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「そろそろ寝るか?」
もうこれと言って面白い番組も無くて、眠くなって欠伸を噛み殺しているところだったから助かったわ。
さすがに早川さんのベッドで勝手に眠る訳にもいかないし……それに早川さんが脚の上から降ろしてくれなかったから。
「このパジャマ、借りて寝ていいの?」
「当たり前だろ?次も「嫌」と言われても着せるつもりだし。」
次もって……次にここに来た時も私は帰らせてもらえないらしい。早川さんはどういうつもりで私に自分のパジャマを着せて、私をここに泊めるのか。
知りたいけれど、それを早川さんに聞く勇気はないの。
「予備の布団とか……無いわよね?」
「有ってもみぃには出してやらない。なんでみぃがいるのに、俺が一人で寝なきゃならないワケ?」
どうして私と早川さんが一緒に眠るのが当たり前のように言ってるの?一緒に寝てたのなんて本当に私が小さかった頃だけでしょ。
いまさら一緒に眠るという事が気恥ずかしくて、モジモジしていると早川さんに腕を掴まれた。
「な、何?」
「みぃ、俺と一緒に寝てくれるよな?」
早川さんに引っ張られて、そのままベッドに横たわる彼の身体の上にダイブしてしまう。その私を今度は早川さんがギュッと抱きしめてきて……
「……今日はこのまま眠ろうか?」
こんな風に甘く、優しく囁いて来るから胸がどうしようもなく苦しくなる。
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