僅かで気付いた『理由』、それは『駄目』だ。

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僅かで気付いた『理由』、それは『駄目』だ。

私は晋作(しんさく)の家に住む事に決めた件。 それはまぁ、もう、『晋作(しんさく)の為』だと思えば? 別に気にしないのだけど… そもそも、これは『相談する事』なんだろうか? 一人暮らしも約10年も経つと… 急な変化にはなるので考える。 どうにも考えるが、晋作(しんさく)にも『仕事』があるだろうし… 私なんかより、忙しいだろうぐらいは判る。 これはどうするのが『一番』なのか? 私は悩みながらも考える。 それはそう、私の『今の仕事』の事だ。 かと言って… すぐに辞めるとも言えないのが『普通』だろう。 少なくても、1ヶ月前には… しっかり『報告』もしないと、いけないしなぁ… それに辞めたとしても… 流石に私でも、『無職』には抵抗もある。 でも明日からは仕事があるんだけど。 どうするかなぁ? そんな事を一応だが、考えてもいた。 交通手段も変わる。 私は事前に調べて、それでも『晋作(しんさく)』を起こすのも悪いかとも考えた。 だからiPhoneの設定をと、アラーム時間の変更してセットはしてた。 ************************** 翌日。 普段よりも若干、眠気が残っていたけれど。 どうにか起きた私は、隣に寝ている晋作(しんさく)にまた動揺した。 あぁ、そうだった。 また一緒に暮らすんだった。 すぐに思い出す。 久々に見た晋作(しんさく)の寝顔。 嬉しいような、でも少し複雑でもある… 結局、夜は晋作(しんさく)に翻弄された結果だ。 私は若干、溜息を出して、思う事だった。 もっと、私も考えないとなぁ… それに昨日、晋作(しんさく)にだ。 言われた事も気にはなる。 どうにか思い出すのだが… 私が『気付かない事』って、何だろう? 晋作(しんさく)を見る。 結構、熟睡している様子でもある。 『今』を知らないが… 普段から疲れてるのかも知れない。 また若干、起こすのも迷う。 そう思いながらも、慣れないこの広い家だ。 どうにか準備を簡単には済ませる。 部屋でまだ寝てる晋作(しんさく)を見る。 私は昨日、言われた事も思い出す。 『消えないでくれ』と。 言ったあの時の… 初めて見た晋作(しんさく)の顔が浮かんだ。 これも、私のせいなんだろうか。 あんな顔だって、もし、ずっとさせてたのなら… 私はベッドサイドにメモを残す。 私の電話番号と仕事に行く事。 仕事の時間、9:00~12:00、13:00~17:00。 でも晋作(しんさく)の『あの言葉』も気になった。 だから追加での伝言も書く。 『仕事が終わったら帰って来るから、何かあったら連絡を。』 その紙を残して、私は仕事の為にと。 晋作(しんさく)と会ってから… そんなに経ってないけど、『一人』で会社へと出勤した。 いつもと違う通勤経路。 今日は地下鉄を使ってだった。 初めてのルートだから、時間には余裕を保たせてもいた。 無事に会社が見えた時。 私は会社に入る前にと、すぐに気持ちを切り替える。 普段からしている事でもある。 だから、それは簡単だった。 いつものように会社に入って、笑顔で挨拶をする。 「おはようございます!」 既に居た職場の人も挨拶をしてくる。 そんな中、いつものように簡単な事務仕事だ。 大抵は皆もそうだが、午前中は極力、仕事を早めにと進める。 私の方も順調だった。 うん、この調子なら、今日の仕事は午前中には終わるなぁ。 そう思いながらも、作業を終わらせる。 11時頃で、そろそろ休憩時間にもなる。 これなら、午後は大してやる事もないなぁ。 そんな時だった。 