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僅かで気付いた『理由』、それは『駄目』だ。
私は晋作の家に住む事に決めた件。
それはまぁ、もう、『晋作の為』だと思えば?
別に気にしないのだけど…
そもそも、これは『相談する事』なんだろうか?
一人暮らしも約10年も経つと…
急な変化にはなるので考える。
どうにも考えるが、晋作にも『仕事』があるだろうし…
私なんかより、忙しいだろうぐらいは判る。
これはどうするのが『一番』なのか?
私は悩みながらも考える。
それはそう、私の『今の仕事』の事だ。
かと言って…
すぐに辞めるとも言えないのが『普通』だろう。
少なくても、1ヶ月前には…
しっかり『報告』もしないと、いけないしなぁ…
それに辞めたとしても…
流石に私でも、『無職』には抵抗もある。
でも明日からは仕事があるんだけど。
どうするかなぁ?
そんな事を一応だが、考えてもいた。
交通手段も変わる。
私は事前に調べて、それでも『晋作』を起こすのも悪いかとも考えた。
だからiPhoneの設定をと、アラーム時間の変更してセットはしてた。
**************************
翌日。
普段よりも若干、眠気が残っていたけれど。
どうにか起きた私は、隣に寝ている晋作にまた動揺した。
あぁ、そうだった。
また一緒に暮らすんだった。
すぐに思い出す。
久々に見た晋作の寝顔。
嬉しいような、でも少し複雑でもある…
結局、夜は晋作に翻弄された結果だ。
私は若干、溜息を出して、思う事だった。
もっと、私も考えないとなぁ…
それに昨日、晋作にだ。
言われた事も気にはなる。
どうにか思い出すのだが…
私が『気付かない事』って、何だろう?
晋作を見る。
結構、熟睡している様子でもある。
『今』を知らないが…
普段から疲れてるのかも知れない。
また若干、起こすのも迷う。
そう思いながらも、慣れないこの広い家だ。
どうにか準備を簡単には済ませる。
部屋でまだ寝てる晋作を見る。
私は昨日、言われた事も思い出す。
『消えないでくれ』と。
言ったあの時の…
初めて見た晋作の顔が浮かんだ。
これも、私のせいなんだろうか。
あんな顔だって、もし、ずっとさせてたのなら…
私はベッドサイドにメモを残す。
私の電話番号と仕事に行く事。
仕事の時間、9:00~12:00、13:00~17:00。
でも晋作の『あの言葉』も気になった。
だから追加での伝言も書く。
『仕事が終わったら帰って来るから、何かあったら連絡を。』
その紙を残して、私は仕事の為にと。
晋作と会ってから…
そんなに経ってないけど、『一人』で会社へと出勤した。
いつもと違う通勤経路。
今日は地下鉄を使ってだった。
初めてのルートだから、時間には余裕を保たせてもいた。
無事に会社が見えた時。
私は会社に入る前にと、すぐに気持ちを切り替える。
普段からしている事でもある。
だから、それは簡単だった。
いつものように会社に入って、笑顔で挨拶をする。
「おはようございます!」
既に居た職場の人も挨拶をしてくる。
そんな中、いつものように簡単な事務仕事だ。
大抵は皆もそうだが、午前中は極力、仕事を早めにと進める。
私の方も順調だった。
うん、この調子なら、今日の仕事は午前中には終わるなぁ。
そう思いながらも、作業を終わらせる。
11時頃で、そろそろ休憩時間にもなる。
これなら、午後は大してやる事もないなぁ。
そんな時だった。
上司の金井さんが慌てて走って来るのに気付いた。
「た、 立木さん!?
ちょっと!?
ちょっと、来てくれ!!」
その慌て方がいつも以上で、他の皆も騒めいた。
私もそれには確かに驚くのもある。
「金井さん?
どうかしたんですか?
いつもと…」
そんな金井さんに声をかけた時だった。
本当に慌ててる様子でだ。
「た、立木さん!?
す、すまないが、今から『会議室』に来てくれ!!」
え?
会議室?
急に?
「あの私…
何かミスでも?」
金井さんはもう完全に慌てている状態で首を横に大きく振った。
「いや、全然違う!!
それより寧ろ、これはもう、逆!?
俺はこんなの、初めてだし、決められないし!?
それにこれはもう…
社長もか!?
こんな事、ないか!?
