俺の『答え』も聞いてくれ。

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俺の『答え』も聞いてくれ。

私はそれでもだった。 ここはそう、知ってる部屋だと。 デラックスルームだと。 二人になってからだった。 ようやく晋作(しんさく)が私を離した。 それでも私は慌ててすぐに言う。 「晋作(しんさく)… どうして。 さっき、居たんだ? 私が居た場所は… いくら新宿でも、職場からは、離れてる筈なのに…」 そう言った時だった。 晋作(しんさく)がまた私の方を見てから、冷静な口調に答えた。 「あの合同企画の発案、俺の『提携会社』のだ。 その『リスト』ぐらい、俺でも『確認』する。 最初、確かに名前もなかったが… まさか彩香(さやか)が、『あんな会社』でか? 更にプレゼン担当者でもない。 もう、明らかに彩香(さやか)の行動なんて、すぐに俺には判ったぞ。」 私はそれで、またすぐ気付いた。 「まさか、あの合同の… 運営企業側の系列が。 でも、私の名前は…」 晋作(しんさく)は軽く首を横に振って言った。 「確かにな。 最初のリストにはなかった。 それでも、急に人員の変更連絡が『会社』に入ってたからな。 それを聞いてだ、しかも『雑務』だと? 彩香(さやか)… あの企画だったら、彩香(さやか)なら『簡単』だっただろ? それを『避けてるだけ』だと。 判ったから、俺はそれが終わる時間に行っただけだ。」 私は何も言えなかった。 まさか、電話連絡のみで。 しかも『運営側』の関連企業だったから。 だから名前が!? 「彩香(さやか)と俺は、もう学生時代からだが… それでも何年… 俺とずっと付き合ってたと思う? 『判る』に決まってるだろ。 俺は『あの時』、どうにか一旦、別れる事にもだ。 俺自身だって考えて、納得をさせたからだぞ? けど、俺にあったのは… 彩香(さやか)に、また出す『答え』があった。 それをと思ってた事だ。 でも彩香(さやか)は、連絡先も職場も。 更に住所まで、すぐに変えていたから。 俺からは彩香(さやか)がどこに居るかも、判らなかった… それでも、彩香(さやか)が出した『答え』の予測は出来た。 だから『最初』は、それを確かに受け入れるつもりだった。 でも…」 私はそれを遮るように言った。 「待って!! もうかなり経つんだよ? 晋作(しんさく)なら、もう既に『相手』が居る筈だろう!? 私以外にと、そう思って… それだけは『願っていた』し。 それが一番… 『晋作(しんさく)の為』になる!! 私では、『晋作(しんさく)を幸せ』になど…」 私はまた思い出す。 だから首だけを横に振った。 それでも声は聞こえた。 「彩香(さやか)… 俺には、結婚もだが、今は相手も。 誰も居ないからな?」 私はそれにまた驚いた。 だって… そんな、話が違う!! それに晋作(しんさく)の将来だって… 私は聞いて、知ってるのに… 晋作(しんさく)を見ると、僅かに視線のみを外して小さな溜息をした。 でもすぐに私を見てからだった。 「確かに… あの時に俺も考えて、彩香(さやか)の『理由』が判った時だ。 他の女とも、思ってだ。 気を悪くしないで欲しいが… 付き合う程度もしたし、身体もだが… でも、その度に思うだけだった。 『違う』とな。 彩香(さやか)を、思い出すだけだった。 だから結局、俺は途中からもう諦めて… ずっと『独身』でも良いかと思った程だ。 でも『彩香(さやか)の方』を考えた時に、気付いた事だ。 あの『彩香(さやか)』がだ… 俺以外と一緒に『幸せそうに笑う事』を考えた時。 それはないって事にな。 すぐに『判った』からだ。 だから俺はもう、ずっと『独身』で良いと。」 私は困惑する。 「ずっと… でも、その『選択』はないだろう!? それに晋作(しんさく)は、望んでたじゃないか。 