君と君と君と

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かくれんぼしよう。 広い畳を駆け回る。なんだか、大空を飛んでいるみたい。 あ、お空に反応して、一人見つかった。 かくれんぼしよう。 つぎは、お仏壇の前を這ってみる。 白い子供の空間に、甘いお供え物の匂い。 次は、何が見つかるかなぁ。 黒んぼ兄ちゃん、みいつけた。おたまじゃくしみたい。 かくれんぼしよう。 お人形さんの顔、何だか寂しそう。 ねぇ、一緒にかくれんぼしない? お人形さんを抱いたまま、二階に上がる。 きゃっ、きゃっ、と、外で、同い年位の子供達が遊んでいる。集中していたから、びっくりしちゃった。 ざわざわと、ざわめく、心の衝動に駈られ、走り出す。 あそこだけ、静かだ。 みいつけた。お人形さんと私で、また、ひとり、見つけたよ。 そして、みんなで、テレビを見ながら、ぼた餅ほおばって、笑うよ。白い歯に茶色の餡が付いて、笑ったら、ほら!幸せだ。
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