新しい仕事は『慣れる事』だ。

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新しい仕事は『慣れる事』だ。

その後も普段の私なら、仕事なのだが… 私の今の仕事は、どうやら『慣れる事』らしい。 一応、晋作(しんさく)からの話には納得はしたのだが… そんなに簡単でもないぞ!? そう、未だに慣れない『晋作(しんさく)の家』である。 まぁ、期限はないが… それに晋作(しんさく)を見てると。 若干、不思議なのも多々ある。 でも、いつも嬉しそうな顔はする。 たまに仕事は大丈夫なのかと、疑問になるぐらいか… 常に晋作(しんさく)は、この家に居るし。 更に私と一緒の時間の方が長いのだ。 私も考えるが、でも、そう。 あの初めて、この家に来た日に見た『仕事部屋』だろう。 そこにたまに入るぐらい… それだけで? 何をしてるかは、まだ具体的には聞いてない。 もし仕事内容なら、晋作(しんさく)がだ。 『社内』でも、『上』にいるなら… 『企業秘密』などもあるかもしれない。 だったら、余計な事は… 私がせめて出来る事でもある。 とにかく、まずは『ここでの生活』にも慣れないと… 確かに晋作(しんさく)のやる事に驚いて、目眩までする事も多い!! 私はまだ、今の与えられた自室にすらも落ち着かん!! まぁ… 大抵、夜は主寝室で常に晋作(しんさく)からなのだが… それでも私の『仕事』に真っ先にだった。 それは晋作(しんさく)から出された『仕事』でもあった。 ************************** あの前の会社を辞めた翌日。 アラームもなく、自然と目が覚めた。 私はまた、隣に寝ている晋作(しんさく)に動揺した。 あぁ、そうだった… 私はどうにかまた思い出す。 そう、夜もだが… 晋作(しんさく)には『かなり』翻弄された結果だ。 もう昨日の食事や、またお風呂すらもだった。 なぜだか判らないが… どうして『一緒』のお風呂に拘る!? 今なら『時間』すら、関係ないんだが!? そして結局、またシャワー攻撃すらされてるのに、全然変わらずだ。 嬉しそうにするだけだ。 なぜだ!? 理由も微妙だし… 私はまだ寝ている… 晋作(しんさく)の横に居ると、不思議な感覚すらある。 なんだか、一気に環境すらもか? 変わり過ぎたからもあるけれど。 実感がイマイチ湧かないのもある… 私は、何かの夢か? 疑問にすらなるんだが… 取り敢えず、まだ良く寝ている晋作(しんさく)を見る。 どうしてかなぁ。 やっぱり寝てる時は、いつもとまた違う雰囲気だからなぁ。 まぁ、普段の仕事姿もあまり知らないからもあるが… でも少し嬉しくなってくる、それがやっぱり。 私は少し笑う。 少しだけ、晋作(しんさく)の頬に触れる。 うん、良く寝てるなぁ。 さて、私はでもどうする? 今日から仕事もないんだが… 何をする? あぁ、そうだ。 部屋に来たらしい荷物の方をと言われていたな? 確か隣の部屋だと聞いていたな? 私は晋作(しんさく)を起こさないようにと。 ベッドから動いて移動する。 そうして隣の部屋に行こうとするのだが… ん!? ドアの開け閉めが!? そこでまた思い出す。 そうだった、カードキーだかがないと、全部無理だった。 私は未だに、これは慣れないんだが… どうにか開けた。 またそこから移動すると、そのドアでもだった。 ふむ。 これもか? 普通に手でも開かんな? だったら同じか? 私はカードキーを近付ける。 おぉ、開いたな? でもこれ、逆に大丈夫か? もし失くしたら、どうするんだ? そう思いながら、部屋に入る。 確かに私が使っていたものが置いてあった。 私の部屋らしい自室を簡単に見る。 窓もあるが、カーテンはまだないか? そして確かに段ボール2つと、使っていた家具だと。 簡単に中も確認をする。 うん、これはそうだな。 でも晋作(しんさく)は、どうやったんだか。 また私には判らんが… 私は考える。 