上司の金井さんが慌てて走って来るのに気付いた。 「た、 立木(たちき)さん!? ちょっと!? ちょっと、来てくれ!!」 その慌て方がいつも以上で、他の皆も騒めいた。 私もそれには確かに驚くのもある。 「金井さん? どうかしたんですか? いつもと…」 そんな金井さんに声をかけた時だった。 本当に慌ててる様子でだ。 「た、立木さん!? す、すまないが、今から『会議室』に来てくれ!!」 え? 会議室? 急に? 「あの私… 何かミスでも?」 金井さんはもう完全に慌てている状態で首を横に大きく振った。 「いや、全然違う!! それより寧ろ、これはもう、逆!? 俺はこんなの、初めてだし、決められないし!? それにこれはもう… 社長もか!? こんな事、ないか!? と、とにかく、すぐに来てくれ。」 うん? 決められない? しかも、社長も? 「えっと、金井さん。 落ち着いてください。 会議室に、行けば良いんですか?」 「そう、多分、もう早い方が良いから!! それにこれは、立木さんに『指名』だから。 俺達だけでも、もう何も決められないか!?」 指名? 私に? どうも、金井さんの話しでは良く判らないが… けれど、とにかく『至急』だろう。 「判りました。 それなら、すぐに行きます。」 そして皆の方にもだった。 ようやく気付いた様子で、金井さんが大きく言った。 「皆にも騒がせて、すまない!! 別に問題が起きた訳じゃ… あれ、いや、問題か? いや、ちょっと、まだ俺も判らないから!? 取り敢えず、通常業務に戻ってくれ!!」 皆の方もそれで、取り敢えずと仕事に戻ろうとした。 私は金井さんに連れられて、会議室にと急いだ。 ************************** 会議室のドアの前でだった。 そのドアに向かって金井さんが大きく言った。 「失礼します。 立木さんをお連れしました!! 入ります!!」 そしてドアを開けて入っていく様子をだ。 私は見ていたが、何が起きたのかサッパリだった。 「失礼します。」 私も取り敢えず、言ってから中に入ったが… 本当に驚いた。 え!? どうして… 「お待たせしました!! 後、社長もですが…」 どうにか金井さんも言ってるが… そう、そこには合同企画での… 『企画案件』の会社関係者だ。 その一人にも、確かに驚くが… それよりもどうして、晋作(しんさく)まで!? 私は晋作(しんさく)を見て驚いた事が一番だった。 でも晋作(しんさく)は一切、何も言わず、ただ私を見るだけだ。 その顔は… 私が少し考えようともする。 けどそんな時にだった。 社長の方から、私に声がかかった。 私はすぐに社長の方を見た。 「立木さん。 急な呼び出しで済まない。 この前に『合同企画の会議』に、立木さんも出ただろう? その時に『雑務』としてだったみたいだが… その会議中の時だろうが、状況での対応が良いと。 それで『立木さん』にヘッドハンティングの『条件として』でな。 今回の『合同企画案の件』は、一部をと『提案』されたんだが… でも当社からは、立木さんは一般事務員だからと。 その際に、先方側が『立木さんを連れてくれば判る』とも言われたからなんだ。 だから金井に呼ばせたのもあるんだが…」 私はそれで大体の状況は理解した。 でもこれは… 晋作(しんさく)では? 私は取り敢えず、企画案の出してる会社側の来ていた『一人』を見た。 そうすると、すぐにそれにも気付いた様子だった。 その人もすぐに『晋作(しんさく)』へ。 明らかに『視線』を送ったのも、私は見た。 やっぱり晋作(しんさく)が? だったら『この場』には… 社長と金井さんが居ない方が良いだろう。 私は少し考える。 『予測して先にと』思ってから、私は『笑って』答える。 