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エロ本との出会い
其一
9歳くらいの頃。
当時私は学校区内を縦横無尽に駆け回る少女であった。
仲良しグループに所属はしていたものの、放課後は様々なクラスメートと遊びまわった。
場所は神社。
友人はちょっと大人びた色白の少女であった。
天気は雨。
傘をさしながら顔を隠し、秘密の話をするのにはうってつけである。
さて帰ろうと方向転換をしたが別れがたく、何故か境内の裏に回ってしまったところで
「はじめまして。」
エロ本と出会った。
広がった雑誌には女性のヌードが
「こんにちは。」と私たちに裸体を見せてくれていた。
「汚い!」
と思った。
その汚いには
・女性のヌードを見るおじさん(勝手な想像)に対する嫌悪感
・その雑誌を神社に置きっぱなしにしている非常識さ
・雑誌が雨に濡れてぶよぶよになっている不潔さ
の三点を指す。
そのままお友達と
「気持ち悪いね。」
と話し合いながら神社を出た。
その晩、私の右手親指が知らないうちに切れていて血がにじんでいた。
翌朝学校で友人に話すと、友人も知らないうちに右手親指が切れていて血がにじんでいたそうだ。
エロ本を見つけたことは一切口に出さず、きっと境内の裏を回ってしまった罰が当たったんだね。
という事で落ち着いた。
今思うと、エロ本の人は、何故神社を選んだのだろう。
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