と、とにかく、すぐに来てくれ。」
うん?
決められない?
しかも、社長も?
「えっと、金井さん。
落ち着いてください。
会議室に、行けば良いんですか?」
「そう、多分、もう早い方が良いから!!
それにこれは、立木さんに『指名』だから。
俺達だけでも、もう何も決められないか!?」
指名?
私に?
どうも、金井さんの話しでは良く判らないが…
けれど、とにかく『至急』だろう。
「判りました。
それなら、すぐに行きます。」
そして皆の方にもだった。
ようやく気付いた様子で、金井さんが大きく言った。
「皆にも騒がせて、すまない!!
別に問題が起きた訳じゃ…
あれ、いや、問題か?
いや、ちょっと、まだ俺も判らないから!?
取り敢えず、通常業務に戻ってくれ!!」
皆の方もそれで、取り敢えずと仕事に戻ろうとした。
私は金井さんに連れられて、会議室にと急いだ。
**************************
会議室のドアの前でだった。
そのドアに向かって金井さんが大きく言った。
「失礼します。
立木さんをお連れしました!!
入ります!!」
そしてドアを開けて入っていく様子をだ。
私は見ていたが、何が起きたのかサッパリだった。
「失礼します。」
私も取り敢えず、言ってから中に入ったが…
本当に驚いた。
え!?
どうして…
「お待たせしました!!
後、社長もですが…」
どうにか金井さんも言ってるが…
そう、そこには合同企画での…
『企画案件』の会社関係者だ。
その一人にも、確かに驚くが…
それよりもどうして、晋作まで!?
私は晋作を見て驚いた事が一番だった。
でも晋作は一切、何も言わず、ただ私を見るだけだ。
その顔は…
私が少し考えようともする。
けどそんな時にだった。
社長の方から、私に声がかかった。
私はすぐに社長の方を見た。
「立木さん。
急な呼び出しで済まない。
この前に『合同企画の会議』に、立木さんも出ただろう?
その時に『雑務』としてだったみたいだが…
その会議中の時だろうが、状況での対応が良いと。
それで『立木さん』にヘッドハンティングの『条件として』でな。
今回の『合同企画案の件』は、一部をと『提案』されたんだが…
でも当社からは、立木さんは一般事務員だからと。
その際に、先方側が『立木さんを連れてくれば判る』とも言われたからなんだ。
だから金井に呼ばせたのもあるんだが…」
私はそれで大体の状況は理解した。
でもこれは…
晋作では?
私は取り敢えず、企画案の出してる会社側の来ていた『一人』を見た。
そうすると、すぐにそれにも気付いた様子だった。
その人もすぐに『晋作』へ。
明らかに『視線』を送ったのも、私は見た。
やっぱり晋作が?
だったら『この場』には…
社長と金井さんが居ない方が良いだろう。
私は少し考える。
『予測して先にと』思ってから、私は『笑って』答える。
「判りました。
それなら他の席で、その件でも。
詳しく話を聞いても大丈夫ですか?」
「今日の午前はもう良いから。
先にもう先方との話をした方が良いんじゃないか?」
金井さんが困惑する顔で言った。
私はそれを見て、やっぱりかと。
内心思うが、すぐにまた『切り替えて』笑う。
「そうですね。
そろそろ昼休みもありますし?
