その『選択』は、本当に良いのか判らない。

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その『選択』は、本当に良いのか判らない。

私が目を覚ましたのは、数時間ぐらい経ったようだった。 ベッドに寝ていたのだが… 私は布団はかけられていたが、裸でもある。 それに気付いて若干、また困惑する。 どうにか整理をしようとするが… 私は、そうだ、昨日!? いや、でも… 「彩香(さやか)、混乱してる様子だけどな。 事実だぞ? それにまだ休んでて良いだろう?」 起きた事に晋作(しんさく)が気付いた様子で言った。 私はそれにも驚いて、また晋作(しんさく)を見た。 どうにか困惑しながらも言った。 「あ、あれ!? 夢か!? 確か…」 けれど、そんな私の反応すらも嬉しい様子でだった。 簡単に私の顎に手をかけて、晋作(しんさく)がまたキスをしてくる。 舌も絡め取りながらもだった。 「んっ、ぁ。」 唇が離れて、晋作(しんさく)は私に笑って言った。 「夢落ちとかでもないからな? 忘れたとは言わせないぞ。 俺はもう、離さないとも言ったからな。」 私はそれで思い出していく。 そうだ。 昨日、プレゼンが終わった後に… 私はどうにか冷静になって考える。 晋作(しんさく)と、そうだ、ホテルに。 そのまま、結局… 私は一気に、また全部を思い出した。 こんな歳なのに、なんて事だ!? 私が完全に… 「あぁ、うん… 思い出したけど… そう、でも…」 そう、あの場では完全にだが。 晋作(しんさく)にと、流されてしまった気がするのもある… 本当に、それは… 「彩香(さやか)、何度でも言うぞ。 俺は彩香(さやか)を愛してるんだ。 もう、俺は彩香(さやか)を離さないぞ?」 まだどうにか考える私にだ。 晋作(しんさく)の軽めなキスを受ける。 私はそれでも信じられない気分にもなる… それを察したように、私にまた晋作(しんさく)が優しく触れてくる。 「やっぱり、彩香(さやか)だけだなぁ。 俺はそう、また実感したからでもあるが。 それに… 彩香(さやか)もだろう?」 私は意味にもすぐに気付いて、またどうしても慌ててしまう。 上手く言葉が浮かばない。 「そ、それは… ただ、その… いや、私の場合は、違う気が!?」 晋作(しんさく)がまた少し私に触れてからだった。 「俺なら、まだしても良いが… それでもか? 俺はもう、彩香(さやか)の身体なら、充分知ってるからな。 それに彩香(さやか)も、『俺しか』満足出来ないのも。 聞いたし、判った。 だったら、俺は嬉しいだけだし、『同じ』だろう? ようやく見つけた彩香(さやか)なら、いくらでもしたいが…」 私はそれでまたすぐに晋作(しんさく)を見る。 本当に嬉しそうに笑っているのにも判る。 「それに今日はホテルだったが。 確か、彩香(さやか)の会社は休みだろう? だったら、もうそのまま『俺の家』に来るか? まぁ、ホテルでも良いが…」 「いや、待って、晋作(しんさく)!? 私は家に…んんっ!?」 私はまた晋作(しんさく)にキスで唇を、言葉を奪われる。 それでもと、何度もキスをしてくる。 舌も絡めながら、更にだった。 「んっぁ、んっ、ぁっ。 んっん。」 唇が離れて、それで私はまたどうにか息をするのもある。 そしてまた、晋作(しんさく)を見ると『強い目』だった。 怒ってる訳でもない。 これはそう、『決める時』にしかしない『強い目』を見て、言われる。 「もう『離さない』と、言っただろ。 それに俺はまだ、今の彩香(さやか)の住んでる場所は知らない。 消えられるのは、もうさせない。」 