最終話:『二人』で本当の幸せになる為に。

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最終話:『二人』で本当の幸せになる為に。

ふむ。 私は、まぁ… 『 一条彩香(いちじょうさやか)』になったが… 最初にもう… また晋作(しんさく)がだったな? ルートまで計算したらしく… 全ての手続きを1日で終わらせたが。 それでも… 何も変わらない日常でもあるな? どうにも? 実感が湧かない… まぁ、そうなるのか? どうなんだ、これは? 流石に私だって… 結婚は初めてだし? いや、考えてもいなかったし? 『普通』すら知らんか? でもあれからずっと晋作(しんさく)の方が… なぜか、嬉しそうでもあるのは判る。 これで? 本当に良いのか? ************************** とある日。 家事も終わったなぁ。 晋作(しんさく)から渡された『仕事』も… 昨日、終わったか。 ふむ。 でもまだ昼前なんだが… 私はでも、一応? 『妻』なんだろうが… 何も変わらんな? 何か『妻』として、やる事はあるのか? 少なくても、妻なら晋作(しんさく)… もう『夫』か? 違和感しかまだない響きだな? でも、それを助けるべきなのが普通か? だがなぁ… 私は取り敢えず、先にリビングの方へ向かった。 すぐに見つけた。 私は少し様子を見る。 晋作(しんさく)がまたソファに座って、携帯で何かしてるな? また仕事だろうが… 私は前から、『それ』には気付いてるが… 邪魔するのも… 良くないよなぁ? そう私も考えながら、晋作(しんさく)を見てた。 少しすると、晋作(しんさく)も私に気付いた様子で笑う。 「彩香(さやか)、もう家事は終わったのか?」 私は少しまた考える。 晋作(しんさく)の顔を見た。 「彩香(さやか)? どうかしたのか?」 不思議そうな顔になった晋作(しんさく)が私に聞いてくる。 取り敢えず、聞いてからにしよう。 私は晋作(しんさく)に側にと近付く。 スッと晋作(しんさく)の顔にと手を伸ばす。 「なぁ、晋作(しんさく)? 家事なら、私には簡単だが… 晋作(しんさく)の『仕事』ならまだ、手伝いが出来るぞ? もう私の分は、終わってもいるが… 晋作(しんさく)は、『今』すらも『仕事』だろ? 私が出来るレベルの『仕事』は… 少ないのか?」 晋作(しんさく)は凄く驚いた顔でだった。 「彩香(さやか)? 『今』と言ったな… どうしてだ? それに、彩香(さやか)だって… 手伝いや家事で、充分に『仕事』しているだろう?」 私は一応、頷く。 でもなぁ… 私は首を傾げる。 晋作(しんさく)を『見てる』から… どうしても思うのもあるんだが… 「まぁ、確かに。 自分の食費分ぐらいは稼げてるかなと思うが… 晋作(しんさく)は、でも… 『いつも』だろ? 確かにまぁ、無理はしてない様子にも見えるんだがなぁ。 その『携帯』で、常に『連絡や指示』を出してるんだろ? 詳しくは判らんが… でも、晋作(しんさく)の方が『仕事が多い』し? 私の場合は… 晋作(しんさく)が調節してる『専属』だから、何も問題すらないが… 私がもう少しぐらいなら、可能かなと。」 晋作(しんさく)はまた驚いた様子をした。 「彩香(さやか)… どうして、そう思う? 別に、俺は何も…」 私は晋作(しんさく)を見る。 そんなに驚く事か? すぐ判るが? 「うん? だってなぁ。 その晋作(しんさく)の『携帯端末』だが… 私もまぁ、詳しいかは判らんがなぁ? でも今まで、そんな『携帯』は、見た事もないぞ。 メーカーすら、それ、判らんだろ? それに前にもだが、晋作(しんさく)は言ってたんだが… 『普段から家に居ても何にも問題ない』のは、その『携帯端末』もだろ? 他でもまぁ、『こっちの仕事部屋でも操作可能』とも言ってたからなぁ。 だったら簡単だろ? それに内容は判らなくても、まぁ、名刺すら『多い』とも言ってたし。 それだけ『セキュリティを厳重』にしてるんだ。 普通なら『情報漏洩』を防ぐ為に、『晋作(しんさく)のは専用端末』にしてあるんじゃないのか?」 