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「私も。最近は時短勤務のお陰で逃げられるから嬉しい」
「お酒嫌いなんですか?」
「友達同士で飲むのは好きだよ」
「わかります。俺も家で軽く飲むのは好きです。お正月も友達と飲みましたし」
友達というか、恋人なのだが。
道端さんはうなずく。
「会社の飲み会って、結局最後は愚痴オリンピックみたくなって疲れるから行かなくなったのかな。六月君は?」
「俺は、酔っ払うと無礼講で何を言っても許される感じが苦手で」
「確かに。この時代になってもそう言う空気あるよね」
「悲しくなります」
「悲しいの?」
「悲しいし、がっかりします」
ふーんと道端さんは窓の外を見た。
「六月君はあれだね。なんというか、一言で言うと」
「一言で言うと?」
「ぶりっ子?」
俺はチラリと道端さんを見た。道端さんはミラー越しにニヤリと笑った。
俺は瞬きをした。
なるほど、道端さんはなかなか面白い人のようだ。
面白い人と一緒に働けるのは嬉しい。
俺もニヤリとすると、今度は道端さんが瞬きした。
「あ、そういえば」
「なんです?」
「この際だから突撃しようか?中丸パン2号店」
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