私はその『強い目』には… 何も言えなくなってしまう。 だから視線だけを外した。 晋作(しんさく)はそれでも… 私には大きな手で頬に優しく触れながら言ってくる。 「それに… 『昨日だけ』で俺は充分、また『判った』からな。 だったら、尚更だろう。」 「判った?」 私は中に、僅かに残った疑問。 晋作(しんさく)を見る。 また本当に今度は嬉しそうな顔なのが判る。 「あぁ、そうだ。 彩香(さやか)ともう、約10年ぐらいか、ずっと会えなかったが… 『何も変わってない事』もだ。 俺がする動きにも、身体も必ず、全部… 何も変わってなかった。」 私は動揺する。 それでも晋作(しんさく)は嬉しそうにまた触れて言ってくる。 「そう、俺と何年ずっと。 彩香(さやか)と付き合ってたか覚えてるだろう? 約8年だぞ。 ずっと『俺だけ』だ。 そう、彩香(さやか)を愛してきた。 その身体も、全部だ。 それが『何も変わってない』のも… 昨日だけで充分に『判った』からな、俺は嬉しいだけだ。」 私は思い出す。 そう、私と晋作(しんさく)は、学生時代から社会人になるまで。 ずっとだった。 社会人になって、それぞれが別の会社には就職していたが… 「それに彩香(さやか)… 俺も彩香(さやか)には謝る事もある。」 私はまた疑問が浮かぶ。 謝ると? 「俺も社会人として働き出したばかりだったのもあるが。 一緒に居たのに、彩香(さやか)が『無理』をし過ぎてまで、していたのに… 俺が気付くのに遅れた事もある。 俺が『先に止めて』れば、いくらでも変わってた事だ。 だから、彩香(さやか)だけのせいでもない。 すまなかった…」 私は晋作(しんさく)の悲しい目も判る。 だから手で頬に触れて、少し視線だけは外しながらも… 「晋作(しんさく)が悪い事なんて、何もない… 私が… 『無理』は知っていた。 それなのに、それすら『無視』をしてまで… あのプロジェクトをと… どうにかしたかっただけだ。 まだ『新人』だったのに… 私がどうしてもと、しただけなんだ。 だから… 『自業自得』なんだと、すぐに判ったのも。 だから、晋作(しんさく)が謝る事じゃない。」 晋作(しんさく)は首を横に振った。 「それでもだ。 そう彩香(さやか)が思っただろう事も予測は出来た。 だから、あんな行動を、『俺の為』にとしたんだろう。 それも俺には判るからな。 でも彩香(さやか)が俺を思うのも、俺が彩香(さやか)を思うのも、『同じ』だ。 俺は『彩香(さやか)を幸せ』にしたいだけだ。」 私の幸せを… それは… でも、晋作(しんさく)に私は… 叶えてあげられないのに… 私は何も言えずに、晋作(しんさく)すらも見られずに、下を向いた。 「もう俺は彩香(さやか)に、そんな顔すらさせたくない。 なら…」 晋作(しんさく)の方が先にまただった。 私の顎に指をかけて、顔を上げさせるとキスをしてきた。 「っん、ふぁっ!?」 舌だけでもなく、更にと身体にも手を動かしてくる。 「んっ!? んぁっ。んんっ。」 晋作(しんさく)は私の弱い場所ばかりへと動かしてくる。 「っ。んぁっ!? ふぁっ、んんっぁ。あぅ。」 唇が離れ、私に嬉しそうに言ってくる。 「なぁ… まだ、気付いてないのか? 俺が僅かだろうが、彩香(さやか)に触れれば…」 そう言いながら、私は触れてくる。 また身体が… 晋作(しんさく)は私の弱い場所ばかりへと動かしながらも。 また何度もキスをしてくる。 私はまた『反応』さえしてしまい、声が漏れる。 「んぁっ。 ふぁっん、んっぁ!?」 唇が離れて、私はどうにか息もする。 また晋作(しんさく)を見ると、嬉しそうな顔は判る。 