晋作(しんさく)はまた動揺する様子をした。 「彩香(さやか)は… いつだ? それに… ずっと、気付いてたと?」 私は考える。 「いつから… いや? 『正確な日』は、ないな? ただ、『晋作(しんさく)』を見てれば判る。 後は言動か? だが、決め手になったのは… あれか? まぁ、でも… 私には『企業内容』か? 『案件』か? 何を言ってたのかはまぁ、サッパリ? 私には判らんかったが。 でも、まぁ… あの『単語』だよな? 普段から晋作(しんさく)は、『連絡』を皆と取り合ってるんだろ? それは簡単だったが。 後は… 『案件』も、『情報』も、『提携』も、『全て』と。 言ってたじゃないか。 つまり、『晋作(しんさく)が動かしてる』んだろ? しかも『この家』から『可能にしてる』んだろ? まぁ、あの『仕事用の家』には、一回しか入らなかったから… あの部屋しか見てないが?」 すぐ晋作(しんさく)は気付いた様子で、また驚きながらだった。 「あの四人を、俺が呼んだ時にか!? それで!? それで気付いたのか?」 私は不思議に思う。 何に気付いたと? 「いや? 気付いて? 何がだ? さっきも言っただろ? あんな短い内容じゃ… 私には『理解』出来なかったと。 でも、皆が『理解した』らしいとは、言ってたがなぁ? 『案件の内容』は… 私にはサッパリ判らんかったぞ?」 晋作(しんさく)は首を横に振って、目を閉じた。 またすぐに目を開けて私を見た。 「つまり、彩香(さやか)は… あの話の『内容』ではなく、その『単語』で、更に『俺の言動』からだな? 普段から、『俺だけ』を見ててした『判断内容』が、『仕事内容』をだな?」 私は首を傾げる。 「まぁ… そうにも、なるのか? でも… 具体的な仕事内容は、判らんが… 別に『あの時だけ』じゃないぞ?」 また晋作(しんさく)が驚き、でも少し不思議そうな顔になった。 「あの時だけじゃ、ないだと?」 私は考える。 「そうだな、うん、まぁ… 最初の… 仕事の手伝いか? あの『仕事部屋』に、一緒に入ったろ? その時、晋作(しんさく)が言ってたじゃないか。 『数十社ぐらい』と。 『提携してる』と。 しかも名刺も『多い』ともだが。 そうなれば簡単だろ? かなりの数の『案件』が多いのかぐらい、判るだろ? それだけ『企業秘密』や『情報』を知るんだろ? 晋作(しんさく)自身も言ってたぞ? 『俺が管理してる限り、セキュリティは安全』って。 つまり、それだけ『情報』を『管理』してるから。 この家を晋作(しんさく)が『厳重』にしてるんだろ?」 晋作(しんさく)は凄く驚いた顔をした。 「あの二回目に入った『仕事部屋』の時からか!? それを既に、気付いたと!?」 私は不思議に思いながら、首を傾げる。 「うん、まぁ… 『普通』に考えれば、そうなるだろ? それからか? 晋作(しんさく)を見てれば… 確かに『仕事部屋』にも行くがなぁ。 常にその『携帯端末』を、晋作(しんさく)が持ってるじゃないか。 それで何かしてるなら… 『仕事』だろ? その後に四人が言ってたからか? なら、その『携帯端末』でも、『連絡』すら出来るんだろ?」 晋作(しんさく)は慌てる様子でだったが。 自分の携帯を見てから、また私を見た。 「それは… まぁ、確かに『連絡』は出来るが… 普通は、ただの『携帯電話』ぐらいにしか判らない筈だが… 『俺専用』だと、それで気付いたと?」 私は最初の頃を思い出す。 「あぁ、最初は、そうだな? 確かに普通の携帯には見えたか。 私はiPhoneだし? 他の端末なんだろうなぐらいか? でもまぁ、Androidには私も詳しくなくても… どの携帯端末にだって、普通は『メーカーのロゴ』なり、必ず何かあるぞ? それすらない、何もないし? そんな見た事もない『携帯』なんて… 晋作(しんさく)が、あの『仕事部屋』で『提携』をか? それだけの会社としてるなら、普通の『携帯端末』じゃないだろ。 つまり、『仕事用の端末』だろ? まぁ、どうやってそれを作ったかは、判らんが…」 晋作(しんさく)は凄く驚いた顔をした。 「それを… まさか… あんな前から? 彩香(さやか)は気付いてたのか?」 