたのもだ。 すぐにそれが判って、私は考えが流された。 「っあぁ!! っんぁ、あっんぁ!! んぁっ、あぁっ。んぁっ、あぁ!!」 中にと激しく動かしながらも。 それでも、更に私へと刺激すらも与えてくる。 「そう… もう考える事も必要ない。 彩香(さやか)は、俺を感じてれば良い。 あぁ、でも、俺もだな。」 晋作(しんさく)が私を抱き寄せるようにと。 更に深くと動かすのが判る。 私はもう何も考えられない。 それでも晋作(しんさく)が動いてくる。 「ふぁん。 あっ、んあぁっ!! し、晋作(しんさく)、ぁっあ、もう… あぁっ、もう…」 「あぁ、判ってる… 俺と彩香(さやか)は、そう、一緒にだ。」 私にとキスもしてくる。 僅かに舌を絡める、少し唇が離れた時にだった。 晋作(しんさく)が中へと出した。 「ぁあぁっ!!」 それすらも私は、もう敏感に感じてしまう。 どうにか、息もしながらだった。 晋作(しんさく)も私の中から抜いて、また私に軽くキスをする。 私は息も整えてようとする。 「もう俺が居る… 今ある『感覚』すらも、俺が『消して』だ。 全て俺だけを感じる事だけを… 彩香(さやか)の中に、今ある事なら… それすらも俺が『幸せの感覚』へと、『戻す』だけだ。」 私は晋作(しんさく)を見る。 嬉しそうな顔が判る。 あぁ、私は… やっぱり… 『晋作(しんさく)だけ』で充分だ。 「彩香(さやか)は、また少しそのまま眠って休んでれば大丈夫だ… 何も心配すらない。 俺は必ず彩香(さやか)の側に居る。」 私はその声も聞こえる。 そうだなぁ。 晋作(しんさく)が居るなら… 安心するから… 私はそのまま眠った。 ************************** 【後書き】 補足でもありますね。 まぁ、晋作(しんさく)の場合? 『頭脳』がもう半端ないのもありますが… 『防衛機制(ぼうえいきせい)』とは言いましたが。 これはいろんな種類があります。 まぁ、ザックリと、判り易く言ってしまえば… 精神的な『トラウマ』と言えば判るかな? これは人によって様々。 なぜなら、精神的な部分に関しては、本来の人それぞれが持つ『性格』や『本質』で変わるからです。 それに対して、自己防衛的にする。 それがまぁ、『自我防衛』ともなる上に、晋作(しんさく)の言った通り。 普段の生活に支障が出ないようにと、防衛本能にも近いでしょう。 同じ事をされても、それは人それぞれでまた違うのと同じです。 そして無意識にでもそれをするのが『精神』での『防衛』をと。 それの『症状』すらも人によって変わる事です。 彩香(さやか)の場合、本来の性格、更にそれの防衛の為に出てる事。 それが『頭痛』となっての拒否反応になってるからこそ、晋作(しんさく)も言ってる通りです。 これはもう無意識なので当人は『気付かない』し、そして『気付く事』は、トラウマすらも『蘇る』だけ。 『否定に関して』ならば、尚更、それがどんな出来事であっても。 専門家以外は避ける方法が一番『安全』でしょう。
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