殺人、始めました。

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『殺人、始めました』  夏のある日、町を歩いていると見知らぬ人からラインが届いた。アイコンは真っ黒で、誰だかわからない。  新多明宏(にいだあきひろ)は、すぐに それを削除した。内容があまりにも気味悪く、残しておくには度胸がいる。  あいにく、そんな度胸はない。明宏はホラー映画を一人で見れないほどの臆病者。だから、友人達から「ヘタレ」とバカにされている。  暫く経って、またラインが届いた。内容は同じたが、何かが違う。 ──アイコンだ。アイコンの画像に白い枠が付いている。  それに、アイコンの画像が目に見えなくもない。  明宏は、またメッセージを削除した。しかし、すぐに同じメッセージが届く。  アイコンは予想通り目だった。またすぐに削除。けれど、またメッセージが届く。  消しても消しても届くメッセージ。何度やってもキリがない、と明宏は「やめろ」と叫び続ける。  それでも、メッセージは止まず、アイコンは次第に人の顔へ。その顔は、明宏だった。それも、生首の姿で。  また、メッセージが届いた。 『サヨウナラ』  すると、汽笛の音が間近で鳴り響く。 「うわあああああああ」 完
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