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三月はクイズ番組があまり好きじゃない。普段だって一緒にいる時に見るのはちょっと気が引けるのに、12時間も見るのは申し訳ない。
俺の部屋にある小さなテレビで見ればいいけど、なにせ生放送だから見る方も気合いが入る。
お昼にクイズ番組が始まってすぐ、三月は出かけて行った。
「ちょっと実家に行ってくる」
きっとおせち料理とかご馳走様をもらってきてくれるに違いない。
嬉しい。優しい。ありがたい。
でも早く帰ってこないでね。
「元旦なんだからゆっくりしてこいよ。俺はクイズ番組見てるから、気遣い無用だ」
「うん。そうする」
『できればクイズ番組の終わる23時50分までは帰ってこないでくれ。でもおせちは食べたいから23時51分に帰ってきてくれ』とは言わなかった。
「いってくる」
三月は出て行った。
しかしなんと5時間後にはもう帰ってきてしまったのだ。
「ただいま」
「おう」
「おせちちょっと貰ってきたよ。あとオードブル」
「ありがと」
生放送クイズはあと7時間もあるのに。なぜこんなに早く帰ってきたのだ。馬鹿。
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