仔馬の名前

6/8
前へ
/297ページ
次へ
「グッドアイディアだ!」 「いいね、それならドドドの子供だって一発でわかるし」 「これで決定でしょ」 「違うというのなら戦います!」  恐らく重役やスタッフたちは、ツバメに詰め寄っているのだろう。いくらオーナーの娘とは言え、これほど大勢の声に押されれば断り切れない。  しどろもどろなツバメの声が聞こえると、更に大勢のスタッフたちの立ち上がる音が聞こえてきた。まさに絶体絶命だ。 「ええと…本人に聞いてみますね」  ドドドドドドドドドは脂汗を垂らしながら後ろに下がった。自分が乗り込んだせいで息子により酷い名前がついてしまった。  その後ろ脚にバケツがぶつかってひっくり返る。中にたまっていた水が地面を少しずつ濡らしながら進み、カグヤドリームの2022の足元まで流れていった。  ドドドはそっと2022の顔を見ると、顔を伏せ表情を隠していた。
/297ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加