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どう想われてます?
【ピロリン……ピロリン……ピロリン】
何度もうるさいスマホの着信音に起こされて、もぞもぞと身体を動かしてスマホを手に取り電源を切ろうとした。
私が眠れたのは明け方だというのに、こんな時間にスマホを鳴らす相手が憎らしいわ。
誰だろうと思い画面を見ると、そこに映っているのは登録した覚えのない早川さんの番号。あの人はいったいいつの間に……?
一瞬だけ無視してやろうかと思ったけれど、あの人が昨日何も言わずに逃げた私をどう思っているのか気になって通話ボタンを押してしまった。
「もしもし……私まだ眠ってたんですけど?」
「そうか。もう少ししたらみぃを部屋まで迎えに行こうかと思ってるんだが、出て来れそうか?」
はい?早川さんは昨日私が出ていく前と何も変わらない態度でそう聞いてきたの。もしかしてこの人は昨日の事を怒ってないの?
今、会って彼にどんな態度を取ればいい?彼から逃げた私がいったい何を話せばいいの?
「……今日は女の子の日だから。」
私の返事に、予想しなかったのか早川さんも黙り込む。嘘はついてないわ、本当に今日の朝から生理が始まったのだから。
「……じゃあ、切るわね?」
昨日の私に腹を立てることも無く、昨日と変わらない態度を取ってくれるのは嬉しい。でも彼にとっては気にする必要もない存在だと言われたような気もして……
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