「だから、変わってないし、『俺を愛してる』からだろう? すぐに彩香(さやか)の身体は、そう、前と変わらずに『同じ』なんだ。 絶対に『俺にと反応』する。 どんなに『否定』を考えても… 『俺だけを愛してる』のが判るからな。」 「それは…」 私はそう、晋作(しんさく)だけとずっと… 『初めて』もそう。 それからも、ずっと晋作(しんさく)以外とは… 一度だけ、許した程度で… 「なぁ、彩香(さやか)は… 何人としたか、俺には判らないが。 それでも、もう身体すらだ。 俺が与えて、刻み込んだような… 『快楽すら』もだな。 何も変わってないのすら判る。 それにもう誤魔化しても、『心すら許してなかった』のもな?」 私は動揺する。 「だから、なぜ… 確かに、一人ぐらいはと… でも、あれは…」 知らない筈なのに、なぜと私が思うのに… 晋作(しんさく)を見ると、また笑っていた。 「なるほどなぁ。 もう約10年ぐらいだが… 『一人』だけか。 それすらも、同じように『違う』と。 気付いてからは、ずっと誰ともだろう?」 私は驚く。 晋作(しんさく)をまた見るが、笑うよりもこれは… また嬉しい顔だが。 それぐらい、判るが… だが一人だけと… でも、それをなぜ… 察したようにまた晋作(しんさく)はキスをしながらも、私に軽く愛撫までしてくる。 私はまた目を閉じて、首を横に振って、否定をする。 「んっあぁっ。 ふぁっ、晋作(しんさく)、何をっ!? 駄目だと… んぁっあっ!」 「そう、だから『判った』んだ。 昨日、彩香(さやか)として、充分にな。 『他の男の痕跡』さえない反応も。 その『一人』すらも、彩香(さやか)は… 『心すら』動かしてもいない。 でも俺が与えたものには、必ず『反応』してた… どんなに否定しようと『俺だけ』は、受け入れてたからな。」 それは… 確かに、私は心も許した事もないのか? だが、した事には変わらないのに… どうにかまた晋作(しんさく)を見ると、嬉しそうな顔で言われた。 「俺を『言葉』で否定してもだ。 そのたった『一人』とさえだ。 昨日の彩香(さやか)の反応なら… ただ、『確かめる為だけの一人』だとなぁ。 彩香(さやか)はすぐに気付いたから、『他とも』してない。 だから身体は… 俺を受け入れて、また『俺だけ』だって、『判る』ぐらいだからな。 そうでなければ、なぜ否定はしてもだ。 あれだけ『俺には』反応する? 簡単な答えだ。」 「でも… 確かに、昨日はそう。 晋作(しんさく)には…」 でも私にはやっぱり、浮かぶ。 まだ晋作(しんさく)には… 『他の人』を愛せば… いくらでも、前に言った願いも、全てが叶う。 なら、私は… そんな事を考えていた時にまた晋作(しんさく)が先に動いた。 私に何度も。 何度もキスを… 更にと弱い場所ばかりへと刺激をと動かしてくる。 ビクリと私の『身体は反応』してしまう。 「なぁ… もう俺の答えは言った。 まだ、そんな考えなら… また俺が、『何も考えられない』ようにしてやるだけだぞ? もう俺はずっとだ。 ずっと『彩香(さやか)』を探したんだ。 諦めながらも、俺は彩香(さやか)の事だけを考えてた。 それに… もう、また『反応』さえ出してる。」 私は晋作(しんさく)がまた秘所へと。 手を伸ばすのに気付いて、慌てながらも逃れようとするが。 それすらも判るように、先にと簡単に晋作(しんさく)が動く。 触れられて、また動かしてくる。 つい、また『反応』さえしてしまい、声が漏れた。 「んっあっ。 ぅあっ、し、晋作(しんさく)!? まだ、今なら、晋作(しんさく)は… んっっ!?」 私はキスで言葉を奪われるが、晋作(しんさく)は動きを止めない。 私はまた目を閉じて、せめてと首を横に振る。 