九月 カフェテラス

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 短くハルコのスマホが震えた。着信音ではなくバイブがメッセージを告げるのだ。ハルコはそれに気付いてスマホを手に取る。  なんとなく表情を盗み見る。女の勘という奴だ。スマホを見る表情、返信の速度、その他諸々雰囲気の変化など。  ちょっとだけ、ハルコは嬉しそうだった。セフレか、それとももっと特別な存在か。 「カレでも出来た?」 「んー、違うよ?」  こて、と首を傾けてへにゃへにゃ笑うハルコはあざとい。こういう笑顔に男は騙されるんだ。 「でも、なんか嬉しそう」 「まぁねー。セフレなんだけど、ちょっと格好良くて」  ああほら、やっぱり。ハルコはそれから惚気もどきをする。  曰く、彼女持ちだけれど自分との時間も大切にしてくれるだとか。  曰く、今度二人で旅行に行く話が持ち上がっただとか。  曰く、その人は近いうちに別れて自分と一緒になってくれるだとか。
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