私は不思議に思う。 「それは… 『普通』に気付くだろ? 晋作(しんさく)が驚く方が不思議だが?」 晋作(しんさく)はまた驚き、首を横に振った。 そのまま目を閉じた。 「だからか… そう言えば、彩香(さやか)は良く、俺に聞いてたな? 『また仕事か』と。 だから、『忙しい』と、あの時すら…」 晋作(しんさく)を見てると、目を開けた。 また私の方を向いてだった。 「彩香(さやか)は、『あの時』にも言ってたな? 井の頭公園に行く前にだ。 『普段から忙しい俺の邪魔はしたくないだけ』だと。 だからだな? あれすら『俺の為』にと。 既に『気付いてた』から、言ってたのか?」 私は少し思い出す。 「まぁ、別にあの時は… それも勿論あるが… 『仕事部屋』にと、普段より『時間も長かった』からか? なら、忙しいんだろ? それに『可能性』だけなら、数えられないだろ。 仕事内容も… もし『企業情報』なら、尚更、晋作(しんさく)は私からは『避けるのが普通』だろ。 内容がそれなら、当たり前だからな。 でも、あの晋作(しんさく)が『仕事』で苦労する印象はないから。 『晋作(しんさく)の親関係』だろうと。 私は思ったが… 違うのか?」 晋作(しんさく)はまた凄く驚いた顔をした。 少し考える様子をしてからすぐにだった。 「確かにあの時は… 俺の親を捕まえるのに『時間』は使ったが… それでか… それだけで、『俺の親』だと、気付いたからだな? だから、また、俺が『勘違い』をさせたから。 彩香(さやか)が『離れよう』と、井の頭公園にか。」 晋作(しんさく)はまた首を横に振って、目を閉じた。 「だからか、俺がまた… それで彩香(さやか)が、泣いたのか… 更にアイツが言ってた『意味』にもなるか? 確かに、また、これは俺の『致命的なミス』だろ!!」 私は晋作(しんさく)の反応に気付く。 「晋作(しんさく)? あれは私も悪かったんだぞ? 私は『違う事』も考えたからだが… 晋作(しんさく)の、まぁ、でも… 私も井の頭公園に行く前に言ったか? うん? その時はまぁ、『違う事』も考えてたか? だが、まぁ、『晋作(しんさく)』をだったか?」 晋作(しんさく)は目を開けて私を見た。 「違う事だと?」 私は晋作(しんさく)の顔を見る。 少しその顔を見て、思い出して考える。 これは… 言わない方が、良いか? これは晋作(しんさく)には… どちらにも… 晋作(しんさく)がすぐにソファから立ち上って、私の腕を掴んできた。 「彩香(さやか)!? 待て、今もまた『俺の為』にと。 考えてるだろ!? 駄目だ、それは違う!! もし、本当に『俺の為』だと思うならだ。 それはこれからなら、尚更違う!! 俺と彩香(さやか)は、もう『結婚』してるんだぞ!? それなら、これから先は『俺の為』じゃない。 『二人』でだ。 常に『二人で共有』して、『二人の為』にとしないとだぞ? それを『俺だけ』が知らないのは、おかしいだろう!? なら、彩香(さやか)が言う事は『俺達の為』になるんだ。 それを俺が知らないのは、また彩香(さやか)をだ。 俺は彩香(さやか)を、泣かせる事なんて、したくないぞ!!」 私は驚いた。 常に? 二人で共有? 二人の為? 私が言うと、それが? 私はでも、疑問だけを聞いた。 「それは… 結婚したからか? だが、それは… 『晋作(しんさく)の為』にもなると?」 晋作(しんさく)はまた首を横に振って、私に強く言ってきた。 「彩香(さやか)が言う事は『俺の為』にじゃない。 今後、一緒に居る『俺と彩香(さやか)の為』にだ。 これは全く『違う意味』だぞ!? 彩香(さやか)はもう、俺と『全てが同じ』なんだ!! 『俺の為』にと動くのは、間違えている。 これからは、そう、ずっと俺と彩香(さやか)の『二人の為』にだ!!」 私はまた驚く。 全てが同じ? これからは… 二人の為? 私は少し考える。 「私が言えば… 晋作(しんさく)はまた、苦しくなるのではないか? それは…」 晋作(しんさく)はまた少しだけ首を横に振ると、今度は私を引き寄せてくる。 私は驚いて晋作(しんさく)の顔を見る。 その時に気付いた。 