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遺書
私がそこに
何を書くのか
あなたなら
ここまで来てくれたあなたなら
もう解っているのではないですか
ええ
そうです
その通り
終わりゆく私たちは
終わりゆくのだから
私がいなくなっても
終わりゆくのだから
それはただ
当たり前のように
ひとつ小さな火が消えるだけ
そうして
そのあとの時間はもう
私にとっては無いのと同じ
誰かが何を思っても
私にとっては無いのと同じ
感謝も
怨嗟も
未練も
希望も
繋いだ手の温もりも
涙に濡れた優しい言葉も
闇の底で抱き締められたことも
最期まで一緒に過ごしたことも
最終的には全て無くなる
もう解っていますね
あなたなら
そう
だから
だからね
私は
もちろん
何も
書きません
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