それでも唇が離れて、言われる。 「彩香(さやか)がどんなに、俺をと考えて、避けようとしてもだ。 もう… これだけ濡れてる。 彩香(さやか)も… 『俺を求めてる』からだろう? 彩香(さやか)がどんなに、気付いてなくても… 俺なら、『判る』だけだ。」 私は首を横に振る。 違う、だから… 「もう『否定』なんて、しなくても良い。 俺だけだ。 俺しか彩香(さやか)は求めてもいない。 そうでなければ、もうこんなに…」 私は中に入れられる。 その指を巧みに動かされ、またビクリと勝手に反応してしまう。 でも声はと、目を閉じたまま、どうにかしようする。 「彩香(さやか)がする行動も、考えも、俺には『簡単』だぞ。 それに… 俺はずっと『我慢』はしてたが、そんな仕草すらするなら… またしても良いな。」 私は『意味』に気付いて、目を開けてから否定をと。 止めさせようとしたが… でもすぐだった。 キスで私の唇を、言葉を奪いながらも。 指を抜いて、晋作(しんさく)はすぐに勃っていたものを… 愛液を絡めながら擦りつけて、続けてくる。 私はどうにか息は出来る。 でも、これはまた昨日と… そう思うが、今回は何も聞かずに。 またキスをされながらも、晋作(しんさく)の勃っているのが私の中に入ってきた。 「っん!! っふっぁっ!?」 そこで唇が離れて、どうにか息をする私に、晋作(しんさく)が言う。 「もう、『否定』をしても意味はない。 昨日、俺を『選んだ』のも。 また彩香(さやか)だ。 なら、もう俺は否定しようと… 『我慢』はしない。」 晋作(しんさく)が私の中でも動かしながら、他すらも刺激ばかりする。 私の身体は、勝手に反応もしてしまう。 「ふぁっ!! あぁっん、ふぁ!! でも、あっ! あっ、んぁぁっ。」 更にと弱い場所ばかりへと刺激までしながらだった。 私は目を閉じたままだったから、晋作(しんさく)の声だけは聞こえてもいた。 「あぁ、ずっと。 また彩香(さやか)としたかった… もっとだ、『否定』なんか出来ないぐらいに、また俺とだけだ。 俺だけを感じていれば良い。 離さないと、もうまた『選んだ』のも彩香(さやか)なんだ。 俺は『彩香(さやか)だけ』で良い…」 私はまた全てが流される。 どんなに考えても… すぐに晋作(しんさく)の方が先にとばかり動いてくる。 「ふぁっう、んぁぁ!!」 「彩香(さやか)が感じてるのと、また『同じ』だ。 俺はまた、実感するのもだが… 俺は彩香(さやか)だけが、もう…」 私はどうしてもと、首を横に振っても。 変わらない。 晋作(しんさく)の方が先にと、常にだった。 「ふぁっあぁ!! んぁっふぁう。 んんっぁ!!」 私をまた晋作(しんさく)が抱き締めるよう、更に動かしてくる。 「んぁっあっ! ん、ぁっ! ふぁんんっ!! ぁあっ、もう…」 「あぁ、俺も、もうだな…」 晋作(しんさく)が中に出したのに、判ったのもある。 私はそれすら、敏感に感じてしまう。 どうにか意識は残っていて、息も整えてようとしてる時にだった。 晋作(しんさく)が中から抜いて、また軽くキスをしてくる。 私はどうにか、晋作(しんさく)を見る。 その顔はまた笑っていた。 「あぁ… もっとしても、良いがなぁ… でももう、身体がだろう? なら、少し休む方が良い。 俺がずっと側に居るのも、変わらないからな。」 私は確かに、身体に力すら入らない。 息を整えようとだけはする。 それでも、晋作(しんさく)が残したような感覚に… 身体だけは僅かにビクリと動いてしまう。 そんな私に、また晋作(しんさく)が軽くキスをする。 そこでようやくだった。 