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春風
飲みかけのコーヒーが冷めていく
捨てられるためだけの恋に似ている
こんな日差しの中で目を閉じれば
誰でも詩人になれるのかな
春風が白いシャツ躍らせて
なんてことない時 無駄じゃない
いつもより 長い午後 太陽は
道草を食むように進んでる
懐かしいレコードをかけてみる
思い出を辿るだけ針が振れる
遠く離れた人と聞いた歌が
かすれてキレイに聞き取れない
春風があの人の影 消して
なんてことない時 また戻る
いつもより 長い午後 青空は
あの時と変わらずにそこにある
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