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別に私はもういなくてもいいですよね、きっとその女性たちがいくらでも相手してくれるでしょうし。
「はぁ?ちょっと待て、みぃ!」
「いいじゃないですかぁ、私達と飲み直しましょうよ。」
早川さんは焦って私を引き止めようとするけれど、女性たちはそんな早川さんを必死で妨害しようとする。
ほら……私を威嚇するかのような、女性たちの冷たい視線にうんざりするわ。
私は別に好きで早川さんと一緒にいたわけじゃないんで、そんなあからさまに睨まないでもらえます?
「綺麗なお姉さんたちの方が、早川さんも嬉しいんじゃないですか?これ、お願いしますね?」
財布から三千円を取り出して早川さんの前に置いた後、バックを肩にかけてさっさとその場から立ち去る。
「おい、みぃ!」
早川さんの声が聞こえたけれど、知らんぷり。
私はあの女性たちの様に早川さんの取り合いになんか参加しないし、興味もないわよ。早川さんも好きなだけ鼻の下を伸ばしていればいいんだわ。
でも早川さんが他の女性に触れるのを想像すると、イライラするような気がする。
違う……妬いてなんていない。私は早川さんが誰と何をしようとヤキモチなんて妬かないはず。
だって、私はあの人の事なんて全然好きじゃないはずだから……
……でも、本当に?
考え立ち止まり下を向く。私にとって早川さんは復讐したい相手なはずなのに、ここ最近ずっと気持ちがグラついている。
「……みぃ、待て!みぃがいなくなったら、意味がないだろうが。」
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