まぁ、あの晋作(しんさく)がだぞ? そもそも、あんな『住所』すらも数分だ。 だったら、簡単なのか? だがそれよりも… この自室と言われた部屋だが… もう前のワンルームより… 既に広いだろ!? 落ち着かない… また少し考えてからだった。 取り敢えずと、備え付けらしいクローゼットを開けた時だった。 もう既にこれは… だから、広過ぎる!! こんな荷物すらも、確かに晋作(しんさく)が驚く『原因』になるだけだろ!? まぁ、晋作(しんさく)が『規格外』だからなぁ。 それはそれだが… だが、どうするかがもう困るな。 そもそも、こんな家に? 私の服だと… 変だろう? 大丈夫か? もしこの服の値段なんて言ったら… そう考えてる時だった。 「彩香(さやか)!? 彩香(さやか)は、どこだ!?」 うん? 晋作(しんさく)の声が今したな? 私は気になって、そのまま主寝室の方にと、また行った。 ************************** 私は主寝室のドアを開けて入って言った。 「晋作(しんさく)、おはよう。 今、呼んだか?」 その時に、私は見た。 すぐにだった。 もう慌てる様子でだ。 既にドアの側にいた晋作(しんさく)が私を見てだった。 また慌てる様子で私を抱き締めてくる。 どうしたんだ? 慌ててるが… 晋作(しんさく)の方がでも私を抱き締めて言った事は聞いていた。 それにまた若干、驚いた。 「あぁ、彩香(さやか)… さっき、隣に居なかったから… 俺はただ、夢でも見てたのかと思ったぞ。 でも、良かった…」 私はそれにまた動揺する。 「晋作(しんさく)… 大丈夫だ。 私はここに居るだろう…」 それでも晋作(しんさく)は、私を離そうとはしなかった。 「あぁ、そうだな… 俺はもう、あんな思いはしたくない…」 私はそれで気付く。 これは、もしかして… ずっと探してたから… 私を? それからずっと、晋作(しんさく)の方が… 「晋作(しんさく)… もう、私は消えたりはしないから。 大丈夫だ、私が… 私が、悪かった… もう、大丈夫だから。 だから…」 私がいきなりした事で、晋作(しんさく)が… もしかしたら、ずっと… 晋作(しんさく)の方は少しまた私の顔に触れてきた。 そして笑って言ってくる。 「いや、俺もすまない。 この数日がなぁ。 もう、本当に夢みたいに俺も嬉しいからなぁ。 だから、ついな。 彩香(さやか)のせいじゃないぞ?」 私はでも、また考える。 そう、私も夢かと思う感覚はある。 だから、それは判るかもなぁ。 「私も確かに、『今でも』か? それは判る気もするからな。 判るが、もう、私はいきなり消えたりもしない。 だから、大丈夫だ、晋作(しんさく)…」 「今でも?」 私は晋作(しんさく)を見た。 確かに不思議な顔をしてるか? 私は少し笑った。 「あぁ、だってそうだろう? この家にもだ。 『全部が違う』のに、私はまだ、それも良く判ってないしなぁ。 それに、仕事もないのかと思うと… 何をすれば良いのかも。 判らないだろ? 起きた時に、隣に晋作(しんさく)が居るなんて。 私だって、まだ驚くのに… ずっと、私は晋作(しんさく)がと。 ずっと、違う事を『願って』たからなぁ… 私はでも、『一人』が、普通だったから。 それなのに、誰かと? しかも隣に、晋作(しんさく)が居るんだぞ? 私の方が、今も、ずっと、夢なんじゃないかと… 思えるが…」 私はでも、もう下を向いた。 あぁ、なんだろう、これは… でも、私は、どうにか抑えて言う。 「もし、こんな夢だったら… 良いなぁと、思ってしまうだけだな。 今でも、そうだな… 『この夢』は… いつか、きっと、また…」 私はそこでまた少し考える。 判ってる答えなのに、言えない気分にもなる。 そうだなぁ。 これが、確かに夢だったら、きっと。 いつか『目が覚める』んだろうからなぁ。 それでまた… 私が起きた時には、私は、あの部屋でかぁ… 一人で起きて、またか… それは少し… 晋作(しんさく)の方がまた先にだった。 