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「嫌だ、嫌だ……嫌だ」
行動に相反する言葉と目から溢れてくる涙に、私はこの運命を憎んだ。
こうしたいと最初に願ったのは私自身だというのに、この場に及んでこんな感情を抱いてしまう結末を誰が想像できただろうか。
誰かに心配されるわけがない、だからもういいんだとそう思っていたはずなのに、ここまでくるとよく分からないことだらけだ。
背後から打ち付けてくる風に、髪が乱暴に乱されていく。
止まらない涙をただ流し続けることしかできない私に、早くしろとでも言っているかのように。
言われなくても私の感情を無視して、体がこの運命のままに傾いていく感覚に私は目を閉じた。
……この意味の無い繰り返しの人生を望んだわけじゃないのに、こうなることを知っていたらもう少し頑張って生きてみようと思えたのに。
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