「判りました。 それなら他の席で、その件でも。 詳しく話を聞いても大丈夫ですか?」 「今日の午前はもう良いから。 先にもう先方との話をした方が良いんじゃないか?」 金井さんが困惑する顔で言った。 私はそれを見て、やっぱりかと。 内心思うが、すぐにまた『切り替えて』笑う。 「そうですね。 そろそろ昼休みもありますし? 何かあれば、また連絡もしますね。」 社長の方も私にと言ってくる。 「そうしてくれると助かる。 今日の業務は他の者へとして大丈夫だから、先方を優先して貰いたい。 当社としては、『今回の企画』は嬉しい事だが… これはもう、立木さんの事にもなる。」 私は社長にも笑う。 これなら、昼休みも含めて『2時間』ある。 それで『内容』は聞けるし。 晋作(しんさく)とも『詳しく』話せるだろう。 内心思う。 『予測通り』に動いてると。 だから、その場でまた『笑って』答える。 「はい、判りました。 だったら、またご連絡をしますね。」 その時だった。 晋作(しんさく)が急にだ。 先方の会社の一人にと言った。 「こちらは何も問題ない。 今回の企画内容の『どれでも』構わない。 もう、こちらにと『異動の決定』を貰いたい。 また何かあれば、『こちらが対応』しよう。」 それには私もだが、全員が驚いた様子だった。 「あ、でも、立木さんは?」 社長だけが、どうにか私を見てくる。 私も動揺はする。 でも、すぐに考えてから『隠して』笑う。 「私は大丈夫ですよ。 特に引き継ぎはありませんから。 こちらも問題ありません。」 私は少し晋作(しんさく)の方を見る。 そうすると晋作(しんさく)は、そのまま目を閉じた。 先方の会社の人もだった。 晋作(しんさく)にと視線だけまた向けたが私は見た。 でもまたすぐだった。 私の方にと言ってくる。 「えっと、だったら… 『詳しい話』をしたいのですが… 企画の件は、また後日にでも。 一度、『立木さんは外へと』来て貰えますか?」 先方の会社の人すらも若干、慌てているが判る。 私も内心、驚いていたのはあったけど。 笑って『その場』を全て上手く『対応』をした。 そして、そのまま三人で『外に出る』と、またすぐにだった。 晋作(しんさく)が先方の『会社の人』へと言った。 「今後、何かあれば『俺に』連絡を貰えれば、『全て対処』する。 『提携の変更』もない。」 先方の会社の人がまた慌てて言った。 「はい、判りました。」 先方の会社の人はすぐに私には視線のみだったが。 姿勢でのみ礼をしてから、その場から去った。 私はまた若干、困惑する。 晋作(しんさく)の方を見る。 けど、晋作(しんさく)は目を閉じていた。 これは、もしかして… 怒ってる? でも… そう、普段の晋作(しんさく)は、どんな事でもだ。 大きく怒ったりなんてした事もない。 何か決める時も『冷静に』と。 どちらかと言えば… 客観的にも『判断』をして、それに周りも考えながらもだが。 それから言ってくるのもあるけど… あんな『口調の晋作(しんさく)』すらも… 私は『初めて』聞いた。 晋作(しんさく)の方が目を開けて、私の方を向いてからだ。 また普段の口調には戻って言ってくる。 「もう彩香(さやか)が… わざわざ、『あんな会社』に行く必要なんてない。」 「え、でも… いきなりだと、あっちも…」 晋作(しんさく)はまた目を閉じて言った。 「俺がするから… 何も問題ない。 それに家に居ても、仕事ぐらいは出来る。」 私も少しまた困惑するが、疑問だけ言った。 「晋作(しんさく)の、仕事?」 晋作(しんさく)が目を開けて、少し私の顔に手を触れてから言ってくる。 「俺の『仕事の方』まで… 彩香(さやか)が心配しなくても大丈夫なんだ。 それよりも、俺は『彩香(さやか)』が心配だ。 