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日継が話し合いの場所として指定された広間に着くと、銀髪の青年と赤茶色の髪の青年が、い草の敷物に座って待っていた。
向かいに座るよう指示された日継が腰をおろすと、銀髪の青年が口火を切る。
「そんじゃ改めて、俺は銀。よろしくな」
赤茶色の髪の青年が後に続く。
「俺は頭領補佐の蘇芳」
彼は、頭領はこいつ、と付け加え銀を指さした。
「日継だ。連れの名は華月。彼女を休ませてくれたこと、感謝する」
「……で、お礼参りしにいった相手を連れ帰るなんて、一体何があったんだ?」
蘇芳が尋ねると銀が身振り手振りを交えて答える。
「それがだな、頭がキィーンってなってバーっと光って、俺が天に抗う者とか何とかって……」
説明が不明瞭なことに日継は呆れた。
蘇芳も同じ事を思ったようで、早々に銀の言葉をさえぎる。
「……銀。内容がひとっつも伝わらねえ。悪いけど日継さんとやら、最初から説明してくんない?」
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