『子供や家庭』がと… だったら、私には… 私が、それを『出来ない』からこそ。 だから『他の人との幸せ』すらも…」 「違う!!」 私の言葉を晋作(しんさく)が遮るように、大きく言った。 そして私を見て、またそのままで言った。 「判ってる、だから。 彩香(さやか)が『俺の為に』と消えたんだろう?」 私は何も言えなくなった。 そう、私の『身体』は… 私が『無理』をし過ぎたせいもある。 それを『無視』した事もだ。 だから、もう私には… 晋作(しんさく)の方がスッと動いて、私の顔に手を触れてくる。 私はまた困惑する。 どうして… そんな悲しい顔をする!? 私では無理だと… 晋作(しんさく)だって、知ってる筈だろう!? それなのに、どうして… 「なぁ、彩香(さやか)に聞きたい。 あれから、俺以外と付き合ったとしてでも良い。 それで彩香(さやか)は、どう思った?」 私は晋作(しんさく)を見る。 また何も言えなかった。 そう、私も『同じ』だった。 確かに一人と… でもすぐに『違う』と。 それからずっと、私は『恋愛』だの、『結婚』だのは全て避けた。 「あの『彩香(さやか)』が… 俺以外なんて『無理』だと。 思わなかったか? そして『彩香(さやか)なら』だ。 きっと『俺の為に』と、避けたのもだからな? だったらもう答えもだ。 『恋愛や結婚』を全て避けて… 『独身』を選んだんじゃないのか?」 私は何も言えない。 どうにか、それでも目を閉じて大きく言った。 「だとしても… 晋作(しんさく)には、関係ない!! 私が、それを『選んだ』んだから!! それで良いんだ!! それに『晋作(しんさく)が幸せ』になる方が良いに決まってる!! 私はそれで充分なんだ!! それ以外、何も求めてない!!」 「だったら、それも『俺と同じ』だ。 俺も『彩香(さやか)の幸せ』を選ぶだけだ。」 私は驚いて目を開ける、 晋作(しんさく)は笑ってた。 それを見て、私は昔をまた思い出す。 でも、それは… またどうにか首を横に振った。 「どうして… 私は、別にもう構わないと、言ってるだろう? 晋作(しんさく)が、望む事は叶えられないんだ!! 知ってるだろう!? どうして、そんな『選択』をするんだ!! それだと『幸せ』になんて、『晋作(しんさく)』がなれない!!」 「それも俺には、全部、もう判ってる。 俺が出した『答え』だ。 その考えてる間に、いきなり消えるなよ… 俺がどれだけ、『探した』と思ってるんだ? どうしても見つけられないと。 だから『他の女』ともしたが… 俺がその時に、どれだけ痛感か。 もう俺が『決めた事』だ。 彩香(さやか)が勝手に『俺の幸せ』を決めるなよ?」 私はまた困惑する。 勝手に決めるも何も… 何度も私は、聞いたのに… 晋作(しんさく)が私の目を見て、ハッキリと言った。 「俺の『幸せの答え』だ。 俺は誰でもない、『彩香(さやか)と居られるなら』充分だ。 それだけで良い。」 私はそれに、どう答えれば良いのか。 判らなかった… だから、もうまた何も言えずに下を向いた。 私は考える。 それは… でも、私以外なら… 晋作(しんさく)なら、他の女の人は、いくらでも… ************************** 晋作(しんさく)の方が先にだった。 私の顎に指をかけて、顔を上げさせるとキスをしてきた。 「っん。っ!?」 そのまま、スッとベッドに軽く押し倒され、何度もキスを… 更にと、激しく、舌までもが絡め取られる。 「っん!? っんん。」 呼吸が苦しくなる前にと、晋作(しんさく)の方がまた先にだった。 「ずっと、ようやくだ… また『彩香(さやか)』を見つけたんだ。 俺だけがまた、彩香(さやか)をだ。」 「まっ、ぁ。んんっ。」 また何度もキスを… 優しくも、けど、時々激しくも、何度もキスをしてくる。 舌も絡めながら、それでもだった。 「っ、んぁ。んっ。ふぁ。」 