だから『今日みたいな事』は… しないでくれるな?」 私はまた少し困惑する。 でもその顔は… 困ってる? 少し違う? 何を… 判らないけど。 私は一応、頷いた。 それに『見ていた』からだ… 疑問も浮かぶ。 さっきの… 先方の会社すらも? 明らかに『晋作(しんさく)の言葉』で動いてた? 何の提携? 私はまた晋作(しんさく)を見る。 その顔はまたいつもと少し違うのは判るけど… どうして… その後はまたすぐにタクシーでだった。 私はまた手を握られたまま、晋作(しんさく)の家に戻った。 そのまま2階へと、主寝室へだった。 その間も晋作(しんさく)は何も言わない。 私もまた困惑する。 晋作(しんさく)? ************************** 主寝室に入ってもだった。 晋作(しんさく)の方をまた私は見る。 何も言わない? でも、何か考えてる様子だけど… 私はまた少し困惑しながらも。 それでも、ソッと晋作(しんさく)の頬に手を伸ばす。 「怒ってる、の? でも…」 晋作(しんさく)の方はそれでも首を横に振って、私を見てくる。 その顔は… 「俺の方はそんな動かなくても、仕事ぐらいは問題すらない。 だからもう、俺は『彩香(さやか)が』だな? これ以上、また『無理』をしていたら… もう何かあってからだと、遅過ぎると。 だから、怒ってはいない。 でももう、これから何かあったらだ。 先に俺に言えば良い。 『今日の事』もだろう? 『俺の事』と、『仕事に迷惑を』と。 また彩香(さやか)は考えたのだろう?」 それは… でも… 「晋作(しんさく)だって。 忙しいのでしょう? 私の『仕事』は… 大した事もしてないのに。」 「それも判ってる。 でも、今日の彩香(さやか)の『会社での顔』も、『言動』すらもだ。 俺は見ていたからな? だからもう… すぐにまた、俺には判った。」 私はまた疑問だけを言った。 「判った?」 「あぁ、でも… ずっと彩香(さやか)は、あんな風にしていたのか? 約10年だが、ずっとだったのか? 『他は誤魔化せて』もだ。 俺にはすぐ『判った』ぞ… 最初にあった『違和感』だったが、その『理由』すらもだがな。 もうずっと、それを続けてたんじゃないのか? これはもう『身体』じゃないだろう。 全てを隠して、これは『心』すらもだろう。 『わざと』してるのも、俺はすぐに判った。 そんな事は『身体』じゃなくて、今度は『心』すらも… 俺はそれだけは、どうにかしてでも『防ぎたい』だけだな。 だからもう、そんな『無理』はしないで欲しいだけだ。」 それに私は動揺する。 私はそう、『無理』はしないと… ずっと、そう、してきたけど… 私はでも… それに何も言えなかった。 先に晋作(しんさく)の手が私の頬に触れてくる。 それでまた私は晋作(しんさく)を見た。 その顔は… 「今日の、あんな『僅か』でも充分だ。 そして『理由』も判った。 最初からそう、若干、『違和感』があった… 彩香(さやか)はもう、ずっと今まで… 本当に『笑ってなかった』のだろう? だから、俺との時にだけだとな。 だから俺の時には、『自然に笑う』のだろう? これ以上、彩香(さやか)が『傷付く』のをだ。 俺はそれだけはもう、防ぎたいだけだ。」 私は驚く。 そう、ずっと私は… 「でも… そう、しないと…」 私は視線を外した。 けど晋作(しんさく)の方が、私を優しく抱き締めてくる。 そう私は… 何だろう、少し… 変だなぁ… ************************** 晋作(しんさく)の方が先に動いてた。 私は軽くキスをされた。 私はまた晋作(しんさく)の顔を見た。 悲しい顔だと判る。 「どうして… そんな、悲しい顔を…」 晋作(しんさく)は首を横に振ってから言ってくる。 