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「ああ、やっぱお前サイコー」
「どーも」
じゅぷ、と音がして結合が解かれる。だらしなく伸びたコンドームの先にはどろどろの白い塊が溜まっていた。
「濃いね」
「締め付けるからだよ」
ごろりと横に並んで最後のキス。恋人でもなんでもないのにキスが好きだった。今夜だけはあたしのもの。夜の、この瞬間だけ。その証拠。
首元にもキスマークを着けようとするとぐい、と肩を押される。強い男の力。抗えなくて睨み付けると肩を竦めるトモヤ。申し訳なさそうな顔が半分もう半分はいやらしい獣。
「彼女にバレるって」
「バレれば良いのに」
彼女がいるのにセフレを作る理由って何なんだろう。まったく男って不思議な生き物だ。いつかはバレてしまう嘘なんだから、はじめから付かなきゃ良いのに。
面倒くさくなってベッドサイドのタバコの箱をたぐり寄せる。裸のまま。なんとなくシーツで胸を隠して。火を点けた。
百円ライターはどうしても造りがちゃっちくて火傷してしまいそう。セブンスター。14ミリグラム。苦いけれど、これがまた癖になってしまうのだ。タバコの中で一番好きな味。煙を吸い込んで、肺の中に送り込む。それから空気の循環を感じながら、もう一度新鮮な空気を取り込む。渋みと苦みと、懐かしい匂い。口から吐き出せば白い煙はすぐにどこかへ霧散されてしまう。
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