何かあれば、また連絡もしますね。」
社長の方も私にと言ってくる。
「そうしてくれると助かる。
今日の業務は他の者へとして大丈夫だから、先方を優先して貰いたい。
当社としては、『今回の企画』は嬉しい事だが…
これはもう、立木さんの事にもなる。」
私は社長にも笑う。
これなら、昼休みも含めて『2時間』ある。
それで『内容』は聞けるし。
晋作とも『詳しく』話せるだろう。
内心思う。
『予測通り』に動いてると。
だから、その場でまた『笑って』答える。
「はい、判りました。
だったら、またご連絡をしますね。」
その時だった。
晋作が急にだ。
先方の会社の一人にと言った。
「こちらは何も問題ない。
今回の企画内容の『どれでも』構わない。
もう、こちらにと『異動の決定』を貰いたい。
また何かあれば、『こちらが対応』しよう。」
それには私もだが、全員が驚いた様子だった。
「あ、でも、立木さんは?」
社長だけが、どうにか私を見てくる。
私も動揺はする。
でも、すぐに考えてから『隠して』笑う。
「私は大丈夫ですよ。
特に引き継ぎはありませんから。
こちらも問題ありません。」
私は少し晋作の方を見る。
そうすると晋作は、そのまま目を閉じた。
先方の会社の人もだった。
晋作にと視線だけまた向けたが私は見た。
でもまたすぐだった。
私の方にと言ってくる。
「えっと、だったら…
『詳しい話』をしたいのですが…
企画の件は、また後日にでも。
一度、『立木さんは外へと』来て貰えますか?」
先方の会社の人すらも若干、慌てているが判る。
私も内心、驚いていたのはあったけど。
笑って『その場』を全て上手く『対応』をした。
そして、そのまま三人で『外に出る』と、またすぐにだった。
晋作が先方の『会社の人』へと言った。
「今後、何かあれば『俺に』連絡を貰えれば、『全て対処』する。
『提携の変更』もない。」
先方の会社の人がまた慌てて言った。
「はい、判りました。」
先方の会社の人はすぐに私には視線のみだったが。
姿勢でのみ礼をしてから、その場から去った。
私はまた若干、困惑する。
晋作の方を見る。
けど、晋作は目を閉じていた。
これは、もしかして…
怒ってる?
でも…
そう、普段の晋作は、どんな事でもだ。
大きく怒ったりなんてした事もない。
何か決める時も『冷静に』と。
どちらかと言えば…
客観的にも『判断』をして、それに周りも考えながらもだが。
それから言ってくるのもあるけど…
あんな『口調の晋作』すらも…
私は『初めて』聞いた。
晋作の方が目を開けて、私の方を向いてからだ。
また普段の口調には戻って言ってくる。
「もう彩香が…
わざわざ、『あんな会社』に行く必要なんてない。」
「え、でも…
いきなりだと、あっちも…」
晋作はまた目を閉じて言った。
「俺がするから…
何も問題ない。
それに家に居ても、仕事ぐらいは出来る。」
私も少しまた困惑するが、疑問だけ言った。
「晋作の、仕事?」
晋作が目を開けて、少し私の顔に手を触れてから言ってくる。
「俺の『仕事の方』まで…
彩香が心配しなくても大丈夫なんだ。
それよりも、俺は『彩香』が心配だ。
だから『今日みたいな事』は…
しないでくれるな?」
私はまた少し困惑する。
でもその顔は…
困ってる?
少し違う?
何を…
判らないけど。
私は一応、頷いた。
それに『見ていた』からだ…
疑問も浮かぶ。
さっきの…
先方の会社すらも?
明らかに『晋作の言葉』で動いてた?
何の提携?
私はまた晋作を見る。
その顔はまたいつもと少し違うのは判るけど…
どうして…
その後はまたすぐにタクシーでだった。
私はまた手を握られたまま、晋作の家に戻った。
そのまま2階へと、主寝室へだった。
その間も晋作は何も言わない。
私もまた困惑する。
晋作?
**************************
主寝室に入ってもだった。
晋作の方をまた私は見る。
何も言わない?
でも、何か考えてる様子だけど…
私はまた少し困惑しながらも。
それでも、ソッと晋作の頬に手を伸ばす。
「怒ってる、の?
でも…」
晋作の方はそれでも首を横に振って、私を見てくる。
その顔は…
「俺の方はそんな動かなくても、仕事ぐらいは問題すらない。
だからもう、俺は『彩香が』だな?
これ以上、また『無理』をしていたら…
もう何かあってからだと、遅過ぎると。
だから、怒ってはいない。
でももう、これから何かあったらだ。
先に俺に言えば良い。
『今日の事』もだろう?
『俺の事』と、『仕事に迷惑を』と。
また彩香は考えたのだろう?」
それは…
でも…
「晋作だって。
忙しいのでしょう?
私の『仕事』は…
大した事もしてないのに。」
「それも判ってる。
でも、今日の彩香の『会社での顔』も、『言動』すらもだ。
俺は見ていたからな?
だからもう…
すぐにまた、俺には判った。」
私はまた疑問だけを言った。
「判った?」
「あぁ、でも…
ずっと彩香は、あんな風にしていたのか?
約10年だが、ずっとだったのか?