「また… それにも、気付いてないのか? 彩香(さやか)が… もう『泣いてる』んだぞ? 泣いてる事にも、『気付けない』ぐらいに… ずっとだったのか? それすらも『隠して』たのか? それはもう、俺が見ていられない。 もう俺の側にだと、『離さない』とも言ってる。 だからもう『無理』をするのは、俺が『止める』だけだ。 彩香(さやか)は俺が守るから。 ずっと俺の側に居れば良い… 『俺の為』にと。 そればかりにと、もう動かないでくれ。」 私が、泣いてる? あれ? おかしいな? 泣いてなんて… 私は自分の頬に触れる。 それに驚く。 なんで… また晋作(しんさく)の方が先に動いてくる。 私はまたキスを… でもまた何度もしてくる。 「んっ、ぁ。っんっぁ。」 唇が離れて、晋作(しんさく)に言われる。 「もう、俺は決めたと言っただろう。 それにな、もう『完全』にだ。 俺には『判った』のも… もう彩香(さやか)は身体じゃない。 今の彩香(さやか)は『心』もだとな。 俺しか求めてない事も… もう、こんなに… それはもう、どんな事をしてでもだ。 俺が彩香(さやか)を… これ以上、『無理』なんてさせない。」 「私は…」 言葉よりもすぐに、晋作(しんさく)の方が先に動いてくる。 私はまた言葉をキスで奪われる。 でも優しくも、何度もキスをされる。 舌も絡み取られる。 「ふっ、ぁっ、んっぁ。」 唇がまた離れて、晋作(しんさく)は『初めて』だった。 私に強く、大きく言ってきた。 「もうどんなに『誤魔化そう』と… 彩香(さやか)は、『俺だけ』だ!! 前も、今でもそうだ。 どんなに否定しようと、もう『これ以上』は… 俺がどんな事をしてでもだ、そんな『無理』を続ける事すらも『止める』だけだ!! これ以上、彩香(さやか)が『傷付く事』はさせない!!」 私は驚く。 私が、無理を? 私にと、あの晋作(しんさく)が… でも… 私が言う前にと。 また晋作(しんさく)にキスで唇を、言葉すらも奪われる。 それでもと、何度もキスをしてくる。 またそれでも舌も絡めながらだった。 「んっぁ、っ、ふっ。あっ。」 唇が離れて、それで私はまたどうにか息をする。 そしてまた、晋作(しんさく)を見る。 『強い目』を見た。 そしてハッキリと言われる。 「もう良いんだ。 ずっともう… そんな笑うのも、泣くのも、判らないぐらいに。 そんな『無理』を続けるぐらいなら… もう『俺が止めるだけ』だ!! 彩香(さやか)がどんなに、『否定しよう』とそれは変わらない!! 俺には彩香(さやか)が、そして彩香(さやか)もだ。 彩香(さやか)は『自分自身すらも』だと、俺はあの僅かだけで完全に判った。 どんなに『誤魔化そう』としてもだ。 ならもう、そんな誤魔化しは止めるんだ!!」 私は… でも… どうすれば… 涙が勝手に零れた。 あれ? なんで… 私はまた晋作(しんさく)からのキスを受ける。 それでもと、何度もキスをしてくる。 「ふっぁ、んんっ、ぁんっ。」 唇が離れて、それで私はまたどうにか息をする。 そしてまた、私は晋作(しんさく)を見る。 『強い目』を見た、そしてまただった。 「もう、俺には『完全に判った』からだ!! 彩香(さやか)はそう、『俺しか』求めてないんだって事も!! そして俺もだ、『俺も彩香(さやか)しか』求めてないんだ!! だったらもう、俺が『絶対に止める』だけだ!!」 初めて… あの晋作(しんさく)が? これは、怒ってるとも… 違うけど… 私は勝手に、涙が零れた… それに私は気付いた。 どうすれば良いか、判らない。 目を閉じて、どうにかしようとする。 晋作(しんさく)の方がまた先に動いてくる。 また簡単に私の服を脱がせながらもだ。 身体にも触れてくるのにも気付く。 