私の顎に指をかけて、顔を上げさせるとキスをしてきた。 更に舌まで絡ませてくる。 「っん。っぁあ、っん。」 唇が離れて、私は息をするが、すぐに言われる。 私は晋作(しんさく)の顔を見る。 でも嬉しそうに笑ってるのは判った。 「あぁ、もうこれは夢なんかじゃないぞ? 俺はもう、あんな思いはしたくないが… 彩香(さやか)がそんな顔をするなら。 俺がまた、止めるだけだぞ?」 私は意味には気付くが、どうにか首を横に振った。 また私は晋作(しんさく)を見た。 それは凄く嬉しそうに笑っているのが判る。 「彩香(さやか)となら俺はもう、いくらでもしたいのにな。 少しこれは、俺が残念か? それとも、今からでも、して良いか? そうすれば、夢じゃないって、判るだろ?」 私はまたすぐに首を横に振る。 「あ、いや、その。 朝からは、流石にそれは…」 晋作(しんさく)の方はまた笑って言ってくる。 「だったら、朝じゃなければ良いのか? 俺はもう、我慢したくないからな?」 私は動揺した。 それは、つまり!? 晋作(しんさく)の方がまた先に動いてくる。 私にとキスをしてくる。 何度もと、更に舌までだった。 「っん!? っんぁ。ふぁっ、んんっ。」 唇が離れて、私はまたどうにか息をする。 すぐに晋作(しんさく)を見た。 また嬉しそうに笑っているのが判る。 「まぁ、俺はいつでも出来ると思えば… 我慢ぐらい出来るか? でももう、ずっとだ。 彩香(さやか)だって、夢なんかじゃない。 俺の側にだ、まぁもう離すつもりすらないがな? ずっと居れば良いだけだ。 俺が全部だ、もう彩香(さやか)を俺がだ。」 私はまた若干、困惑する。 だから晋作(しんさく)を見ていた。 あぁ、でも… そんな風に笑う晋作(しんさく)をだ。 私はずっとそれも『願って』たんだ… 私はスッと晋作(しんさく)の頬に触れる。 笑いながらも言った。 「あぁ、そう、ずっと… そうやって笑っていてくれる事すらも。 願ってたんだ… でも、確認は私も出来なかったからなぁ… そうやって笑ってる晋作(しんさく)の顔がもう。 私には嬉しいなぁ…」 晋作(しんさく)の方がまた少し驚く様子をするが、でもすぐに笑って言った。 「あぁ、俺もだ!! 俺もずっと、そう、彩香(さやか)だけを考えてたんだぞ!! だからもう、ずっと俺の側にだな!!」 私はまた笑った。 あぁ、これが夢じゃないと? それは私には嬉しいがなぁ… ************************** 「ところで… さっきはどこに行ってたんだ?」 「あぁ、私の荷物の確認か? 届いたと言っていただろ? それを確認していたんだが…」 私は、若干、疑問を言った。 「私がこの家にだが… あの服で、大丈夫なのか? 晋作(しんさく)は前に言っただろ? この家は『仕事用』にもしたと。 そんな家なのに、私があれは…」 晋作(しんさく)の方がまた不思議な顔をしていた。 「別にどんな服だろうが、何でも良いと思うが… それに彩香(さやか)が『仕事用』の方へも行く必要もない。 あっちはまぁ、来客用でもあるがな。 俺の家には、そんな来客すらも来ないから、問題もないか? それに彩香(さやか)のカードキーだったら、そっちにも入れんぞ。」 「あぁ、このカードキーなぁ。 それも少し私にはまだ、慣れないからでもあるんだが… でも疑問なんだが… 逆にこれ、危なくないか?」 「危ない? 何がだ?」 私はカードキーを見ながら言った。 「これで全部のドアすらもだろ? これ、失くしたら終わりだろ。 まぁ、気を付けてはいるが。 それにもし、これ、取られたら… この『家』だって、危ないだろ? まぁ、そんな危険も少ないんだろうが… 何があるかなんて、判らないのに。 普段の持ち歩きすらも…」 「あぁ、そのカードキーはまた少し『特殊』だが… それは『こっちの家』にしか使えないぞ? 別にこの家には『他のセキュリティ』すらもだ、かなりあるからな。 簡単には出入りすらも出来ないぞ。」 