31人が本棚に入れています
本棚に追加
日継の言葉に対して、蘇芳が問う。
「なあ、その天ってのは何を指すんだろうな?天上の事か、それとも天子、すなわち王の事とか?」
日継は首を横に振る。
「すまない。俺も詳しい事はわからない」
「部外者の俺から見てもこれは厄介な案件だぞ。おまけに追われてる可能性もあるわけだろ」
蘇芳の言葉に、銀が口をはさんだ。
「……でも、面白そうだよな」
楽観的な発言に日継も蘇芳も驚く。
銀はわくわくして仕方ないという笑みを浮かべて続けた。
「天にせよ王にせよ、抗うって事は誰かに喧嘩売るんだろ?血ぃ騒ぐじゃん。理由はわからねぇけど俺が白の勾玉輝かせたわけだし」
「しかし、あの子達を放って、俺達と一緒に旅していいのか?」
日継でさえ現時点ではあまりに判っている事が少なく、先の見えない旅に同行を頼んでいいものか迷っていた。
それにも関わらず銀はあっさりと答える。
「そこは、有能な頭領補佐に任せとけば大丈夫、だよな?」
最初のコメントを投稿しよう!