『他は誤魔化せて』もだ。
俺にはすぐ『判った』ぞ…
最初にあった『違和感』だったが、その『理由』すらもだがな。
もうずっと、それを続けてたんじゃないのか?
これはもう『身体』じゃないだろう。
全てを隠して、これは『心』すらもだろう。
『わざと』してるのも、俺はすぐに判った。
そんな事は『身体』じゃなくて、今度は『心』すらも…
俺はそれだけは、どうにかしてでも『防ぎたい』だけだな。
だからもう、そんな『無理』はしないで欲しいだけだ。」
それに私は動揺する。
私はそう、『無理』はしないと…
ずっと、そう、してきたけど…
私はでも…
それに何も言えなかった。
先に晋作の手が私の頬に触れてくる。
それでまた私は晋作を見た。
その顔は…
「今日の、あんな『僅か』でも充分だ。
そして『理由』も判った。
最初からそう、若干、『違和感』があった…
彩香はもう、ずっと今まで…
本当に『笑ってなかった』のだろう?
だから、俺との時にだけだとな。
だから俺の時には、『自然に笑う』のだろう?
これ以上、彩香が『傷付く』のをだ。
俺はそれだけはもう、防ぎたいだけだ。」
私は驚く。
そう、ずっと私は…
「でも…
そう、しないと…」
私は視線を外した。
けど晋作の方が、私を優しく抱き締めてくる。
そう私は…
何だろう、少し…
変だなぁ…
**************************
晋作の方が先に動いてた。
私は軽くキスをされた。
私はまた晋作の顔を見た。
悲しい顔だと判る。
「どうして…
そんな、悲しい顔を…」
晋作は首を横に振ってから言ってくる。
「また…
それにも、気付いてないのか?
彩香が…
もう『泣いてる』んだぞ?
泣いてる事にも、『気付けない』ぐらいに…
ずっとだったのか?
それすらも『隠して』たのか?
それはもう、俺が見ていられない。
もう俺の側にだと、『離さない』とも言ってる。
だからもう『無理』をするのは、俺が『止める』だけだ。
彩香は俺が守るから。
ずっと俺の側に居れば良い…
『俺の為』にと。
そればかりにと、もう動かないでくれ。」
私が、泣いてる?
あれ?
おかしいな?
泣いてなんて…
私は自分の頬に触れる。
それに驚く。
なんで…
また晋作の方が先に動いてくる。
私はまたキスを…
でもまた何度もしてくる。
「んっ、ぁ。っんっぁ。」
唇が離れて、晋作に言われる。
「もう、俺は決めたと言っただろう。
それにな、もう『完全』にだ。
俺には『判った』のも…
もう彩香は身体じゃない。
今の彩香は『心』もだとな。
俺しか求めてない事も…
もう、こんなに…
それはもう、どんな事をしてでもだ。
俺が彩香を…
これ以上、『無理』なんてさせない。」
「私は…」
言葉よりもすぐに、晋作の方が先に動いてくる。
私はまた言葉をキスで奪われる。
でも優しくも、何度もキスをされる。
舌も絡み取られる。
「ふっ、ぁっ、んっぁ。」
唇がまた離れて、晋作は『初めて』だった。
私に強く、大きく言ってきた。
「もうどんなに『誤魔化そう』と…
彩香は、『俺だけ』だ!!
前も、今でもそうだ。
どんなに否定しようと、もう『これ以上』は…
俺がどんな事をしてでもだ、そんな『無理』を続ける事すらも『止める』だけだ!!
これ以上、彩香が『傷付く事』はさせない!!」
私は驚く。
私が、無理を?
私にと、あの晋作が…
でも…
私が言う前にと。
また晋作にキスで唇を、言葉すらも奪われる。
それでもと、何度もキスをしてくる。
またそれでも舌も絡めながらだった。
「んっぁ、っ、ふっ。あっ。」
唇が離れて、それで私はまたどうにか息をする。
そしてまた、晋作を見る。
『強い目』を見た。
そしてハッキリと言われる。
「もう良いんだ。
ずっともう…
そんな笑うのも、泣くのも、判らないぐらいに。
そんな『無理』を続けるぐらいなら…
もう『俺が止めるだけ』だ!!
彩香がどんなに、『否定しよう』とそれは変わらない!!