私はそれに若干、驚いて疑問だけ言った。 「他のセキュリティが?」 晋作(しんさく)の顔を見る。 確かにこれは… 全く、気にしてないのも判るが。 私は首を傾げる。 どうなってるんだ、この家は? まぁ、晋作(しんさく)の事だから。 それはかなり『厳重なセキュリティ』なんだろうが… 私は晋作(しんさく)の顔を見た。 また少し考える様子もしたが、すぐに笑いながらだった。 「ふむ。 なるほどな。 彩香(さやか)、最初の『仕事』が決まったな。」 「私の仕事?」 「あぁ、そうだな。 これがまず、最初の『仕事』には、ちょうど良い。 彩香(さやか)の仕事だ。 それはこの家に『慣れる事』だ。」 何だと!? この家に『慣れる事』が仕事だと!? 私はもう、それだけでも動揺どころでもなかった。 ただでさえ、この落ち着かない家で!? しかも、私はまだ、良く判ってない物ばかりなのにか!? 晋作(しんさく)は察した様子で、また笑いながらだった。 「ふっ、あははは!! もう、そんなに、驚くのか。 あぁ、でもこれはもう、当たり前だろう? ここに住むのにだ、まずは『彩香(さやか)』がだ。 この『家』の事を先に知って、それを普通に使える様になる事。 そうする事が、そもそも、生活の中でもだな。 一番『重要』にもなる。 だから最初の仕事はそう、『慣れる事』だ。 けれどこれは、別に急ぐ必要すらもないしな? 俺もこの家にずっと一緒には居るんだ。 判らない事は聞けば良いし? これなら特に『期限』すらもない。 だったら、徐々に『慣れて』いけば良いだけだろう?」 私はその『意味』には納得はした。 確かに、晋作(しんさく)の言う通りだな。 ここに住んでるのに? 住んでる方の人間が知らないのは… 致命的だろう。 でも… 私は疑問だけ言った。 「判った、確かに納得は出来る事だからな。 でも… 晋作(しんさく)の仕事は、どうするんだ? 一緒に居るとは言ったが… それでも、仕事はあるだろう?」 私は晋作(しんさく)の顔を見た。 また少し考える様子もしたが、すぐにまた普通に答えた。 「まぁ、確かにあるが、俺ならもう問題すらないぞ? この家に居るだけでも、充分だろうからな。 それぐらいに、ちゃんと『設備』すらもあるし? 連絡があれば、俺の場合、もうこの家から出来る。 それを少し『作業』する程度だから、何も問題ないからぞ?」 私はまた晋作(しんさく)の顔を見た。 確かに嘘は付いてない顔だが… つまり、『仕事用』の方には、それだけの設備もあるのか。 仕事にも対応させて作った家なのか? まぁ、それに確かに、これだけ大きな家だし。 晋作(しんさく)なら、あの時の見ただけでも… かなり『社内』でも、『上』なんだろからなぁ。 そうなると、尚更か? 私は確かに、最初の頃を思い出す。 そもそも、この業界だ、上の人間の場合。 普通は『指示』をすれば、問題なく動かせるだろうからな。 大抵、上の人間がだ。 そもそも、安易な事もしないのが当たり前だ。 そうしないと、会社が成り立たないだろうからなぁ。 「うん、まぁ、そうなのか。 確かにそうか? 仕事用にもと、晋作(しんさく)が作ったんだろうから… そう言うのなら、そうなんだろうな。」 私はまたカードキーを見た。 私の『仕事』か… でも、確かに、真っ先にそれはしないと。 理由もだが、そうだなぁ。 でも、これにもか… 私は若干、心配にもなるが… 「問題ないだろ? 俺が居るし、それに期限すらもない。 なら、大丈夫だぞ?」 私はまた晋作(しんさく)の顔を見た。 この顔は… 嬉しそうな顔だな。 私は笑って言った。 「あぁ、判った。 判らない事は、『晋作(しんさく)に聞けば』良いんだな? だったら、そうだな。 安心も出来るなぁ。」 晋作(しんさく)の方がまた少し驚く様子をするが、でもすぐに嬉しそうに笑った。 「あぁ、俺もそれだったら、安心だぞ!! 俺もずっと俺の側に居られるし、同じだなぁ。 