セツナラセン〜再春〜

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目を覚まして、まず先に感じたのは後悔だった。 現在23時。 中途半端な時間帯に、想像以上にぐっすり眠ってしまったせいで、悲しいくらいに目が冴えている。救済といえば、今日が金曜日の夜で、明日何時まで寝てようが、誰にも文句を言われないことだろう。 "あいたたた……"と重たい腰を上げて、私は冷蔵庫から流れるように牛乳を拝借した。 ──この時間なら、ホットミルクが妥当だ。 あとで蜂蜜も追加しようと、頭の隅で考えながら、電子レンジの加熱ボタンを押した。 マグカップが、赤いスポットライトを浴びながら、順調に温められている。私はそれを見届けながら、先程見た夢の内容を思い返した。
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