白の章

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日継の言葉に対して、蘇芳が問う。 「なあ、その天ってのは何を指すんだろうな?天上の事か、それとも天子(てんし)、すなわち(おおきみ)の事とか?」 日継は首を横に振る。 「すまない。俺も詳しい事はわからない」 「部外者の俺から見てもこれは厄介な案件だぞ。おまけに追われてる可能性もあるわけだろ」 蘇芳の言葉に、銀が口をはさんだ。 「……でも、面白そうだよな」 楽観的な発言に日継も蘇芳も驚く。 銀はわくわくして仕方ないという笑みを浮かべて続けた。 「天にせよ王にせよ、抗うって事は誰かに喧嘩売るんだろ?血ぃ騒ぐじゃん。理由はわからねぇけど俺が白の勾玉輝かせたわけだし」 「しかし、あの子達を放って、俺達と一緒に旅していいのか?」 日継でさえ現時点ではあまりに判っている事が少なく、先の見えない旅に同行を頼んでいいものか迷っていた。 それにも関わらず銀はあっさりと答える。 「そこは、有能な頭領補佐に任せとけば大丈夫、だよな?」
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