「晋作(しんさく)… 私を、本当に…」 「そうだ。 その『答え』を、俺は変えない。」 晋作(しんさく)がまた、キスをしてくる。 私に合わせながも、優しくだった。 私は… そう、ずっと『愛してる晋作(しんさく)の為に』と。 してきたのに… そんな『答え』を出すのか? それで本当に、晋作(しんさく)は『幸せ』になるのか… 判らなくなる。 どうして、晋作(しんさく)は… 私はそんな事を考えながらも、また寝てしまった。 ************************** 次に起きた時。 私のすぐ横に晋作(しんさく)も寝ていて、また驚いた。 どうにか、それをまた私はまた考える。 晋作(しんさく)の『答え』もだった。 『彩香(さやか)の幸せ』と。 『彩香(さやか)と居られるなら』と。 更に『子供なんて要らない』と。 私はまた随分前を思い出す。 そう、晋作(しんさく)は容姿もだ。 頭も良く、性格も誰にでも優しいのもあって… 皆が憧れるぐらいなのに… 私の最初の『初恋』でもあったが。 随分とそれでも遅い私でもあったけど、それでも私からじゃなかった… ただ、晋作(しんさく)を見てれば判った事だった。 そう、周りの皆が楽しそうで… けど、いきなり話しかけられた時は。 私が驚いたぐらいだった… でもそれからだ。 一緒の高校から、ずっと、私とだったけど… 晋作(しんさく)がそう。 私と笑って、話していた事をまた思い出す。 『いつか一緒の子供や家庭を』と。 あんなに、望んでいたじゃないか!? あんなにそれを、笑って、願ってたのに… 私にはもう… 『子供は無理』なんだ。 また浮かぶ。 私自身の『失敗』は、大き過ぎる!! 私以外なら『晋作(しんさく)の望み』は簡単だろう!? そう、『私以外』なら… 思い出した事もあって、私はベッドからゆっくりと起き上がる。 服を… あれ? ない… どうして? 私は簡単な毛布だけで包みながらも。 自分の服を探すが、見つからないのが不思議だった。 その時も急に声が聞こえた。 「服なら全部… もうクリーニングに出したぞ?」 私は驚き、振り向いて晋作(しんさく)を見た。 若干、眠そうだが晋作(しんさく)も私の方を見ていた。 私は動揺する。 まさか、先に…!? 察したのか、晋作(しんさく)は少し溜息をした。 「やっぱりか… 言っただろう? 彩香(さやか)がする行動も、考えも。 俺には簡単だってな。 また『俺の為』にだろう? だから、今回は『俺が先に』してた。 服を全部、先にホテルの方にと、俺から『直接』にだ。 クリーニングにと、出しておいただけだがな。 一応、部屋着ぐらいは備え付けもあるし。 でも彩香(さやか)なら… また『避けよう』とすると、予測してしまえば簡単だ。 それならもう、『部屋から出れない』だろう?」 私は慌てながらも、どうにか言葉を探す。 「晋作(しんさく)が… また、でもそれは…」 晋作(しんさく)は私の目を見た。 それにまた私も気付く。 この『強い目』は… 「彩香(さやか)… 俺が『決めた』んだと。 これもまた、言っただろう? もう『彩香(さやか)』をだと。 俺がまた、彩香(さやか)を見つけたんだ。 もう俺の為になら、もう俺から離れるなともな。」 私はどうにか首を横に振るぐらいしかできない。 だから、もう目を閉じた。 晋作(しんさく)を見れない。 その『選択』は… 私よりも、晋作(しんさく)が… 私が考えて『動く前』にと。 先に晋作(しんさく)がしたのは判るけれど。 それは、私の幸せを? でも、晋作(しんさく)の幸せは? どちらもそれでは… そんな時にも、また先に晋作(しんさく)が動いていた。 私の顎に指をかけて、顔を上げさせると、軽くだがキスをしてきた。 