無為

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生きていた頃に未練のある私は、今日も同じ場所で『最期』を迎える。 薄明な空が夜に飲み込まれるその時に、まだ私の身体が心臓を必死に動かして生きていたあの頃と同じように私はここで……透けたこの身体で飛び降りる。 明くる日も明くる日も私はここで、意味の無い最期を迎え続ける運命なのだ。 ーーこの世の存在ではない私の涙は、この世界では救いのない私の想いの結晶。
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