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夜。 帰ってきた夫を出迎える。お盆の帰省の話をしようと思ったのに。夫は、心配そうに尋ねる。 「あゆみ。顔色が悪いけど、大丈夫かい?」 「平気よ……」 そう答えたけれど。夏の暑さのせいかしら。最近、体がだるい。 「暑いから、素麺にしたの。あなた、好きでしょう?」 食事の準備をしようと、玄関から台所へ向かう途中、ぐらりと視界が揺れた。 「大丈夫か? しっかり! あゆみ!!」 薄れゆく意識の中で、ふと思う。あの人が倒れた時も、こんな風だったなと。
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