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早川さんからしっかり髪まで乾かしてもらい、またブカブカのパジャマを着せられてリビングへ。
さてと……今日はどうやってここから帰ろうかしら?
冷蔵庫に向かった早川さんの背中を見つめながら考える。流石に前と同じ方法は怪しまれるでしょうけれど、この際仕方ないわよね。そう思って早川さんに声をかけようとすると……
「この前はみぃにうまく逃げられただろ、今日はちゃんとジュースも用意しておいたからな。グレープジュース、みぃ好きだったろ?」
ああ、やっぱりそうよね。悪知恵の働く早川さんには同じ手なんて通用しないわよね。それだったら……
「あと、みぃの服は今洗濯中。着て帰る事なんて出来ないからさっさと諦めろ。」
「何ですって!?貴方、勝手に……!」
まさか用心のためにそこまでされているなんて、全然気づかなかった。流石にこのブカブカのパジャマで帰る事なんて出来ないし。
「それにみいは腹も減ってるだろ?店じゃほとんど食べてなかったし。今から何か作ってやるから。」
早川さんにそう言われて、お腹が空いていたことを思い出す。思い出すと身体は正直ですぐに「ぐうう」とお腹が鳴った。
「……お願いします。」
どうせ今夜は帰してもらえそうにないし、お腹も減った。私は早々に諦めて、早川さんの調理する姿を見学することにした。
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