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「それで……?私の職場に早川さんがいた理由は何ですか?偶然私が誘われていたところを見かけた、なんてことはないですよね。」
職場が同じビル内とはいえ、職場の中までは簡単に見えないはずだもの。前みたいに職場の出入り口に陣取っていたりしない限り。
「それは、みぃが電話もメッセージも無視するからだろ?一週間、俺はよく耐えた方だと思うけど。」
確かに全部知らんぷりしたのは私が悪かったと思う。だけど早川さんは耐えた方って、いったい何を耐えたって言うのかしら?
「だけど、私が迷惑してるって分かりますよね?貴方に会うのもそういう時だけ、最低限が良いんです。」
早川さんが私を必要なのは、肌を合わせる時でしょう?脅迫している相手にそれ以上の事は求めてないですよね。
「……分かってる、みぃが俺と会うのを避けてることくらい。」
「……そうですよね。」
これだけあからさまな態度を取っているんだもの、早川さんがいくら鈍くても気づかないはずはない。
「それでも、俺はみぃに会いたいんだ。」
早川さんの言葉に、一瞬で私の顔に熱が集まるのが分かる。
何で……何で簡単にそんな事を言っちゃうの?早川さんって誰にでもそうなの?そんな事言われたら、私の中で期待が膨らんでしまうじゃない。
「貴方はすぐそういう事を……」
赤い顔を片手で隠してるけれど、きっと早川さんにはバレてる。だってすごく嬉しそうな顔をしてるもの。
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