17人が本棚に入れています
本棚に追加
年明け、勤めている駅前のカルチャースクールに行くとすでに同僚の柏木さんと、所長が出勤していた。
「おはようございます」
所長はマイホームパパ(?)を絵に描いたような、ほのぼのとした男性。
柏木さんは才媛の誉高い、キリッとした俺より年下の女性である。
全国チェーンとは言え、小さな規模のこの支店には講師は3人しかいないから、気楽なものだ。
「今年もよろしくお願いします」
「よろしく」
「三月君はお正月何してた?」
「適当にのんびりしました。実家に帰ったり、おせち食べたり」
あとは恋人とやらしいことをしました。
「柏木さんは?」
「私は特に何もしなかったですね。イベントらしいことってあんまりしないんです」
六月と正反対だな。
六月は落ち着いた雰囲気の割に、子供みたいにイベント事が好き。
俺の誕生日は祝ってくれるし、バレンタインも何かしらプレゼントをくれる。年末は蕎麦を食べたがるし、クリスマスにはケンタッキーとケーキを食べた。
「僕はとにかくたくさん食べたね。年越し蕎麦、おせち、ケーキ、あとはケンタッキー」
所長はニコニコと報告してくれた。
「年末年始にケンタッキーですか?」
最初のコメントを投稿しよう!