「んぁあ! 晋作(しんさく)!? んぁ、んんっ!? っあ、ぅん、っあぁっ。」 何度も、激しくキスをしてくる。 言葉もそう、奪われる。 何も言えない… 舌も絡めて、手も動かしてくる。 「あっうぁ、ふぁっ。あっ。」 唇が離れて、それで私は、どうにか息をする。 私は晋作(しんさく)を見た。 でもそれよりもだった。 晋作(しんさく)が私の涙すらも拭う。 そしてまただった。 「見つけるのが遅くなって、すまなかった… もう、泣かなくて良い。 もしそれでも泣くなら… 俺がそれすらも『止める』だけだ。」 私は判らない。 でも、もう… どうしてか涙が零れた… 目を閉じて、どうにかしようと首を横に振った。 そう、私はずっと。 本当には笑ってなかった… でも、泣いたりはしてなかったのに。 どうして… 「彩香(さやか)… そう、彩香(さやか)はなぁ、いつもなんだ。 いつも『俺や、周りの為に』と、動こうとする。 それでも… ずっと『泣いてなかった』だろう?」 私はそれに驚く。 どうして… 私は目を開けて、晋作(しんさく)の顔を見る。 その顔はまた、昨日見た。 あの顔を… それは… 「彩香(さやか)、もう『誤魔化す』のもだ。 俺が止めさせるだけだぞ? もう俺から離れるな、そして俺の側に居るんだ。 今はそう、俺の前でしか『笑えない』のなら、尚更だ。 あんな顔を… 俺はもう、させない。」 私はそれでも涙が零れた… それは… 私にと先に晋作(しんさく)がだった。 涙を拭ってくる。 「もう、良いんだ… 俺が離さない。 そして俺が、絶対に止めるだけだ。 泣くなとも、俺は言わないが。 けど、今はそうだ、俺の事を… 『俺の為』だと思うならだ。 俺を選んだのも『彩香(さやか)』なんだ。 それすらも『誤魔化す』なら…」 私はまた晋作(しんさく)からキスをしてくる。 言葉を奪われる。 それでも何度もキスをしてくる。 舌も絡めながら、更にと動いてくる。 「んぁっ。 んっ、ぁっ。んっぁ!?」 唇が離れて、私はどうにか息もする。 晋作(しんさく)は手を動かしながも、私の服を脱がしながらだった。 「あぁ… 今はもう、それでも良い。 もう彩香(さやか)を泣かす事なんて、俺はしない。」 そのまま、ベッドの方へと押し倒された。 そして何度もキスを… 更にと、激しく、舌までもが絡め取られる。 「ぁ。んんっ。 んっ。ふぁっ。」 唇が離れる。 私は、どうにか息もする。 晋作(しんさく)が簡単に私の服を脱がせながらも。 身体にもと、的確に刺激までしてくる。 「ぁ、ふぁ、ん、あぁ!? んぁ、あぁっふぁっ。」 「そう、もう今は何も考えなくて良い。 もう彩香(さやか)は、俺だけを感じれば良い…」 晋作(しんさく)の方が、舌も、手も、指も… 私の身体の弱い場所ばかりを責めてくる。 動いても、全てがもう判ってるように… 常に先に晋作(しんさく)が動いてくる。 「んぁっ。 ふぁあ。 ぁっ、あぁっあ、んぁ!?」 私は確かに涙は止まったけど。 また、晋作(しんさく)の動きに反応するのが判る。 その動きにまた翻弄される。 更にまた私の中に指を入れてくる。 声が漏れる。 「ぁあっ!! んっ。あっあぁ。」 「それで良いんだ… もう充分、『俺だけを求めてる』のも判るから。」 服すら全てを脱がされて、晋作(しんさく)の勃っているのを… 私にと、愛液を擦り付けるように動きながらも。 また何度もキスをしてくる。 「んぁっあっ! んぁっ。んんっ。んっ。」 唇が離れる。 私は、どうにか息を。 それでも晋作(しんさく)は動いてくる。 手も、そして指を抜いて、晋作(しんさく)が勃っているのが私の中へと。 入ってくるのもすぐに判る。 「あぁっ、ふぁん!? っあぁ。 んあっ、ぁあっ!!」 