九月 カフェテラス

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 なんとまあ、どこにでもあるような不倫話。いや、結婚はしていないのか。  あたしは幸せそうなハルコにぶしつけな言葉は投げつけられなかった。  こんなのよくある話じゃないか。男っていうものは単純な生き物で。例え恋人がいても気になる異性が出来ればアプローチをする。その気が無くても手を出したがるのだ。  もしくは、遊びの一環で。ストレートな話、味変え。  毎日牛丼ばっかりは食べられない。偶にはステーキとかラーメンとか食べたい。  豪華な食事が、あたしやハルコにあたる。所詮は男女のなんでもないお遊びだ。  けれど、そんな事、ハルコにストレートに伝えられない。伝えられるはずもない。  彼女は今、幸せなんだ。  幸せそうにあたしにセフレの話をしてくれている。  そこまで空気の読めない人間でもないから、ただうんうん頷いて、良かったねと一言。これでいい。ハルコが幸せなら、犯罪に巻き込まれさえしなければ、それでいい。 「リコもね、恋すると考え方変わるよ! 幸せホルモンが増えるのかなぁ」  ぽわぽわ笑顔でそんなことを言われる。  幸せ、幸せかぁ。ホンキの恋愛。ハルコは今、しているのだろう。 
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