晋作(しんさく)の方が、全て判ってるようにと先に動く。 私は息を荒くもしながらも、どうにか言った。 「だ、駄目だ… 私は、晋作(しんさく)なら、他にも…」 「あぁ、そうかもしれないな。 でも…」 晋作(しんさく)の方がやめようとしない。 またキスを… そして私を押し倒したままで、手を動かし出す。 私はすぐに気付いた。 「っ、んんっ!? あっ、まっ、んぁ、んんっ!!」 晋作(しんさく)の方がまたキスをしながらも私の言葉すらも。 唇を奪いながらも、身体に触れてくるのが判る。 徐々に服も脱がしていくのも… 唇が離れる。 私は、どうにか息をしながらも、思う。 駄目だ、これは… 晋作(しんさく)の為にはならない!! 私では、駄目なんだ!! それでも、晋作(しんさく)の方は器用に、簡単に私の服を脱がせながらも。 身体にも的確に刺激してくる。 「んぁあ!だ、だめだと。 まだ… 晋作(しんさく)なら、いくらでも… んぁ、んんっ!? んっ、ぅ、っあっ、ふぁ…」 何度も、否定しようとする度にキスをしてくる。 言葉も奪われる。 何も言えない… 舌も絡め、それでも晋作(しんさく)は… 「あっうぁ、ふぁっ。あっ。」 唇を都度、離して、それでも私はどうにか息をする。 晋作(しんさく)を見ると、少し嬉しそうな笑みすらも浮かべて… 手を動かしながも、私の服を脱がしながらも言ってきた。 「あぁ、そうだ… 俺はもう、彩香(さやか)の身体なら… 全て、知ってる… それにもうな、俺が決めたんだ。 俺はもう、『子供』なんて要らない。 俺はもう、『彩香(さやか)だけ』を選ぶ。 それに彩香(さやか)も…」 晋作(しんさく)の方が、舌で首筋を舐めながらも、手を。 指をと、私の身体の弱い場所ばかりを責めてくるのも判った。 「ぁ、ふぁ、ん、あぁ… そこはっ、ぁっ、あぁっふぁ!?」 「なぁ、だから、もうずっとだ。 俺とまた付き合ってくれ。 結婚が嫌なら、俺も結婚はしない。 それに俺は、もう彩香(さやか)以外。 どんな女でも、駄目だって判ってるんだ…」 私はどうにかそれでも首を横に振る。 それは、でも… どうにか否定をしようとしてもだった。 晋作(しんさく)が動けば、私の『身体が反応』してしまう。 「んぁっ。 ふぁあ。んぁ!!」 舌が這い、思わず私はまたビクリとする。 晋作(しんさく)の方がまた、嬉しそうに手も徐々にと動く。 舌を使って、乳首すらも転がすように、私を責めてくる。 「っふぁ。うっ… あっ、ふぁ。んんっ。」 「そうだな、彩香(さやか)なら… 俺の為か、だったら、もう『俺の為』になら。 もう俺から離れるな。 居なくなるなんて、俺はもう、それは駄目だ… どんな女でもない、俺には『彩香(さやか)だけ』だ…」 晋作(しんさく)の方がまた、指を巧みに使って、私の身体を。 確かめるようにと、秘部の方へと動き、触れる。 そして更にまたキスをしてくる。 「ぁっ、うぁんっ。ふぁっ。」 私はすぐに反応してる事に、自分自身でも判ってしまう。 それでも、私の頭の中を過ぎる考えはあった。 駄目だ、晋作(しんさく)は… 私以外でも… 叶える事が… 晋作(しんさく)の声すらも優しかった。 「良いんだ。 彩香(さやか)なら… 俺が『決めた』んだ…」 私の中に晋作(しんさく)は、指を入れてくる。 思わず、また声すらも出てしまう。 「ぁあっ!! ぁんっ。っあぅ。」 更に中にと掻き混ぜるように、指を動かしながらもだった。 もう片手で、私の身体すらも触れて、またキスすらもだった。 私は何も考えられなくなりそうになる。 「っんぁあ、っ。あっ。 やぁ、んぁっ!?」 「もう、彩香(さやか)と離れてしまってから。 そろそろ10年にもなる… 俺以外とも、付き合っただろ?」 私はそれに思い出し、どうにか、もう目を閉じた。 晋作(しんさく)を見れない、私はでも… 「別にそれでも、俺は何も言えない… けれど一つだけ、聞かせてくれるか?」 