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なんだかその言葉を無駄に噛みしめて返事が滞る。言い淀んだあたしの顔をハルコがじっと見つめて、それから困った顔をした。
「ごめん、喋りすぎた?」
「ううん、大丈夫。あたしも身を固める時期かなぁと思って」
やだ、オジサンみたい。
手を叩いてはしゃぐハルコにそうだねとちょっと冷めた態度をとった。頭の中はホンキの恋愛でいっぱいになっていた。
思えば、全然恋らしい恋、してなかったなぁ。
そんなことを考えながらハルコとは別れた。次に会うのはいつになるかわからない。けれど、それくらいの危うい関係性の方が長く続くことを知っていた。
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