2022年8月 カグヤドリームとの約束

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 なぜ、乳離れを行うのかといえば、それは仔馬に競走馬として早く自立させ、母馬にも次の出産の準備を始めさせるためである。  スタッフたちも仔馬がきちんと自立できるように、細心の注意を払っており、この日もグランパの飼育員は仔馬たちの様子を眺めていた。シュバは、そんなスタッフの目をかいくぐって牧場の裏手を進んでいく。  間もなくシュバは第2ブロックの納屋に忍び込んだ。 『ここがお母さんたちの引っ越し先とみて間違いないみたいだな』  そこでは牧場スタッフたちが掃除をし、納屋の中にワラを運び込んでいる。作業は順調に進んでいるようだ。 「ここがキャロットカグヤの部屋だな」 「おい、こっちにもワラを寄越してくれ」 「うっざ、またアブが入ってきたよ!」 「叩き潰せ叩き潰せ」  スタッフたちは忙しそうに作業をしていたが、スピーカーからチャイムの音が響くと全員が手を止めた。
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