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「それなら俺の家でゆっくりすればいい。みぃが動かなくてもいい様に迎えに行くから。」
すぐに諦めてくれると思ったのに、早川さんは意外としつこい。何も出来ない私と会って彼はいったいどうしようって言うの?
昨日の事で気まずくて、私は今は早川さんの顔を見るのが辛い。だから……
「無理よ、私は重い方なの。」
私の言葉にまたも早川さんが黙り込む。良かった、どうやら意味は通じたみたい。
今度こそ電話を切ろうと思ったのに、早川さんはまたも食い下がる。
「じゃあ……今から俺がみぃの部屋に行って、いろいろ代わりに色々やってやるから。」
もう、本当にしつこい。早川さんがそこまでして何をしたいのか、何を考えているのか全然わかんないの。
……昨日は追ってもこなかったくせに。
「辛いから一人でゆっくり過ごしたいって言ってるの、この鈍感男!」
昨日彼に「鈍感娘」と言われた仕返しをさせてもらう。
ここまで言うと早川さんは今度こそ諦めたようで「分かった」と言って電話を切った。
彼が諦めてくれたホッとしたような、少しだけ寂しい様な……昨日からずっとこんな複雑な気持ちばかり。
これから私はいったいどういう態度で早川さんに接すればいいのだろうか?
一日中、考えても考えても結局答えは出なかったのだけど。
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