睦月という名の愛しい人

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最初はそれだけしか感じなかったのに、いつからか2人でいる姿を見ると不愉快になった。 悲しいような、腹が立つような、裏切られたような。なんとも言えない気持ち。 しょっぱいと思って食べた卵焼きが甘かったみたいな、苛立ち。 それが六月への恋心の始まりだったのか? あるいは理想のカップルにイラつくようになる、お年頃だったのか?それはわからない。 いつものまにやら俺と六月は互いに意識し合うようになり、ちょっと二股された期間もあったけど、なんやかんやで彼はかのこさんと別れた。 かのこさんは単体で見れば結構いい人だと思う。だけど2人が別れた時、正直に言うとざまみろと思った。 結局六月は俺を選んだのだ。はは。 かのこさんが侮れないのは、その後の行動だ。あろうことか六月の親友と結婚したのだ。 荒木先輩。 メガネをかけた陽気なサッカー部。 六月とは正反対なキャラだけど、仲が良くて、俺も一緒に遊んだりしてたのに。 急にその2人が結婚するなんて。 恐ろしい世の中だ。 六月は2人が結婚してからは、荒木先輩とあまり連絡をとっていないようだった。 そりゃそうだ。 元カノと親友が結婚。
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