私は目を開けて、見る。 晋作(しんさく)の方は笑っていた。 「どうして、そんな顔を…」 「いや? やっと、またかと思うと、嬉しくてな。 だから彩香(さやか)。 そんな顔はしないでくれ。 それも『俺の為』なんだぞ?」 「晋作(しんさく)の為…」 私はそれでも晋作(しんさく)の顔を見る。 そう、この顔は本当にまた喜んでいる顔なのは判る。 私は少し考える。 確かに『今』は… そんな顔を、晋作(しんさく)がするなら… 私は少し、冷静に考えて晋作(しんさく)の頬に触れた。 私は無意識にも笑う。 「判ったよ。 今は… 晋作(しんさく)がまた、笑っているのが。 嬉しいのはあるから。」 少し晋作(しんさく)の方が驚いた気もするが。 またすぐに嬉しそうに笑って言った。 「あぁ、彩香(さやか)が居るのが。 俺は嬉しくてなぁ。 まぁ、まだ朝も早いから… 休む方が良いんじゃないか?」 私は少し考えたが、この姿のままだと… 「私の方は、目が覚めたから。 バスルームの方に、先に行ってくるよ。」 私は身体もだと考えて、移動しようと動くが。 またすぐ止められた。 「あっ!? 待ってくれ、彩香(さやか)。 なら、俺も行く!! 一緒に入ろう。」 私はそれで止まって、また晋作(しんさく)の方を見る。 それでまた思い出す。 そう言えば… お風呂の時は、いつも晋作(しんさく)が必ずだったなぁ? あの時は一応、納得はしたけれど… でも、今、その『理由』は… 私は疑問になって、また聞いた。 「ねぇ、前にも『理由』は聞いてたし。 一応は納得していたけど… 少し、変じゃない? なんで、いつも一緒のお風呂に拘るの?」 そう、前の理由は… 確か『時間』だ。 大学時代は同じ大学でもだ。 それぞれ、また一人暮らしの部屋はあった。 でもお互い、泊まる部屋は常に一緒だったのもあるけれど。 だからどうせ、お互いが入るのは変わらないと。 交互にわざわざ、お風呂に『時間』を使うのは、ただの『時間の無駄使い』だとも。 確かに言っていたが… 今も? それ程? 最初から私は恥ずかしいのもあって、明らかな『視線』に気付く時は… つい、シャワーで顔にと。 直接攻撃をして、邪魔した事も多かったのも思い出す。 不思議にも、晋作(しんさく)の方を見ていると、これは… 少し考えてるのか? だけど… どうしてだ? 「あぁ… 今日は『時間』には、余裕があるが… せっかくまた、彩香(さやか)と会えたからだな? 今日ぐらいはまた、良いだろう?」 若干、私はまた疑問だが。 まぁ… 確かにそうか? でも、私の方がいつも時間はかかるのだけど。 お風呂の時の晋作(しんさく)の顔は、まだ私には判らないんだけど。 そんなにだろうか? 「まぁ、私は一応。 一緒でも良いけれど…」 「そうか。 なら、決まりだな!! 今から行こう。」 私は少し、まただった。 その晋作(しんさく)の顔を見て思い出す。 「でもやっぱり、恥ずかしいのは変わらないからね? また『視線』に気付いたら、シャワー攻撃だから!?」 晋作(しんさく)の方を見ると、どうも楽しそうな顔すらしてる。 「あぁ、そうだったなぁ!! 判った、気を付けるさ。 だから良いだろ? 一緒にぐらいな?」 まぁ、私はずっと一人だったのもあるが… どうにも疑問でもある。 でも今は、仕方ないからのもあるのか? そんなに気にする事なんだろうか? そうして二人でバスルームへ行ったのだが… 私は気付く、明らかに見てる『視線』にだった。 つい、また私はシャワー攻撃をした。
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