俺には彩香が、そして彩香もだ。
彩香は『自分自身すらも』だと、俺はあの僅かだけで完全に判った。
どんなに『誤魔化そう』としてもだ。
ならもう、そんな誤魔化しは止めるんだ!!」
私は…
でも…
どうすれば…
涙が勝手に零れた。
あれ?
なんで…
私はまた晋作からのキスを受ける。
それでもと、何度もキスをしてくる。
「ふっぁ、んんっ、ぁんっ。」
唇が離れて、それで私はまたどうにか息をする。
そしてまた、私は晋作を見る。
『強い目』を見た、そしてまただった。
「もう、俺には『完全に判った』からだ!!
彩香はそう、『俺しか』求めてないんだって事も!!
そして俺もだ、『俺も彩香しか』求めてないんだ!!
だったらもう、俺が『絶対に止める』だけだ!!」
初めて…
あの晋作が?
これは、怒ってるとも…
違うけど…
私は勝手に、涙が零れた…
それに私は気付いた。
どうすれば良いか、判らない。
目を閉じて、どうにかしようとする。
晋作の方がまた先に動いてくる。
また簡単に私の服を脱がせながらもだ。
身体にも触れてくるのにも気付く。
「んぁあ!
晋作!?
んぁ、んんっ!?
っあ、ぅん、っあぁっ。」
何度も、激しくキスをしてくる。
言葉もそう、奪われる。
何も言えない…
舌も絡めて、手も動かしてくる。
「あっうぁ、ふぁっ。あっ。」
唇が離れて、それで私は、どうにか息をする。
私は晋作を見た。
でもそれよりもだった。
晋作が私の涙すらも拭う。
そしてまただった。
「見つけるのが遅くなって、すまなかった…
もう、泣かなくて良い。
もしそれでも泣くなら…
俺がそれすらも『止める』だけだ。」
私は判らない。
でも、もう…
どうしてか涙が零れた…
目を閉じて、どうにかしようと首を横に振った。
そう、私はずっと。
本当には笑ってなかった…
でも、泣いたりはしてなかったのに。
どうして…
「彩香…
そう、彩香はなぁ、いつもなんだ。
いつも『俺や、周りの為に』と、動こうとする。
それでも…
ずっと『泣いてなかった』だろう?」
私はそれに驚く。
どうして…
私は目を開けて、晋作の顔を見る。
その顔はまた、昨日見た。
あの顔を…
それは…
「彩香、もう『誤魔化す』のもだ。
俺が止めさせるだけだぞ?
もう俺から離れるな、そして俺の側に居るんだ。
今はそう、俺の前でしか『笑えない』のなら、尚更だ。
あんな顔を…
俺はもう、させない。」
私はそれでも涙が零れた…
それは…
私にと先に晋作がだった。
涙を拭ってくる。
「もう、良いんだ…
俺が離さない。
そして俺が、絶対に止めるだけだ。
泣くなとも、俺は言わないが。
けど、今はそうだ、俺の事を…
『俺の為』だと思うならだ。
俺を選んだのも『彩香』なんだ。
それすらも『誤魔化す』なら…」
私はまた晋作からキスをしてくる。
言葉を奪われる。
それでも何度もキスをしてくる。
舌も絡めながら、更にと動いてくる。
「んぁっ。
んっ、ぁっ。んっぁ!?」
唇が離れて、私はどうにか息もする。
晋作は手を動かしながも、私の服を脱がしながらだった。
「あぁ…
今はもう、それでも良い。
もう彩香を泣かす事なんて、俺はしない。」
そのまま、ベッドの方へと押し倒された。
そして何度もキスを…
更にと、激しく、舌までもが絡め取られる。
「ぁ。んんっ。
んっ。ふぁっ。」
唇が離れる。
私は、どうにか息もする。
晋作が簡単に私の服を脱がせながらも。
身体にもと、的確に刺激までしてくる。
「ぁ、ふぁ、ん、あぁ!?
んぁ、あぁっふぁっ。」
「そう、もう今は何も考えなくて良い。
もう彩香は、俺だけを感じれば良い…」
晋作の方が、舌も、手も、指も…
私の身体の弱い場所ばかりを責めてくる。
動いても、全てがもう判ってるように…
常に先に晋作が動いてくる。
「んぁっ。
ふぁあ。
ぁっ、あぁっあ、んぁ!?」
私は確かに涙は止まったけど。
また、晋作の動きに反応するのが判る。
その動きにまた翻弄される。
更にまた私の中に指を入れてくる。
声が漏れる。
「ぁあっ!!