その目は… 「もう、それが彩香(さやか)の『泣いた理由』なんだろう? なら、俺がもう既に『した事』だ。 俺がそれで『苦しくなろう』とだ。 既に彩香(さやか)がもう、それで『苦しんだ』から泣いたんだろう。 その『苦しみ』を、なぜ『二人の事』なのに。 彩香(さやか)だけが『一人』で苦しむんだ? 彩香(さやか)が苦しんだなら、俺も『同じ』事は当たり前だ。 だから言うんだ。 これからは俺もだ、彩香(さやか)を傷付けない為に。 それに彩香(さやか)も、俺がそう。 傷付けない為にと、お互い『共有』する事だ。」 私は晋作(しんさく)の顔を見る。 その目は… そう、あの強い目だった。 「今でもまだ、彩香(さやか)は『俺の為』にと。 迷ってるだろう? けど、これからは違う。 何かあるなら、『二人』で、『一緒』にと、それが正しい。 そして判らない事もだがな。 『苦しみ』だけでもない。 『喜び』もそうだ。 だからこそ、『一緒』に、『幸せになる為』にと。 一緒にお互いの『幸せを願い』ながら、側に居るんだ。 俺は彩香(さやか)を愛してる。 そして彩香(さやか)もだと、俺は信じてるし、もう俺はそれを聞いた。 だからこそだ。 これからは『二人が同じ』だ。」 私はまた少し驚く。 お互いの… 幸せの為? 苦しみも? 喜びも? そう、私も晋作(しんさく)に言ったのを思い出す。 『お願い』としてだ。 私が伝えた、そして、そう私は『お願い』として晋作(しんさく)に言った。 私は幸せは… 『本当に愛した人が、笑って幸せになってくれるなら』と。 そして『その愛した人は晋作(しんさく)なんだ』と。 だから、『ずっと願っていた』と。 私は晋作(しんさく)の顔を見る。 晋作(しんさく)は何も言わないけれど… その強い目は… ************************** 私は涙が零れた。 「晋作(しんさく)が… 言った言葉を… 私があの時に言ったから、晋作(しんさく)が言った。 『俺の幸せには、彩香(さやか)が居なければ、絶対にない。 それは断言出来る事だ。 だから、それを忘れずに、彩香(さやか)も居て欲しい。』 それは確かに、忘れないし、嬉しかったけど… でも… 晋作(しんさく)は… 気付いてなかった…」 晋作(しんさく)が驚きながら、でも私の涙を拭う。 「俺が、気付いてないと? それは何だ? それが今もだろう? 俺が今も、気付いてないから。 また彩香(さやか)が泣くのだろう?」 私は目を閉じた。 少し首を横に振った。 「私はあの時… 嬉しかったのも本当だが。 その前に、私は聞いた… 晋作(しんさく)は… 『孫』を期待されてる事も… 判ってた事、だ… だから、私では『駄目』だと…」 私の涙を拭いながらも声は聞こえた。 「彩香(さやか)… 確かにその前、彩香(さやか)自身が言ったな? 『これはもう、どちらがとかは、もう関係ない』ともだが…」 私はでも目を開けられなかった。 それでも涙がどうしても零れる。 「晋作(しんさく)の『願い』なら… 私が、全て、叶える事だって… 出来たのに… あの『言葉』は… 『私以外』でも、変わらないと… 晋作(しんさく)が、気付いてなかった… だから、前とは『違う方法』で、私は…」 「また、俺が、彩香(さやか)をそれだけ。 傷付けたんだろうが… 俺は、彩香(さやか)に言った事は『本心』だぞ? どうして… 俺の『その言葉』でだ… それを教えてくれ。」 私は目を閉じたまま、声だけ聞いた。 それは苦しそうな声だった。 だから迷う。 でも… それはもう… 「その言葉は… 『彩香(さやか)』の部分を… 『他の人』に置き換えれてしまえば… 『全てが叶う』と… だから…」 私は目を閉じたままだったから声しか聞こえない。 でも晋作(しんさく)の声が僅かに聞こえるだけだった。 「それを…」 私はそう、あの時。 公園で考えた。 「晋作(しんさく)の、苦しそうな声を。 私が、前に傷付けたのだと… だから言った… でも私が… あの時に、言わなければ… それも間違えたと… だから、前とは、違う方法を… もう、晋作(しんさく)が、苦しまない方法を… だから、『誰か代わり』をと… 考えた時…」 私は続きを言いたくなかった。 