2078人が本棚に入れています
本棚に追加
早川さんの作ってくれたカルボナーラは、ビックリするほど私好みの味付けで。とても美味しくて、私はペロリと完食してしまった。早川さんはそんな私をニコニコ嬉しそうに眺めていたけれど。
……そこまでは良かったの、早川さんは食事中はすぐに触れてきたりしなかったから。
「何故こんなにくっつく必要があるんですか?今夜はもうセックスの相手はしなくていいんですよね?」
ご馳走になったので「洗い物は私がする」と言って、丁寧に食器を片付けてさっきキッチンから戻ってきたのだけれど……私は今、胡坐をかいた早川さんの上に座らされている。
「いいだろ?俺はみぃとこういう事がしたかったんだから。」
そんな事言いながら後ろから回した腕に力をこめる早川さん。そんなに強く抱きしめないでよ、私はもうそう反応すればいいのか分からないんだから。
早川さんはいつもこうやって甘い言葉をささやいて、私の気持ちを何度もグラつかせる。
この人は天然なんてそんな可愛い性格じゃない、私が戸惑っている事を分かってやっている……間違いなく確信犯。
貴方から「好きだ」なんて言われたら困るのに、こんなに近くにいても何の言葉も貰えないことに不安を感じてる。
ねえ、気付いてよ早川さん。私、今凄く不安……なんです。
最初のコメントを投稿しよう!