「もう俺は、決めてもいたが… これ以上、無理はさせない。 そんな事をさせるぐらいなら… もう何も考えられないようにと。 俺が、動くだけだ。」 私はどうにもならなくなって目を閉じてもいた。 けど、声は聞いていた。 それは… 晋作(しんさく)が私の中でも激しく動かしてくる。 それでもと、更に弱い場所ばかりへ刺激すらも。 私はまた、すぐに反応もしてしまう。 「ふぁっあぁ!! っんあ、あっんっ!? んぁっ、あぁっ、っあぁ!!」 「もっとだ、彩香(さやか)… 俺はもっと、『彩香(さやか)だけ』を。 彩香(さやか)も『俺だけ』を。 感じてれば良いだけだ…」 晋作(しんさく)はそれでも激しく動かしながらもだった。 私の中にと、更に動いてくる。 「んぁっ、晋作(しんさく)!? ふぁっう、んぁぁ。 あっあぁっ、っんぁ。」 そして私に何度もキスも… もう、身体がどれにでもビクビクと反応すらしてしまう。 「ぁっふぁぅ、んんっ。 あぁっ、んぁ、もう、もう…!!」 「あぁ、俺もだ…」 そう言うと、晋作(しんさく)が私の中に出した。 「んぁあっ、ふぁあぁ!!」 それすら私は敏感に感じてしまう。 どうにか息も整えてようともする。 晋作(しんさく)が中から抜いて、また私を抱き締めてくる。 それでもまた、私にキスをする。 何度も、でも優しいキスだった。 「んっ、ふぁ、んっあっ」 唇が離れて、また息を。 私はどうにか整えようとするぐらいしか出来ない。 そんな私すらもまた、抱き締めたまま晋作(しんさく)は言ってくる。 「もう、大丈夫だ。 俺が『必ず』だ。 だからもう、『無理』はしないと。 そしてそれも、俺がさせない。」 私はどうにか晋作(しんさく)を見る。 それは… 「俺はもう、彩香(さやか)を離す気もない。 だから、もう無理はしないと。 それと『何かあったら、先に俺に言うんだ。』 もう俺が彩香(さやか)を…」 私は… そう、ずっと『晋作(しんさく)の為』にと。 してたけど。 もう… 私は晋作(しんさく)を見るだけだった。 それでも先に晋作(しんさく)が動いて、軽くキスをしてくる。 「判ってる… だから今は、それだけ覚えてれば良い。 今はもう休んでれば、大丈夫だ。」 私はさっきの… 言葉をすぐに浮かべた。 『何かあったら、先に俺に言うんだ』と。 それは… でも私はもう何も考えられなかった。 私はそのまま意識も手放すようにと眠った。 ************************** 【後書き】 【ここで彩香(さやか)に関しての補足】 前から少し書いてますが『彩香(さやか)の言葉遣い』と『表情』に関して。 これが二つあります。 『本来の性格』と『他人に合わせ演じた性格』です。 それが気付いた『違和感』の正体です。 この二つが晋作(しんさく)の前では『全てが混同』してる点でした… けれど、徐々にですが、彩香(さやか)晋作(しんさく)だけと居る事で。 自然にと『本来の状態』にと。 言葉遣いも、表情すらも『戻って』いってる事です。 会話でも、これは『ややこしく』なるかもしれない部分になります。 ですが、『二人』がそもそも似ていて、殆どが『同じ』です。 まぁ、学生時代も含めて、ずっと一緒に居るのですから。 お互いが影響はしてるでしょうが… だから、彩香(さやか)晋作(しんさく)と接してる間では『本来の姿』です。 同様に、そう… 『他人と話す時』など、彩香(さやか)は『本来』ではない。 違う『言葉遣い』を使うでしょう。 でも『本来の姿』の表情などは変わらないまま。 そして最後ですが、『本来の性格』も変わらないんです。 それを踏まえて、続きを…
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