んっ。あっあぁ。」
「それで良いんだ…
もう充分、『俺だけを求めてる』のも判るから。」
服すら全てを脱がされて、晋作の勃っているのを…
私にと、愛液を擦り付けるように動きながらも。
また何度もキスをしてくる。
「んぁっあっ!
んぁっ。んんっ。んっ。」
唇が離れる。
私は、どうにか息を。
それでも晋作は動いてくる。
手も、そして指を抜いて、晋作が勃っているのが私の中へと。
入ってくるのもすぐに判る。
「あぁっ、ふぁん!?
っあぁ。
んあっ、ぁあっ!!」
「もう俺は、決めてもいたが…
これ以上、無理はさせない。
そんな事をさせるぐらいなら…
もう何も考えられないようにと。
俺が、動くだけだ。」
私はどうにもならなくなって目を閉じてもいた。
けど、声は聞いていた。
それは…
晋作が私の中でも激しく動かしてくる。
それでもと、更に弱い場所ばかりへ刺激すらも。
私はまた、すぐに反応もしてしまう。
「ふぁっあぁ!!
っんあ、あっんっ!?
んぁっ、あぁっ、っあぁ!!」
「もっとだ、彩香…
俺はもっと、『彩香だけ』を。
彩香も『俺だけ』を。
感じてれば良いだけだ…」
晋作はそれでも激しく動かしながらもだった。
私の中にと、更に動いてくる。
「んぁっ、晋作!?
ふぁっう、んぁぁ。
あっあぁっ、っんぁ。」
そして私に何度もキスも…
もう、身体がどれにでもビクビクと反応すらしてしまう。
「ぁっふぁぅ、んんっ。
あぁっ、んぁ、もう、もう…!!」
「あぁ、俺もだ…」
そう言うと、晋作が私の中に出した。
「んぁあっ、ふぁあぁ!!」
それすら私は敏感に感じてしまう。
どうにか息も整えてようともする。
晋作が中から抜いて、また私を抱き締めてくる。
それでもまた、私にキスをする。
何度も、でも優しいキスだった。
「んっ、ふぁ、んっあっ」
唇が離れて、また息を。
私はどうにか整えようとするぐらいしか出来ない。
そんな私すらもまた、抱き締めたまま晋作は言ってくる。
「もう、大丈夫だ。
俺が『必ず』だ。
だからもう、『無理』はしないと。
そしてそれも、俺がさせない。」
私はどうにか晋作を見る。
それは…
「俺はもう、彩香を離す気もない。
だから、もう無理はしないと。
それと『何かあったら、先に俺に言うんだ。』
もう俺が彩香を…」
私は…
そう、ずっと『晋作の為』にと。
してたけど。
もう…
私は晋作を見るだけだった。
それでも先に晋作が動いて、軽くキスをしてくる。
「判ってる…
だから今は、それだけ覚えてれば良い。
今はもう休んでれば、大丈夫だ。」
私はさっきの…
言葉をすぐに浮かべた。
『何かあったら、先に俺に言うんだ』と。
それは…
でも私はもう何も考えられなかった。
私はそのまま意識も手放すようにと眠った。
**************************
【後書き】
【ここで彩香に関しての補足】
前から少し書いてますが『彩香の言葉遣い』と『表情』に関して。
これが二つあります。
『本来の性格』と『他人に合わせ演じた性格』です。
それが気付いた『違和感』の正体です。
この二つが晋作の前では『全てが混同』してる点でした…
けれど、徐々にですが、彩香が晋作だけと居る事で。
自然にと『本来の状態』にと。
言葉遣いも、表情すらも『戻って』いってる事です。
会話でも、これは『ややこしく』なるかもしれない部分になります。
ですが、『二人』がそもそも似ていて、殆どが『同じ』です。
まぁ、学生時代も含めて、ずっと一緒に居るのですから。
お互いが影響はしてるでしょうが…
だから、彩香が晋作と接してる間では『本来の姿』です。
同様に、そう…
『他人と話す時』など、彩香は『本来』ではない。
違う『言葉遣い』を使うでしょう。
でも『本来の姿』の表情などは変わらないまま。
そして最後ですが、『本来の性格』も変わらないんです。
それを踏まえて、続きを…
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