あぁ、でも、もう俺がまた我慢もか? そっちの方が、俺には難しいかもなぁ…」 うん? 何が難しいんだ? 私は不思議にも晋作(しんさく)を見る。 でも晋作(しんさく)の方がまた嬉しそうに笑って言った。 「いや、彩香(さやか)は心配ない。 俺はそれでも、充分、嬉しいなぁ!!」 あぁ、そうだなぁ。 こんな事で、そう、晋作(しんさく)がか? こんなにも嬉しそうに笑うなら、私も嬉しいなぁ。 私は笑って、また嬉しくて、スッと手で晋作(しんさく)の頬に触れる。 「あぁ、そうだなぁ。 そうやって、笑ってる晋作(しんさく)がだ。 私も本当に嬉しいんだ。」 その時だった。 急にまた先に晋作(しんさく)が動いてキスをしてくる。 少し舌も絡ませてくる。 「んぁっ、ぁ。」 唇が離れて、私は息をして、晋作(しんさく)を見る。 けれどまた目を閉じていた。 私が若干、また不思議に見てると… 目を開けて、また凄く嬉しそうに笑った。 うん? これは… 昨日と同じか? でも晋作(しんさく)がまた笑って私に言った。 「いや… そう、ただ、もう、彩香(さやか)がだが… いや、大丈夫。 そうだな。 同じように、一緒に居られるだけでも、俺は嬉しいだけだ!!」 私は不思議に思い、また見るが… でも確かに嬉しそうな顔は判るが… 急にどうしたんだ? でも晋作(しんさく)の方は笑いながらも言った。 「よし、朝食にしよう。 今日から、彩香(さやか)もだ。 ちゃんと食べるんだぞ?」 あぁ、また食事を気にしたのか? でもあんなには無理だがなぁ… 私は少し思い出した。 そういえば… 「朝食か… 食材は、あるのか? そういえば、前も作ったぐらいでしか出来ないが… 確か、晋作(しんさく)も食べてたな? 別にそれぐらいなら、私がまた作るが?」 晋作(しんさく)の方がまた今度はもう凄く驚いた様子をした。 でもすぐにまた嬉しそうに笑って言ってくる。 「あぁ、本当か!? 食材なら勿論、常備してるぞ!! 俺もそれが良い!!」 私は笑って言った。 「大した料理でもないだろう? だったら、また一緒に食べよう?」 「そうだな!! 俺はもう、凄く嬉しいぞ!! あぁ、でも、もう、俺がやっぱ、俺がまただが… これは忍耐… そう、これからもだし、俺もそう。 ずっと、俺はそう、大丈夫、俺も頑張る。」 うん? 朝食で? 何を頑張ると? 私は不思議に見てると、何やら今度は首を横に振った。 でも嬉しそうに笑って言った。 「いや、気にしなくて、大丈夫だ。 それなら俺は… そうだ、俺は今日はそう。 キッチンの使い方ぐらいだ。 俺も教えるだけだな!!」 あぁ、そうか。 それもそうだなと私も納得した。 ************************** そうして、簡単にキッチンの仕組みを私も覚えた。 食料庫らしい場所には、確かにかなりの食材もあった。 私も思い出す。 そう、私と一緒に居た頃はそうだが。 意外と晋作(しんさく)も、料理が出来るのだ。 だから私も覚えたのも大きかった。 作った後も一緒に朝食を食べてる間もだった。 晋作(しんさく)も嬉しそうに笑っていた。 私も晋作(しんさく)が嬉しそうに笑うならと。 それからは最初、朝食を作るようにもなった。 この家での暮らしをと。 そして『慣れる事』が、『仕事』とはいったけれど。 それでも、今までとも違うなと。 『仕事』でも、これなら私もそうだなぁ。 私も嬉しくなるのもあった。 そうやって、徐々には覚えながらも、一緒に暮らし始めた… でも私の自室よりも… 主寝室の方で一緒に過ごせる事も多いのだが… 私は思うだけだった。 もしこれが『夢』だとしても、これは目が覚めて。 起きた後でもきっと… 私は笑うだろうなと。 それでも良いかもしれないなと。 そして夜には必ず、私をと。 晋作(しんさく)が求めてくる事でもあった… 私も晋作(しんさく)だったら、全てを委ねた。
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