私はそれで少し、目を開ける。 どうにか、刺激で、息すらもだったけれど… 私は、晋作(しんさく)の方を見る。 私の目を見て、晋作(しんさく)は聞いてきた。 「俺以外に… 心も、身体も、満足出来るような男が、居たのか?」 私はまた、それで思い出す。 何も言えない。 けれど、どうにか首だけは横に振った。 晋作(しんさく)の方は、また嬉しそうに笑う。 そのまま、また私の中に入れていた指を、更に動かしてくる。 「ぁあっ、やっぁ、んぁ!!」 私はまた反応して声を出してしまう。 「だったら、良い。 それなら、また、俺と『同じ』だろ。 それに… 俺なら、もう彩香(さやか)をだ。 だから、彩香(さやか)も俺を、また『選んで』くれ。」 また目を閉じていた私は、その声だけを聞いた。 それでまた考えてしまう。 選んで? 私が『選べ』と? 私はでもまた気付く。 既に晋作(しんさく)の勃っているのを… 私にと、愛液を擦り付けるように動きながらも、キスをしてくる。 「んぁあっ。んっ。」 私はどうにも晋作(しんさく)を見れない。 目を閉じたまま、その刺激ばかり受ける中で声は聞こえる。 「そう、俺を『選んで』くれ。 そうして、俺と暮らすと… 前のように、俺と一緒に、彩香(さやか)が選んでくれ。 俺はもう、彩香(さやか)を選んでる。」 私に勃っているのを。 擦り付けるように動きながらも、そんな事を聞くのか… でも、入れてこない『理由』は… 私は晋作(しんさく)の方を少し見る。 晋作(しんさく)も私を見てる事も気付く。 私はどうすれば… でも… 「それは… 晋作(しんさく)が、『望む事』なのか…? 私なんかを、晋作(しんさく)が選ぶのは…」 「俺はさっきも言った。 俺はもう、彩香(さやか)を選んでると。 だから…」 どうして… そんなに優しいんだ… 私以外でも、いくらでも。 それなのに、私を『選ぶ』と言うのは… 私はどうにも出来ない気持ちが沸き上がる。 「晋作(しんさく)が、望むなら… 私も… 晋作(しんさく)なら… 『選ぶ』…」 そう私が言った時にだった。 何度もまたキスを… 更にと、激しく、舌までも絡め取られた。 そして、さっきまで擦りつけていた勃っているのを、そのまま。 中にと入ってくるのが判って、すぐだった。 「ぁあっ!! うぁんっ。ふぁあぁ!」 中へと、深く出し入れし、更にまたキスもだった。 舌も絡め取られながら、動かしてくる。 「あっんぁ! はぁっ、んあぁ!!」 私はもう、それに抗えなかった。 ただ、もう、晋作(しんさく)が与えてくる『刺激』を。 『快楽』すらも、どうにか受けながら、声を聞くぐらいしか出来ない。 「彩香(さやか)… 俺がずっとだ。 ずっと彩香(さやか)を求めてた。 そう、彩香(さやか)以外、もう俺は…」 更に奥までと、激しく入れられて、もう私の身体は『全て』勝手に反応する。 その『快楽』にも、どうにか逃れたくすらもなる。 けれど、晋作(しんさく)が全て判ってるように動く。 「っんぁあん!! やぁ、もう… もう… ぁあっ!! ふぁっ。んんっ!!」 また何度もキスもされる。 舌も絡め取られる。 こんな、こんなのは… もう… 私はもうビクリと常にその度に反応してしまう。 「彩香(さやか)… 愛してる… もう、俺は『彩香(さやか)を』離さない。」 私をまた晋作(しんさく)が抱き締めるようにと、更に動かしてくる。 「んぁっあっ! 奥にっ! あぁあっ! ん、ぁっ!ふぁん!!」 「あぁ、もう俺も、一緒にだ。」 私は晋作(しんさく)が中に出すのと同時にだった。 何も考えられなくなった。 ただ、それでも身体は既にもう… 与えられた刺激で、敏感に反応ばかりしてしまっていた… 私はそのまま意識も薄っすらとしながらも眠った。
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