あの時、そう、私はそれを考えた。 でも勝手に、今と同じ。 涙が… もう言いたくない。 もう考えたくない。 私は… また、『一人』に… 私は目を閉じたまま首を横に振った。 もう、それは… 嫌だ!! その時に力強く私を抱き締めてくる感覚がした。 でも目は開けられずに、私は声だけ聞いた。 「すまなかった… 俺がまた、あの時の『言葉』すら… もっと、考えれば… それに俺がまた『時間』をかけ過ぎた… 彩香(さやか)を悩ませる事も、悲しませる事も。 心配させて、不安にさせる事も。 こんなに、また傷付けて、泣かせる事も。 何も、なかったのに… また、俺は… 10年前と、同じ『失敗』をしてたんだな… それを彩香(さやか)が、どうにか耐えてた事にも… 俺は、気付けなかった… これでまた彩香(さやか)が、10年前と同じに… もし、消えてたら… それはもう… ただ、『俺自身』が許せなくなるだけだ!!」 私は少し目を開けた。 ここからだと… 晋作(しんさく)の顔が見えない。 「晋作(しんさく)…?」 抱き締める力が少しまた強くなるのが判る。 「すまなかった… もう、彩香(さやか)が泣いた『理由』は充分、判った… 二度と俺は彩香(さやか)を。 他の誰でもないんだ。 これはもう、『彩香(さやか)』だけなんだ。」 私をソッと、少し離しながらも。 晋作(しんさく)は私を両腕で腰にまわすと支え、私の顔を見てくる。 私も晋作(しんさく)の顔が見えた。 それはまた苦しそうにも見える。 私はでもその顔は… どうにか手をソッと晋作(しんさく)の顔にと少しだけ触れる。 晋作(しんさく)は少しだけ笑うけれど、目をまた閉じた。 少し首をゆっくりと横に振る。 目をまた開けてから私を見て言った。 「俺が、もし苦しそうに見えるなら。 それは彩香(さやか)が、もう苦しんだ事だ。 だから、今だけは、それは気にしなくても良い。 それはもう充分、彩香(さやか)が苦しんだ意味と『同じ』だ。 俺はそれも含めて、理解もした。 彩香(さやか)を泣かせた事にも、謝りたい。 だから、彩香(さやか)が泣いた『理由』もだが… さっきの『俺の言葉』を、俺はこの場で『修正』したい。」 私は少し首を傾げる。 晋作(しんさく)の顔を見る。 晋作(しんさく)はそのまま目を閉じた。 「俺の幸せには、『今この場で俺が抱き締めてる彩香(さやか)』だけだ。 俺には『今、目の前に居る彩香(さやか)』でなければ、永遠にあり得ないと。 それは『この場に、目の前に居る彩香(さやか)』が俺と一緒でなければ。 絶対にないと、俺は断言出来る事だ。 だからそれを忘れないで、俺の側にだけ、変わらずに居て欲しい。」 晋作(しんさく)はそう言うと目を開けて嬉しそうに笑った。 私もまたそれを見て、また『意味』も判った。 だから私は嬉しくて笑う。 スッと軽く晋作(しんさく)も私にキスをしてくる。 でも嬉しそうに笑ってまた言った。 「もう、俺は他の誰でもない『目の前に居る彩香(さやか)』だけを愛してる。 だから俺の『幸せを願って』くれるなら。 彩香(さやか)も俺と『同じ』に、『一緒に二人で幸せ』になると、誓ってくれないか? どんな事があっても、何があっても、俺にはこの場に居る『唯一の彩香(さやか)』にだけだ。 俺は今、『目の前に居る彩香(さやか)だけ』を愛してる。」 私は『晋作(しんさく)の幸せ』とずっと願ってきた。 だから、そう、私が出来る事なら、何でもしたかった。 私は自分の幸せは、そう、晋作(しんさく)と『同じ』だ。 だったら、それは嬉しいだけだ。 だから嬉しくて笑う。 「あぁ、私もそうだ。 本当に愛しているのは『晋作(しんさく)だけ』なんだ。 今、この場に居る、目の前に居る『晋作(しんさく)』だけ。 ずっと変わらずに愛してるんだ。 それと『同じ』でずっと『願っていた』のもだ。 だから、同じだなぁ。 それで『一緒に二人で幸せ』になると、私も誓う。」 スッと軽く晋作(しんさく)も私にキスをしてくる。 また凄く嬉しそうに笑った。 あぁ、そうか。 ずっと愛してるのも変わらない。 