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あまりの衝撃に、日継は自分の身体を支えるので精一杯。
「……なんだよこれ」
見れば銀髪の青年も同じ状態のようで、耳元を押さえふらつきそうになる身体を必死に支えている様子だ。
そんな彼に歩み寄る者がいた。
華月である。
銀髪の青年の手を取り、彼女は言った。
“天に抗う者、汝、南の地で白虎の力を得るであろう”
その声は、華月のものではない。
まるで神が彼女の身体を借りて話しているようだった。
勾玉が輝きを失う。
同時に華月は意識を失い、彼女の身体はぐらりと傾いた。
揃って華月を抱き止めた二人は顔を見合わせる。
銀髪の青年はため息をひとつついてから言った。
「あー……とりあえず俺らの棲み処に来いよ。話はそれからだ」
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