ずっと願ってた事も変わらない。 本当に私は『晋作(しんさく)』だけを、『愛してる』からこそ、願い続けて居られるのか… それと『同じ』なら、私はこんなにも嬉しい事なんてない。 だから、せめて私も… スッと軽く私は、晋作(しんさく)にとキスをした。 私は嬉しくて笑う。 晋作(しんさく)は、また少し驚く顔をした。 でも、また目を閉じて首を横に振ってから、目を開けた。 凄く嬉しそうに笑って言った。 「あぁ、俺はもう… 彩香(さやか)だけなんだ!! その彩香(さやか)が、そうやって嬉しそうにだ。 一緒にずっと居られるのが、本当に嬉しいぞ!!」 私はまた笑う。 スッと軽く晋作(しんさく)も私にキスをしてくる。 また凄く嬉しそうに笑って言った。 「俺… もう、我慢が限界になるぞ!!」 私はその『意味』には、若干気付いた。 でも、今日はそうかもしれないか? また私は、スッと軽く晋作(しんさく)にとキスをした。 嬉しくて笑いながら言った。 「今日だけは、晋作(しんさく)? 我慢はしなくて良い。」 晋作(しんさく)は凄く驚いた顔をした。 でもまたすぐ嬉しそうに笑って言った。 「彩香(さやか)から!! 本当か!! 本当に俺、良いのか!! もう、俺、今日? 今? それは今日だけ!?」 私もその『意味』にも気付いた。 でも少し考える。 だから笑って言った。 「今日は『特別』かなぁ。 ずっと我慢は良くないからかぁ? でも… これから、いつでも、ずっと一緒なら… 今日だけは、そう、また『特別な日』にしよう?」 晋作(しんさく)はまた驚く顔をした。 でもまたすぐだった。 私を抱きかかえて言った。 「あぁ、そうだな!! 俺、もう、今日はずっとだな!! でもそう、これから毎日!? うん、そう、なら良いか? もう、それでも、俺、充分過ぎる!? いや、それでも彩香(さやか)からだぞ? それはちょっと? いや、もっと欲しい!? こんな嬉しい『許可』を!?」 私は若干、動揺する。 「し、晋作(しんさく)? 今日はだぞ!? 他の日もだが、少し、考えて…」 晋作(しんさく)を見る。 でも凄く嬉しそうに、そのまま移動もしながらだった。 「あぁ、判ってるぞ!! 彩香(さやか)の身体も、俺は考えるぞ!! でも、俺、まだまだ元気だし!? そう、大丈夫!? もっと、平気!? 俺、でも、彩香(さやか)を考えながら? うん、可能だな? それに、そう、うん。 彩香(さやか)とだったら、問題ないな!! いくらでも、大丈夫だな!! うん、俺、もっと、頑張る!! いや、違うな、頑張れちゃう!? そうだな、うん、俺、いくらでも可能な!! 全部、任せろ!! 俺、もう、全力で、頑張れる!?」 私は『意味』に気付く。 全力!? 今まで以上!? 結局、主寝室のベッドで本当にだった。 晋作(しんさく)の全力は、もう… ************************** ただ、翌日に晋作(しんさく)が先に気付いた事だった。 私も驚いた。 晋作(しんさく)も若干、それには驚きもあった様子だが。 私はそれを見て、嬉しくなった。 だからまた少し笑って、晋作(しんさく)に『提案』した。 それにはまた晋作(しんさく)も嬉しそうに笑って『同意』した。 これは本当に『偶然』が重なったのもあるのだが。 昨日が7月10日だった。 『二人で一緒に初めて決めた事』が出来た。 それは『結婚記念日』は入籍日ではなく… 『7月10日』にしようと、その変更だ。 私は嬉しくて笑う。 晋作(しんさく)もまた嬉しそうに笑う。 私は本当に、これからきっと。 幸せになると信じて、そしてずっと変わらない。 あぁ、私はずっと願ってた事が。 そうだなぁ。 晋作(しんさく)を愛したからこそ、願ってたんだ。 それが叶う事は考えてこなかったけれど。 今ならそうだなぁ。 晋作(しんさく)と『一緒』かぁ。 『二人』でずっと同じだと、『二人』で同じ幸せを願って。 『二人』で一緒に愛し合って、幸せになるんだ。 それがきっと、『本当の幸せ』なんだろうなぁ!!
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